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第25話


「次は、どうするか…」

コミットくんは、少し考える仕草をしてから、話し始めた。


「ここまで出来るとなると、これもいっとくか…」

「戦闘訓練で、こんなのやらないんだけどさ、カラムちゃんと僕は似たスタイルだと

思うから、参考になるかも。」

「似たスタイル?」

「あー、身長が低くて、体重が軽いってとこね」

「…」

「避けて避けて避けまくって、スピードと動きで、相手を翻弄して

急所を突く! こんな感じ。」

コミットくんは、片目をつぶって見せた。

ウィンクだ! ナチュラルにウィンク頂きました!

コミットくんのウィンクに驚いていたが、なるほど、確かに戦闘スタイルは

似てくるかもしれない。


「じゃあ、見ててね」

「はい!」


「カラムちゃんに向かっていくからね、ちょっと離れるよ」

コミットくんは、そう言うと、20メートルくらい後ろにさがった。


「じゃあ、いくよー」

そういうと、コミットくんは、数メートルダッシュして、腕を上に振り上げると

ロンダートを決め、バク転が始まった!

1回、2回、3回、バク転をしたあと、その勢いを利用して、空中に跳ね上がると

ひねりを加えた回転で、身体をカラムの正面に向けた状態で着地する。

その後、身体が沈んだと思ったら、後ろへバク宙を決めた。


「おぉ! 凄い…」

眼の前で繰り広げられたコミットくんの技に、度肝をぬかれたカラム。

もちろん、キャプチャー済である。


これは、体操!?


「どうだった?」

笑顔で聞いてくるコミットくん。


「はい! 凄かったです!」

「へへへ、褒められると嬉しいね。これも、出来ちゃったりするかな?」

「やってみます」

ぎょっとするコミットくんだったが、カラムはまた固まっている。


ダッシュ1(ワン)のシナリオに、組み込んでみるか…

あとで、別シナリオを組んでもいいし、とりあえず、ダッシュ1(ワン)で。


モーションを細かく分割して、ロンダート、バク転、ひねりを加えたジャンプ、

着地してからのバク宙。

それぞれ、別ファイルに保存し、シナリオを組んでいく。


ダッシュ中に、ロンダートって思ったら実行するように設定する。

バク転は、ジャンプって思うまでループしてて、

ジャンプって思ったら、ひねりを加えたジャンプを実行。

着地した時に、バク宙って思ったら、バク宙を実行。

右へって思ったら、右サイドステップを実行。

左へって思ったら、左サイドステップを実行。

後ろへって思ったら、バックステップを実行するように設定した。


よし、モーションリンクボタン!


さっきより、ちょっと長く固まっているカラムに、しびれを切らしたコミットくんが

声をかけた。


「大丈夫? できそうかい?」

「はい、やってみます!」

カラムは、20メートルくらい後ろにさがってから、コミットくん目掛けて

走り出した。


ダッシュ1(ワン)!


ダッシュから~のロンダート!

バク転が始まって3回、ジャンプ!

ひねりを加えたジャンプ。着地が決まり、バク宙!

コミットくんの目の前で、バク宙が決まる。


「!?」

驚愕の表情を浮かべるコミットくん。

「凄い…これも完璧だ…」

「これも、10回やりますか?」

「いや、これはいいかな。」

微妙な表情のコミットくん。

「?」

「いや、なんでもないよ。カラムちゃんが凄すぎて、びっくりしてるだけだから」


この動きは凄いな。

もう何回かやっておきたかったけど、もういいのか…

あとで、やればいいか、いつでも出来るし。

なんて思ってると、コミットくんが、話しかけてきた。


「ここまで出来るとなると、攻撃手段を、教えてもいいのかもしれないんだけど

木剣を振るか、自由格闘、どっちがいい?」


木剣か! 剣を使って、モンスターをスパスパ、ぶった切ってくなんて、

カッコいい!

でも、自由格闘? ってなんだ? ケンカってこと?

聞いてみよう。


「あの、自由格闘ってなんですか?」

「自由格闘ってのは、いわゆるケンカだね」

やっぱり、ケンカだったー


「パンチとかキックとかする感じなんだけど」

「まぁ、なんていうか…言いにくいんだけど、カラムちゃんの見た目とかだと

冒険者に絡まれやすいというか、なんというか…」

あーなるほど。テンプレか


「身体が小さくて、かわいいから、舐められちゃうっていうかね、そういうトラブルが

起きやすい体質?」

体質かー


「モンスターなら、剣を使って戦えるけど、絡んできた冒険者とかには、使えなかったり

するからね。ギルド内で剣を抜いて戦ったら、最悪ギルドカード没収とかのペナルティが

課せられるから。たとえ、自分が悪くなくてもね」

なんと! 絡まれ損。


「これから、理不尽な事、一杯経験すると思うけどさ、自由格闘で戦う分には、

ギルドカード没収とかの重いペナルティにはならないから、最初にやっておくのは

自由格闘の方がいいと思うんだけど、どうかな?」


コミットくん、フラグになる様な事言わんでくれー

理不尽な事は、一杯経験したくないよー

涙目になりながら、

「自由格闘でお願いします」

と言った。


お読み頂きありがとうございます。

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