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208/209

第208話

次回、最終回です!


『レイドイベントが終わってるの』


『なんという事だ……』


『イベントが終わってるって事は、レイドボスは死んだって事か……』


リミットはレイドボスのデータを検索してくれた。


sql> select * from players where Id = '100'\G

*************************** 1. row ***************************

Id: 100

Name: 天邪鬼

Kind: 002

Lv: 444

Hp: 0

Mp: 0

Sp: 0

Strength: 444

Attack: 444

Vitality: 444

Defence: 444

Intelligence: 44

Dexterity: 44

Agility: 44

Luck: 44

Job: レイドボス

BodyAge: 44


『Hp も、Mp もゼロ……

これは、死んだって事なのでは?』

『うん。誰がやっつけてくれたのかしら?』


『そうだな……それも分からないけど、この世界にいるヒトって、このまちに

いるヒトだけなんだよな?』

『そう。見渡す限り、瓦礫の山だけどね。

実際は、石化してばらばらになったヒトが約5万人いる』


『それ以外は、いなくなった……

滅んじゃったんじゃないかな、この世界……』


『まだ、うちとおにいちゃんがいるし……

ココアだって死んでない。

それにまちのヒトも……』


『…………』



『あっ!?』


感慨にふけっていると、リミットが声をあげた。


『どうした?』

『おにいちゃんのステータスを調べてて……』

『ヒトデナシ族が変化したとか!?』

『いえ、それはそのままだったけど……』

『なんだ……そのままか』

『Sp が、4000 もあったから、何でもらえたのかなと思って調べてたら……』

『ほう、4000 もあったのか! はじめての事一杯やったからな』

『コネクトレセプター以降のやつで、名前だけ表示するわね』


はじめての返信メール

はじめての魔力回復水

はじめてのくらげ

はじめての光通信

はじめての100万魔力

はじめてのスケールアウト

はじめてのスケールアップ

はじめての求愛対応

はじめての渡し人

はじめてのヒトデナシ

はじめての異世界階段

はじめての蛇の道

はじめての常世からの帰還

はじめてのレイドボス討伐


!?

『マジか!? はじめてのレイドボス討伐?

どういう事? ボク達は間に合わなかったから、戦っていないんだが……』

『そうよね。』

『生き残ってるのがボク達だけだから、ボク達がやっつけた事になってるのかな?』

『どうかしら』

『うーん……バグってるかもだけど、レイドボスの討伐報酬くらいあるんじゃないかな?

Sp 100 だけなんて、しょっぱすぎるし』


『そういうのって、どこで貰えるの?』

『ものにもよるけど、ステータス系は直接付与か、アイテムを使う事で

増やせるみたいな感じかな。

アイテムの場合は、player_items みたいなテーブルに入ってると思う』


『なるほど。これかしら?』


sql> select * from player_items order by desc limit 10\G

*************************** 1. row ***************************

Id: 25

ItemId: 777

Quantity: 1


『マジか! あるのか……』

『持ってた荷物は全部燃えちゃったから、1個しかないみたい』

『ふむふむ。ItemId で、items テーブルを引いてみて。』

『ラジャ!』


sql> select Id, Name, Description from items where id='777'\G

*************************** 1. row ***************************

Id: 777

Name: 神棚の鍵

Description: 神棚を開ける事が出来る鍵。


神棚かみだなの鍵? そんなのどこにあるんだ?』

『メタルゴーレムって、ポケットあるの?』

『いや、無いんじゃないかな?』

『じゃあ、カラムに戻ったらどう?』

『リミットの着ている服とか調べてみた?』

『うん、なかったわ』


『そっか、なにげにはじめてなんだよな。メタルゴーレムから

カラムに戻るの』

『そうね、テストも兼ねてやってみましょ』

『わかった』


ブーストオフ カラム!


