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第29話


「ごめん、母さん。探知スキルって言ってたけど、本当は…

神託スキルなんだ」


「!? 神託スキル…」

母は、跪いて拝もうとしだした。

「ちょ、ちょっと母さん、拝まないで!」

「神託って言っても、神様からああしろ、こうしろって、指示があるわけじゃないし、

神様の声も聞こえないし、姿を見た事もないよ」

「そうなの?」

不思議そうな顔をする母。

「このスキルは、なんていうのかな、鑑定に近いのかな? 色々と調べる事が出来るんだ。」

ますます、不思議そうな顔をする母。


「なんていうか、遠い場所まで、鑑定出来る感じ」

「例えば、父さんが今何処にいるか? とか、分かる感じ」

「!? 凄いわね! で、何処にいるの?」

食いついた!


ちょいと、検索してみよう。


sql> select * from players where name like '%デヴィッド%'\G

*************************** 1. row ***************************

Id: 1233

Name: デヴィッド

latitude : 35.741602

longitude : 39.322959

elevation : 130.8461303710938


よし、どうせなら、地図データとリンクさせよう。


確か、開発ツールに、地図エンジンとかあったはず。


こういう時は、意識操作でなんとかなって欲しい。

自分の緯度経度の座標を中心に、地図を表示したいなーっと、強く思う。


お! 何か立ち上がってきた。

なぬ、初回登録が必要とな。サインアップだ!

サインアップ登録完了!

MappingApiの使用が可能になったぞ。


カスタマイズのコーディングは後でやるとして、このサンプル画面でなんとかならないかな…

画面には、ギルドの訓練場を中心とした地図が表示されていた。

指をつまんだり、広げたりする動作で、拡縮出来た。

いいね!

指で触ってそのまま引っ張ると、地図がスクロールしてくれる。

おぅ! いい感じ。

自分の座標を地図にプロットしたい!


アイコンを選択して、紐づける座標データを登録すると、プロット出来るらしい。

じゃあ、俺のアイコンはこれにしよう!

紐づける座標は、playersテーブルの緯度経度の座標を指定と。

出来た!


ちょっとスクロールさせて、また戻ると。

その座標の地図が画面に表示されたら、自分のアイコンも追従して表示された。

いいね!


とりあえず、父の座標位置をプロットしてみよう

アイコンを選択して、緯度経度の座標を設定する。

さて、どこにいる?


地図を縮小して、世界を広げる。

お! いた!

意外と近い。地図を拡大していき、アイコンが真ん中になる様に、地図を

スクロールさせていく。

ここは! 街道かな?

町から町への行商で、今日は、ネクストステップの町へ向かってるはずだ。


「見つけた。今は、街道にいるみたい」

「ふーん。レコードも一緒?」

「ちょっと待って」


sql> select * from players where name like '%レコード%'\G

*************************** 1. row ***************************

Id: 1235

Name: レコード

latitude : 35.741602

longitude : 39.322959

elevation : 130.8461303710938


兄のアイコンを選択して、緯度経度の座標を設定。

地図にプロットする。


この地図、見せられないかな?

俺にだけ見えてるウインドウの、セキュリティレベルを下げる?

そんな事を考えていたら、ウインドウのプロパティモーダルが開いた。

表示ユーザー一覧に、カラムとあった。

これに、母さんを追加すれば、見れる様になるかな?

ユーザーの追加ボタンを押して、母さんを追加した。


「どう? 母さん、見える?」

いきなり空間に地図が現れ、目を丸くする母。


「ほら、このマークの所にいるのが、父さんで、こっちのマークがレコード兄さん

同じ座標だから、一緒にいると思う」

「へー」

「地図を広げるね。」

指で地図を広げる操作をしながら、

「ここが、今、ボク達がいるギルドの訓練場で、ここが、父さん達のいる所。

意外と近いよね」

「ちょっと、待ってカラムちゃん! なにこの地図!?

ギルドの建物だけじゃなくて、隣の建物とか、町の中の建物、それに道まで!

