第24話
「じゃあ、次は、サイドステップする時なんだけど、僕が手を叩いたら、
サイドステップする様にしてくれるかな。手を叩くまではダッシュし続けてね」
「わかりました」
なんと! これは、なんとか対応しないと。
ObjectDesign のウインドウを開き、動作設定のタブを選択。
うーん、手を叩いたら、サイドステップか。
こうなると、一つ一つの動きを分割しないと、ダメだな。
前方ダッシュ、右へサイドステップ、クルッと回転。3ファイルに分割出来るかなとか
考えたら、モーションエディターが起動した。
カラムの動きがスライダーに追従して動く。
コマ単位で、動きの選択が出来るようだ。
ダッシュの部分を選択して、ファイルに保存。
サイドステップの部分を選択して、ファイルに保存。
クルッと回転する部分を選択して、ファイルに保存。
さくっと、3分割出来た!
モーションエディターには、複数の動きを繋いで、複雑な動きを設定出来る
モーションシナリオなるものがあった。
順番に、モーションファイルを並べていくだけで、いいみたい。
そのファイルで使用する秒数の指定とかあったりするけど、
まぁ、デフォルトで設定した。
次のモーションファイルへいく条件設定があったので、
自分が次へと思うまでループする設定にしてみた。
ずっとダッシュするモーションファイルが実行されていて、
次へって思ったら、
サイドステップして、くるっと回転して、最初のダッシュファイルへ戻る。
ダッシュファイル以外は、条件設定をしなかったので、
全部オートで実行される。
ファイル名は、ダッシュ1(ワン)にした。
これでいいか。
モーションエディタで、動きの確認をして、モーションリンクボタンを押した。
また固まってしまったカラムに、声をかけるコミットくん。
「大丈夫かな?」
「あ、はい、大丈夫です。やってみます!」
よし、いってみよう!
ダッシュ1(ワン)!
ダッシュを始めるカラムに、コミットくんは、すぐさま手を叩く。
次!
右へサイドステップをして、くるっと回転。真逆の方向へダッシュするカラム。
うまくいった!
また手を叩くコミットくん。
サイドステップして回転。真逆へダッシュ。
四角を描く様にダッシュ&サイドステップをするカラム。
これも、10回くらい繰り返して、戻ってきた所で、コミットくんが声をかけた。
「はい、一旦終了!」
「凄いよ、カラムちゃん! 完璧! 最初からこんなに出来るなんて
才能あるよ!」
「ははは、ありがとうございます」
モーション頂きましたからw
「右のサイドステップはもういいから、左のサイドステップをしようか。
そのあとは、ダッシュからのバックステップ。これもやってみよう!」
「はい」
「じゃ、左、やってみよう!」
「あ、あの、見本を」
「ん? 左に飛ぶだけ、さっきのと同じ感じでやってみて」
「えーと、コミットくんの見本を見せて欲しいです」
「?? まぁ、いいけど。じゃあ、やるから、見ててね」
コミットくんは、ダッシュして、左へサイドステップ。クルッと回転して
真逆へダッシュ。しばらく走ったあと、左へサイドステップして、戻ってきた。
「こんな感じだけど、どう? わかった?」
「ありがとうございます!」
キャプチャー終了!
ダッシュ1(ワン)のシナリオを修正だ。
ダッシュするモーションファイルが実行されている時に、
前は次へって思ったら、右へサイドステップって、感じだったけど
今回は、右へって思ったら、右へサイドステップ以降を実行。
左へって思ったら、左へサイドステップ以降を実行するように、設定した。
これでいい。
モーションエディタで、動きの確認をして、モーションリンクボタンを押した。
また固まってしまったカラムに、困惑気味のコミットくん。
「あれ、…」
「やってみます。左も手を叩いたら飛ぶ感じですか?」
「そうだね。そうしよう」
「では、いきます」
ダッシュ1(ワン)!
コミットくんの手を叩く音と共に、左へサイドステップするカラム。
右と遜色なくきれいな動きをする。
「ほんと、すげーな…教えがいがある」
何回か手を叩いて、カラムの動きを確認したコミットくん。
戻ってきたカラムに声をかけて、終了をうながした。
「はいーお疲れ、凄く良かったよ! こんなに出来るとは思わなかったからさー
びっくりだよ。次もこの調子でね」
「はい!」
モーションリンクすげ~わ。
最初は動かされてる感じはあったけど、やっぱり、自分の身体だから、自分で動いてる
感じがある。
身体強化がないと、たぶん、無理だと思うけど、洗練された動きをトレース出来るってのは
かなりな強みだな。
毎日やれば、ノーマルボディでも、出来る様になるかもしれない。
「じゃあ、次は、ダッシュからーの、バックステップ」
「これは、攻撃に行ったら、反撃されて、左右に避けられない状況だったから、
後ろに避けたって感じ。結構あったりするからね、困らないように、訓練しとこう」
「はい」
「前にダッシュしてるのを、急制動して、かつ、後ろへの移動。目線は敵からそらさない。
結構、大変なんだけど、よく見ててね」
「はい!」
コミットくんは、前方へダッシュすると、スライディングで、急制動をかけると、
後ろへ飛んだ。
後ろへ振り返りながら、こんな感じだよと言ってきた。
これは、前からも、キャプっておきたい!
「すいません、もう一度お願いしてもいいですか?
こんどは、ボク目掛けてダッシュして欲しいです。」
「え? あぁ、いいけど。ちょっと待ってね」
コミットくんは、ちょっと後ろに下がって手をあげた。
「じゃあ、もう一度いくよー!」
「はい、お願いします!」
ダッシュが始まった!
『モーションキャプチャースタート!』
これも、ダッシュ1(ワン)のシナリオに組み込んでおこう。
これは、ダッシュ中に、後ろって思ったら実行するように設定する。
そして、そこで、実行を終了。
今までのは、ダッシュへつないでループしてたけど、バックステップは
実行を終了させることにした。
よし、モーションリンクボタンをぷすっとな。
毎回、固まっているカラムを見ながら、もうちょい待つかと思ってるコミットくん。
しばらく待ってから、声をかけた。
「どう? できそうかい?」
「はい、やってみます!」
ダッシュ1(ワン)!
『後ろへ』
ダッシュからのスライディング、そこから、バックステップ!
完璧に再現して見せるカラム。
「おぉ! これも出来ちゃうか! さすがだな。」
お手上げのポーズをしながら、首を振っているコミットくん。
「それも、10本やったら、次いくからね」
「はい!」
うん、楽しくなってきた! 新しい動きをどんどん覚えたい!
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