表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕はキミに「さよなら」を告げる  作者: さくら 美羽都
26/29

新米守護霊~彼女との交渉~




深夜になっても妃奈(カノジョ)の居場所が見つからず、僕は途方に暮れた。

これ以上は捜しても意味がないと思い、とりあえず今日は休んで翌日、再び捜すことにした。

守護霊だからどこで寝ようが自由だし、下界の人間とぶつかることも当たることもないので、とても快適で過ごしやすい。

僕は妃奈(カノジョ)に逢えることを願いながら、眠りについた。

そして、翌日。

僕は早速、朝から妃奈を捜し始めた。

すると、いきなり「柚原 大一!」と呼んでいる声が聞こえた。

突然、呼ばれたので驚いたが、聞き覚えのある声だったので「はーい!僕はここでーす!」と叫んでみると、来たのは守護霊の教官だった。

「あの、どうし……」

「バッカモ~ン!!」

「ひぇっ!」

いきなり、怒鳴られた。何故だ、僕は何かしたのだろうか。

「何故、途中で退席したのだ!」

「えっ、退席!?」

「この後、順番に守護霊になりたい人物の居るエリアを教えるから、そこを重点的に捜すと見つかるぞって話をしたのに、順番になってもお前は来ないから神様に聞いたら、もう出たって言うじゃないか!」

「えっ!?そ、そうなんですか……」

血眼(ちまなこ)になって捜したんだぞ!」

「えっ、あの……すっ、すすすみません!」

「全く……彼女に逢えるのが、とても嬉しいのは分かる。がしかし、浮かれ過ぎだ。きちんと守護霊としてのルールや話を聞いておかないと、後で「知らなかった」「聞いてない」じゃ済まない問題だって、あるんだぞ」

「はっ、はい。すみません……」

「はぁ。無事に見つかったから良かったものの……これが、違う教官だったら放置もんだったぞ。ちゃんと守護霊としての自覚を持て!」

「ひっ!?す、すみません……」

「彼女の住んでいるエリアは、もう少し向こうに行ったところだ」

教官に怒られ激励されて、僕は改めて妃奈(カノジョ)を捜した。

すると、すぐに見つかった。昨日の苦労は一体、何だったのか。

妃奈(カノジョ)はコンビニから帰るところだった。

僕は妃奈(カノジョ)の後を追い、自宅マンションに入った。

そして妃奈(カノジョ)が部屋に入り、しばらくして僕は妃奈(カノジョ)に声を掛けた。

「妃奈……?」

「えっ」

驚いたように、妃奈はこっちを見た。

「僕が……見える?」

「えっ、えっ!?」

「見えて、ないの……?」

「あっ、えっ!?」

どうやら、妃奈はパニックに(おちい)っているようだ。

「妃奈、落ち着けって!」

「嫌ぁーー!」

大声を出されてしまった。しかし、僕が見えているから、そんな反応をするんだろう。

僕は妃奈(カノジョ)が落ち着くまで、黙って(そば)に居た。

「あの……落ち着いた?」

「ひっ!?」

「あっ、ごめん……」

「……えっと、」

「何?」

「ほ、本当に……大一、なの?」

「うん、そうだよ」

「えっと、なんで……?」

「えっ」

「なんで、ここに……」

「あっ、それはね」

僕は妃奈(カノジョ)に、神様から手紙を受け取ったこと、守護霊のこと、時間を掛けて守護霊になれたこと……たくさん話した。

そして、僕は妃奈(カノジョ)に交渉した。

妃奈(キミ)の守護霊にならせてください」と───




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