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004

 

 それからすぐに、学園長にも現場を確認してもらえた。シェリーの机を見た学園長は、痛ましい表情をしていた。こんな事態を許してしまい、申し訳ないと頭を下げた。これは、学園として確り対応させてもらう。二度とこの様な事がないようするから、安心して欲しいと言葉にしてくれた。犯人が見つかるまでは、他言無用にするようにと釘を刺す事も忘れなかった。


 事件があって一週間後、全て解決したので安心して欲しいと担任から報告を受けた。加害者と被害者の親に報告が行き、それぞれ謝罪と罰が下ったらしい。詳しい経緯は、先生から説明はなかったが後日、どこからともなく今回の顛末が学園中に広まった。


 一人の女子生徒が退学になった。少し位の高い令嬢で、両親に甘やかされた自信たっぷりの勘違い令嬢。自分の婚約者が同じクラスのシェリーと仲良く喋ってる事が気に食わず、今回の事を計画したらしい。本人にしてみたら、軽い嫌がらせの一環だっただろうに仕掛けた相手が悪かった為、大きな過ちとなった。当事者の婚約者やシェリーは、クラスメイトとして普通に話していただけなのに·····。シェリーの余り見せない笑顔に嫉妬したのが原因だった。


 クラスメイトと笑顔で会話してるだけで、嫉妬されるなんて、本当に勘違い貴族令嬢は厄介だとファビオラは思った。


 進級そうそう、ゴタゴタがあった二組だったが、この事件によりクラスの団結力が強まり男女とも仲の良い、素敵なクラスになった。






 ファビオラは、特にシェリーと仲良くなり今回お礼も兼ねてフェレーラ侯爵邸に招待された。それが、週末の事だった。


 フェレーラ侯爵夫妻は、領地も持たない弱小子爵令嬢のファビオラにとても良くしてくれ、今回の事は本当に感謝していると恐れ多くも頭を下げてくれた。


 ファビオラは、そんな大袈裟な歓待を受けると思わなかったので驚き終始恐縮していた。侯爵夫妻は、縮こまっているファビオラに嫌な顔一つせず穏やかに色々な話を聞かせてくれた。段々と肩の力が抜けたファビオラは、侯爵夫妻に学園での話やシェリーとの話をする事が出来た。


 侯爵夫妻や、シェリー、そしてシェリーの兄みんなが、ファビオラの話を聞いて、頷いてくれたり相槌を打ったり質問してくれたり、ファビオラの心はとても温かかった。これが、家族団欒って言うのかなと夢を見ているみたいだった。


 目の前でニコニコしているシェリーに、ファビオラは語りかける。


「シェリーの御家族は、本当に素敵ね。私の憧れになっちゃった」


「そうかしら?」


 と、頬を染めながらシェリーは呟いた。


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