さよなら~僕の覚悟~
僕は来年の守護霊試験に向けて、猛勉強した。
必ず、合格してみせると固く誓って───
そして、ようやく来年の春に僕は守護霊試験へ臨んだ。
妃奈に逢う為に、守護霊として守る為に。
そして、合格発表の日。
僕としては、すごく頑張ったと思う。あんなに真面目に、長期間も勉強したなんて……試験勉強とか、大学受験以来じゃないだろうか。
自信はないけど、無理矢理にでも自信を持つしかない。
大丈夫、受かってるよ。
そう思って、合格者発表へ向かった。
───が、不合格だった。
僕は、奇跡を起こせなかった。
ショックでショックで、僕は生きる気力を失くした。
いや、もう僕は生きていないのだけど表現するなら、その言葉がしっくり来る。
何だか、二度も僕は死んだような気持ちになった。
しかし、いつまでもクヨクヨしてはいられない。
妃奈は今でも、寿命を減らされた残りの人生を全うに生きようと、頑張っている。
守護霊試験に落ちたからって何だ。
何度でも立ち上がって、また挑戦すれば良いじゃないか。
僕は再び、必死に守護霊試験の勉強と対策を練って頑張った。
そして、五度目の正直でようやく、合格することが出来た。
合格者発表に名前が載ったのを見た時は、興奮と安心で腰を抜かしてしまった。
やっと……これで、僕は晴れて妃奈の守護霊になれる!
「神様~!」
「おっ、その声だと……合格したか」
「はいっ!五度目の正直で、合格しました!」
「そうか。長かったな」
「はい……やはり、試験は難しかったです……」
「しかし、合格したからには約束だな」
「はい!とても嬉しくて、安心して腰を抜かしてしまいました」
「なんだ、それは」
ふっ、と柔らかい表情で神様が笑っているのを……初めて見た気がする。
普段から神様は、威厳を保つ為なのか元々そういう顔なのかは分からないけど、ポーカーフェイスのように、あまり表情に出さない人だ。
淡々としているので、笑うこととは無縁だと思っていた。(勝手な想像と決め付けを、ここで懺悔します。すみませんでした)
だから、笑った時はこんなにも表情が柔らかく、綺麗な人を初めて見たと言っても過言ではないぐらい、綺麗だった。
見とれてしまった。
「ん?どうしたんだ」
「あっ、いや、その……」
「まぁ、いい……それでだ。急で申し訳ないが、明後日からの3日間、守護霊の心得の座学を受けてもらう。そして、それが終了すれば晴れて、守護霊になれる」
「いよいよ、僕が守護霊に……」
「遅れることがないように、気を付けろよ?」
「はいっ!柚原 大一、頑張ります!」
「ふははははは!その意気だ。頑張れよ」
あんな風に笑う神様も初めて見た……
何だ、明日は槍が降って来るのだろうか。




