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第38話


夢をみていた。

音声のない映像がたんたんと流れている…

カラム5歳の誕生日…

みんなでお祝いしてくれたなぁ…

そういえば、隣の席にも、カラムと同じお祝いセットが

あったんだっけ…



あれ? なんだっけ? なにか思い出せそうな…


おにいちゃん…

そうだ、カラムには、おにいちゃんがいたんだった…

生まれてくる時に死んじゃったけど

生きていたら、双子の兄になるはずだった兄が…


母から、その話を聞いた時は、泣いたなぁ…


でも、次の日から、ボクは、よく話しかけてた。

そこには誰もいないけれども…

なんとなくいる様な気がして…


父も母も、止めなかったから、カラムの独り言は

この年になるまでずっと続いてた。

まわりからは、ちょっと変な子に見られていたかも知れない。


音のない映像が暗転し、音声付きの映像が流れる。


「おかあさん、おにいちゃんは、すごいんだよー

まちの中で、やくそうをリュック一杯になるまで集めちゃうんだ!」


「そうなの、すごいのねー」

「うん、行く所、行く所、やくそうがあったんだよ!」


ニコニコしながら、カラムの話を聞いているクエリー


小さい頃のカラムだ。母さんは今よりもっと若い。

こんな話をしてたんだなぁ。


また、暗転し、映像が流れ始める。


「おかあさん、おにいちゃんは、すごいんだよー

まいごのわんちゃんを見つけちゃうんだよ!」

「そうなの、すごいわねー」

「うん、ゆうかいされちゃった、ワンちゃんなんだけど、

おにいちゃんは、すごいから、いる所がわかっちゃったんだ」

「ゆうかい? ワンちゃんが?」

「うん、わるいぼうけんしゃの人にさらわれちゃったみたい」

「悪い事する人もいるのね」

「ねー」

「それでね、ちかのひみつの扉をあけたら、ワンちゃんがいたんだよー」

「へー秘密の扉なんてあったの?」

「うん、おにいちゃんが、見つけたんだよ!」

「ほんとに、凄いのねー」


ん?

なんか、最近あった様な…


また、暗転し、映像が流れ始める。


「おかあさん、おにいちゃんは、すごいんだよー

しょうそっていう魔法が使えるんだよ!」

「しょうそ?」

「わかんないけど、弓矢の的を、こわしちゃうくらい凄い威力の

魔法だよ!」

「へぇー凄いのね」

母は変な顔をしている…

しょうそって、何? みたいな顔だ。



……

………


しょうそ…

これも、最近あったな…

まさかな…

しかし、しょうそなんて、偶然に出てこない言葉だよな…


また、暗転し、映像が流れ始める。


「おかあさん、おにいちゃんは、すごいんだよー

しんたいきょうかっていうスキルが使えるんだよー」


「おにいちゃんは、凄いのね」

「うん! すごく強い人から色々教えてもらうんだけど

すぐに、覚えちゃうの!」

びしびし! とか言いながら、拳を振り回している小さなカラム。

それを、微笑ましく見ている母。


こ、これは、もう…

未来予知?

いや、夢だからな…

過去に、カラムが母を相手にこんな事を言っている事実はあるのか…

うーん…

母さんに聞いてみないと、なんともだけど。

聞けないしな…

夢だから、覚えてられるかどうか? わからないし…


ゆっくりと暗転していく映像…

暗転したままの時間が長い。

夢が終わりに近づいてるのか…


あぁ、夢が終わる…

覚えてられるといいんだが…

……………………

……………

………

……


いつの間にか、寝てたのか…

今、何時だ?


sql> select now();

+---------------------+

| now() |

+---------------------+

| 3023-05-17 06:16:11 |

+---------------------+

1 row in set (0.00 sec)


朝か…


『ステータスオープン』

名前:カラム

年齢:12才

職業:冒険者 (行商人見習い)


LV:1

HP:10

MP:13980(+13980)

SP:700

STR:6

ATK:5

VIT:5

DEF:4

INT:8

DEX:4

AGI:7

LUK:9


Mpは、復活してるな。

石化はちょうどカラムに戻って、また石化してるとこか…

魔眼に込められた魔力は、まだまだあるみたいだ。


こうしてる間に、デバッグ出来てなかったスキルを、デバッグしよう。

まずは、鑑定かな。


石化した人を鑑定したら、どうなるのか?