こんなに詳しく載ってる地図なんて、見たこと無いわよ!」


「ちょっと、さわってもいい?」

母さんは地図を触ろうとしたが、指は地図を素通りした。


「あーん、やっぱり、これも触れないのね…」

「これも?」

「ディリーミッションのスキル選択の画面とかが、触れないのよね。

似てる感じがしたから…」

「そうなんだ。じゃーどうやって選択してるの?」

「眼力よ!」

「めぢから?」

「そう。選びたいのを きっ! と見つめると、選択出来るの」

意識操作のインターフェースがここでも使われてるんだ。

「この地図は、わたしの眼力も効かないわ…」

「あ、ちょっと待って」

セキュリティレベルの設定を変えてみよう。そう思ったら

地図のプロパティモーダルが開いた。


操作ユーザー一覧に、今は自分しかいないけど、母を追加する。


「どう? 触れる?」

「あっ!? 触れたわ! これ、どうやって使うの?」

「地図を触って、その指を動かすと、地図がついてくるでしょ?

それが、ドラッグスクロール。」

「どらっぐすくろーる…なるほど、ついてくるわ」


「次は、親指と、人差し指で、地図をつまむ様に動かしてみて。」

「こう?」

「そうそう。地図が、縮小したでしょ? それが、ピンチイン」

「ぴんちいん…どんどん、地図が小さくなってきた。」

「次は、今と逆の動きで、親指と、人差し指で、地図を広げる様に動かすの」

「こうかな」

「そう、地図が拡大してくでしょ? それが、ピンチアウト」

「面白いわね、これ。これなら、何でも探せそう

確かに探知スキルって言えば、確かに探知ね」


「うん、あとは、ボクに使われたスキルを、ボクが使える様になる感じかな」

「!?」

驚愕の顔をする母。

「なにそれ! ずるい!」

そう、まさにチートだよね。


「じゃあ、さっき、カラムちゃんに鑑定かけたけど、

もしかして?」

「うん、たぶん、使える様になるかも」

「うっわー、凄すぎる。もしかして、身体強化も?」

「うん、昨日の訓練で、コミットくんが使ってたから」

「覚えちゃったのね?」

「うん」


母は、顔に手を当てて、おうふとか言ってる。


「これはもう、負け組決定ね」

「!? 負け組?」

「親子共々、負け組とか、どうなってるのかしらね? まったく」

「母さん、なんで負け組?」


「え? だって、カラムちゃんの能力を知ったら、攫いたくなるでしょ?」

『うっ』

確かに。権力者なら、欲しがるかもしれない。

「何もしてなくても、攫われそうになるとか、もう、人生、負け組よ、負け組!」

「あたしの鑑定ですら、攫いにくるってのに、神託よ! 神託!」

「そりゃー教会が黙ってるはずがないわ! 教会だけじゃないと思うけどね」

母は一気にまくし立てた。

がっくりと膝をつくカラム。_| ̄|◯


負け組か…

「逃げる準備をしとかないとだめかしらね。町からというより、国から? むぅ…

何処かいいとこあるかしら?」

「母さん。逃げたい所だけど、ダメなんだ」

「ん?」

何で? っていう顔をする母。


「半年後…正確には、11月11日11時11分に、レイドボスが、レイドボスって言っても

わからないか…天邪鬼っていうモンスターが、この町にやって来る。」

へ? っていう顔をする母。

「そのモンスターは凄く強くて、たぶん何処へ逃げても助からない」

「え? 何を言ってるの? カラムちゃん」

「モンスターを討伐しないと、この町は壊滅。誰一人として、生きていられない」

「下手をすると、国ごと無くなっちゃうかもしれない」

「まさか! 神託なの?」

こくりと頷くカラム。


「さっき、神様からあーしろ、こーしろって言われないって言ったのに!」

「いや、神様から言われたんじゃないんだけど、イベントが、  あーイベントって言っても

わからないか…うーん…」

「予言なの?」

「予言とは違うんだけど、調べたらわかったんだ」

「未来の事を調べたの? それって、予言じゃないの!?」


うーん…イベントデータが、未来日付を指してて、その日が来たら、確実に実行されるから

って言っても、イベントデータの存在自体、説明出来ないしなぁ…


「とにかく、神託スキルは、未来の事を調べる事が出来るって事?」

「あぁ、まぁ、そうなるかな」

「まさに神託といった所ね。」