ボクは、呪文を唱え、カラム(女の子の姿)に変身した。


『お、良かった。ちゃんと戻れた』


過去映像の世界の薩羅薩神社さらすじんじゃやしろ

あった巫女服を、ボクは着ていた。


『ふむ。ポケットらしいものは無いな』

そではどう?』

そで?』


ボクは両手を広げて、何かあるか? 調べてみたら……

そでに何か入ってる様な……

と思ってると、リミットが、そでの中を調べてくれた。


『あった!』


リミットがそでの中から取り出したのは、見るからに鍵と

言わんばかりの鍵だった。


『まさか、本当にあるとは……』

『でも、鍵はあっても、どこの鍵? 神棚かみだななんてないわよ』


『でも、なんかあったような……

ボク達が飛び出てきた時の箱がそんな形してた気が……』

『そう言われると、そんな気もするけど……

うち達が出てきたのって、ココアの背中にある箱からだったわ』


上半身と下半身が分かれてしまった石像のココア。

ボク達はココアの背後にまわり、背中に背負っている箱を見てみた。


『屋根がついてる……』

神棚かみだなっぽいといえば、確かにそうかも。ココアはなんで、こんなの背負ってたのかな?』

『さぁ、わからないわ。うち達が出てきた時はこの扉、開いたのよね?』

『うん。でも鍵穴みたいなのないよな?』

『開くのかしら?』


リミットが背中の箱に手をかけようとしたので、慌てて止めた。


『ちょっと待って!』

リミットは手を止めてこちらを見た。


『壊れちゃったら困るからさ、ヒールをかけてみない?』

『この状態のココアに?』

『うん。ストーンゴーレムなら、身体が元に戻るんじゃないかと思うんだ』

『なるほど。やってみる価値はあるわね』


『じゃあ、やるよ』


と言った所で、待ったがかかった。


『待って、おにいちゃん!』

『??』

不思議そうな顔をしてたら、リミットが話しかけてきた。


『うちがやるわ。うちの方がおにいちゃんより、ヒールは上手だもの』

『そ、そうか、わかった、お願い!』


リミットは、ボクの前で手をかざして、ココアの顔に近づけた。


『ヒール!』

膨大な魔力の奔流ほんりゅうほとばしっている!


ぼろぼろと崩れていた石像が、みるみるうちに、元の姿に戻っていく。

手足は生え、分断されていた上半身と下半身はつながり、ひび割れていた

身体は、ヒビ一つなく綺麗な石像へと変わった。


『ふぅ……』


リミットはため息をひとつ。

そして、こう言った。


『うまくいったみたいね』

ボクとリミットはハイタッチして喜んだ!

崩れてぼろぼろになってるココアの石像が、綺麗な石像になったのが

嬉しくて、涙が出そうになった。



『って事は、ストーンゴーレムって事なのかな?』

『わからないわ。ステータスも石化のままだし、Hp も1のまま。

だけど、身体は元に戻った』


ボク達は、綺麗になったココアの石像の後ろにまわり、背負っていた箱を見た。

箱もキレイに修復されていて、どこかヘビ神様のおやしろ

似ている気がした。


『鍵穴なんてないよな?』

『うん』


扉は閉じたままだったから、リミットが扉に手をかけたんだけど、

うんともすんともいわなかった。


『閉まってるわ』

『ふむ』


この鍵どうやって使うのかな? って思いながら、なにげなく、

扉の前に鍵を持っていったら、空中に、鍵穴が表示された!?


『なにこれ?』

『物理的な鍵穴じゃないって事なのかしら?』

『なるほど。よくわからないけど、入れてみるか』

『うん』


ボクは鍵を鍵穴に差し込んだ。

そしてまわした。


カチリ


ココアが背負っていた神棚かみだなの扉が開いていく……


中に入っていたものは、一輪の花だった。

赤いその花は、ボクも知っている。確か、彼岸花ひがんばなと呼ばれているものだ。


神棚かみだなの中になぜ、彼岸花ひがんばなが入っていたのか?

ボクには分からなかったが、ボクはその花を手に取った。


『レイドボスの討伐報酬がそれ?』


リミットが話しかけてきた。


『そうみたい。綺麗だけど、何か意味があるのかな?』

『鑑定してみる!』

『そうか! よろしく!』


鑑定!


彼岸花ひがんばな


種類 : アイテム

効果 : 石化を回復する

説明 : 1回使うとなくなる


!?

『なんというピンポイントな……』

『凄い……』


『レイドボスの討伐報酬、誰だか分からないけど、

やっつけてくれてありがとうございます!』

『どうやって使うのかしら?』


『分かんないけど、とりあえず、ココアにお供えかな?』

『えー、そうかな?』

『髪に飾るとか?』

『うーん、とりあえず、やってみましょ』

『わかった!』


ボクはココアの髪に飾ろうと思って、彼岸花ひがんばなを、ココアの髪に

近づけていたら、風が吹いて、ココアの髪に彼岸花ひがんばな

触れていた。


!?

劇的だった!


石化していたココアの身体が色を取り戻していく!

みるみるうちに、みずみずしい生きているココアが、姿を現して……


やがて、ボクと目があったココアは、涙を流しながら、こう言った。


「カラム! おかえりなさい!」

「うん、ココア、ただいま!」


ボク達は、互いに抱きしめ合いながら、泣いていた。


お読み頂きありがとうございます。

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新作の方も宜しくお願いいたします!

剛腕JK

こちらもよろしくです。

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