試さないと!



鑑定の『SkillAnalysis Success!!』のアラートをじっと見つめる。

スキルメーカーが、鑑定の術式と共に、立ち上がってきた。


とりあえず、どんな処理をしてるのか? 確認しよう。


魔力量設定

魔力操作設定

ターゲット設定

動作設定

詠唱設定

個体識別魔法陣読み取り設定

個体識別魔法陣読み取り実行


なるほど、構成としては、こんな感じなんだ。

基本は、あらかじめ設定してある情報を使って

最後の、個体識別魔法陣読み取り実行をするみたいだな。


個体識別魔法陣って、なんだ?


ドキュメントがあった。

読んでみよう。


個体識別魔法陣とは、この世界に存在するもの全てに

付与されている魔法陣である。

重複なしのユニークな魔法陣であり、これによって

権限や行動記録など、全てに紐づいています。


個体識別魔法陣によるサービスは、様々なものがあります。

例を挙げると、冒険者ギルドのギルドカード、

犯罪者識別の水晶などがあります。


へー

そうなんだ。


バーコードとか、QRコードみたいなもんかな?

ピッってやると、商品管理された商材の値段とか商品名が判る様な

そんなイメージ。


しっかし、この世界に存在するもの全てに、付与されている魔法陣か…

すげーな。

DBには、そんな情報が無かった気がするけど、見せない情報なのかな。

まぁ、いっか。デバッグしてみよう!



スキルメーカーをデバッグモードに移行させる。

術式が、真ん中に、左側のウインドウには、

変数のデータとブレークポイントが、表示され、

右側の上には、クエリーの画像が表示されている。

下側は、デバッグコンソール。デバッグログが流れる表示域だ。


とりあえず、処理の始めで、ブレークポイントをはって、

実行をクリックする。


魔力量設定は、いつもの感じだ。

条件によっては、自分以外の空間に満ちている魔力まで供給源に出来る

あの感じ。

今回は、必要魔力量は2だ。

2だと、1になっちゃうけど、魔力は足りるかな?

まぁ、いいか、足りなければ、エラーが出るはずだし。

そのまま、ステップ実行! ぷすっとな。


次は、魔力操作設定。

これは、当然AUTOで、ステップ実行。


ターゲット設定にきた。

とりあえず、自分を鑑定するか。

自分をターゲットにして、ステップ実行。


動作設定は、無しで、詠唱設定は、そのまま”鑑定”で。


次は、

個体識別魔法陣読み取り設定か…

ステップインしてみるか。


レベル差による読み取りを可能にする設定


デフォルトでは、しない となっているな。

デフォルトでは、自分のレベルより、1~3上までを読み取り可能としているらしい。


する にすると、レベル差関係なく読み取りをする。

ただし、レベル差分の魔力を必要とする。


どのくらい必要になるのか? わからないけど、

ここは、する にしておこう。

魔力を一杯使っても、鑑定出来た方がいいしな。


鑑定偽装を鑑定する設定


デフォルトでは、しないになっている。

する に設定すると、鑑定偽装しているものに対しても

鑑定をかける。

ただし、相応の魔力を必要とし、成功率は数%である。


ここも、するに設定しておこう。

どのくらい魔力を使うかによるけど、するにしておこう。


まぁ、どういうしくみで、鑑定偽装するのか? わからないんだけどな。


とりあえず、こんな所か。

よし、ステップアウト、ぷすっとな。


これを抜けると、個体識別魔法陣読み取り実行するだけか。

ステップアウトで、実行してみよう!

ぷす!


名前:カラム

年齢:12才

職業:冒険者(行商人見習い)

状態:感染


LV:1

攻撃力:F

体力:F

魔力:S

素早さ:F

器用さ:F

かしこさ:F

運:F


スキル:


魔法:なし

称号:なし



でたー

半透明な板に、文字列が表示されている。

スキルに何もないのは、ユニークスキルしか持ってないからか。

魔力だけ、S。

レベル1だしね。他のステータスは、仕方ないな。


とまぁ、あえてスルーしたんだけど、状態が、感染って!?


石化じゃない!?


お読み頂きありがとうございます。

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評価、いいね、ブックマーク頂いた方、ありがとうございますー

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