「そうかな?」

「未来の事を調べるなんて、神様しか出来ない事よ!」

跪いて祈り出した母。

「ちょっと、やめて! 母さん、そんなんじゃないんだから!」

「あーうちの子が、使徒さまになっちゃったのかもしれないわ!」

「違うから! そんなんじゃないから! ほんと、やめて!」


「ちょっと、聞いてもいい?」

母がかしこまって聞いてきた。


「過去の事も分かったりする?」

「ん? あぁ、DB検索すれば、わかる事もあるかもね」

「現在の事はさっき、デヴィッドの事を調べてくれたから…

こうなると、過去、現在、未来 全てを見通す事が出来るって事じゃない!

やっぱり、神様の力よね!」


うーん…DBを検索してるだけなんだけどなぁ…

まぁ、そもそも普通の人は、DBの存在自体が分からないし、検索も出来ないから

結果だけを見ると、神のごとき力を使ったみたいに見えるのかも。


なんというか、やばい。

「母さん、これはスキルの力で、ボクの力じゃない。

だから、神格化はやめて!」


黙ってしまった母。


「ごめんなさい…ちょっと、うかれちゃったわね…」

「……」

ジト目で母を見つめるカラム。


「話をもとに戻すよ。確か、負け組の話をしてて、町から逃げるとか

母さんが言ってて」

「そうそう、カラムちゃんが、

半年後…正確には、11月11日11時11分に、モンスターが、この町にやって来る。

たぶん何処へ逃げても助からない」

とか、言っちゃって、きゃーかっこいい!


母は、俺のモノマネをしながら、話だし、勝手に盛り上がる。


「母さん!」

キッと睨むと、テヘペロしやがった。


「とにかく! 半年後に、ヤバいモンスターがやってくるんだよ!

このままだと、みんな死んじゃうの!」

「神様が来てやっつけてくれないの?」

「そうだったら、助かるよね。でも、当日になってやっぱり来ませんでしたー

とかになったら、みんな死ぬよ!」


「カラムちゃんから、お願いしたらどうかしら?」

「あのねーボクは神様と知り合いじゃないから! たく、ボクをなんだと思って…

あーもしかしてまだ、使徒だとか思ってるんじゃないよね?」

そっぽを向いて、口笛を吹く母。

「違うって言ってるのに、もう!」


「ちなみに、そのモンスター、王国騎士、1万人くらいいたら勝てる?」

「どうだろう? わからないな。ちょっと調べてみる…」


確か、Idは、100だったはず。


sql> select * from players where Id = '100'\G

*************************** 1. row ***************************

Id: 100

Name: 天邪鬼

Kind: 002

Lv: 444

Hp: 4444444

Mp: 4444

Sp: 0

Strength: 444

Attack: 444

Vitality: 444

Defence: 444

Intelligence: 44

Dexterity: 44

Agility: 44

Luck: 44

Job: レイドボス

BodyAge: 44


うっ!?

4のゾロ目だ。

4百万超えのHp…

俺が10しかないってのに、こいつときたら…


「王国騎士がどれくらいの強さかわからないけど、コミットくんが1万人いたとして

攻撃が通るかどうか? 身体強化を使ったとしても、厳しいんじゃないかな」

「そんなに?」

「防御力とか、攻撃力を下げまくって、何百、何千と攻撃しないと、無理かも」


「カラムちゃんなら、なんとかならない?」


「いまの所、どうやっても無理。だって、レベル1だよ? Hp 10 しかないから

ね」

「Hpが何か分からないけど、モンスターはそれがいくつなの?」

「4444444!」

「よんひゃくよんじゅうよんまん…」

絶句している母。




「逃げるとか言ってる場合じゃないって事ね。」

「うん」

「母さんがさっき言ってた様に、強くなるしかないかな」

「わかった、手伝うわ! 何をすればいい?」

「とりあえず、レベル上げかな?」


「わかったわ。戦闘訓練が終わったら、レベル上げしましょ」


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