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レッツプレイ!リズムゲーム  作者: 桜崎あかり
第1章
5/60

第5話


 オケアノス内に存在するゲームエリアは無数あった。

それこそ特定ジャンル縛り、ミニゲーセン、麻雀ゲーム以外にもリアルの麻雀卓が置いてある場所もあったりする。

蒼風あおかぜハルトが入店したのは、リズムゲームを主体としたスペースと言えるだろう。

店の広さはゲーセンにしては広めであり――歩いて1分位経過したのに、行き止まりの壁が見えない。

店舗スペースは、基本的に避難経路的な意味もあって四方を全て壁で封鎖したようなスペースは存在せず、あっても壁に該当するのは一方だけ。

ハルトの入店した『ARリズムゲームエリア』は透明な特殊強化ガラスの壁が自動ドアのあった一面、残り三面は壁なしとなっているようだった。

壁なしのエリアには筺体等は置かれておらず、そのエリアを出ると別の道、もしくは別のエリアに繋がる。

「本当にリズムゲームが多い――」

 あまりの爆音具合もあって、自分の声でさえも若干聞き取りづらいのではないか――と言う状況だ。

リズムゲームの場合、ヘッドフォンを使用している機種は一握りと言う関係もあって、音が干渉しあうと言うのも日常茶飯事である。

しかし、ここに限って言えば爆音機種は二割くらいで、あとはヘッドフォンでボリュームコントロールが可能な機種が揃っていた。

さすがにダンス等の大きな動作が伴う機種は爆音設定だが、最近はコードレスヘッドフォンと言うのも開発されているので、これが実現すれば――という声もあるだろう。

(あれは――?)

 ハルトが通路を歩いていると、目の前に何やら誘導看板らしき物が見えてくる。

これに関しては電光掲示板だが――間違いなく、この先を左折するとある――と書かれているのだが、書き方が難しくて分かりづらい。

ハルトも最初は看板をスルーしようとも考えていた位で、これが人の集まらない原因なのか――と。



「これが――例のリズムドライバーか」

 目的の『リズムドライバー』を遂に発見するハルトだが、動画の印象とは異なる機種に驚きを感じていた。

ゲーム画面を表示するモニターと、ある程度の広い動作スペースだけの機種と言うべきか?

動作スペースと言っても、一般的なリズムゲームよりも広めになっており、横幅だけで五メートル位はあるだろうか?

筺体は四台で稼働しているので、これだけで横幅二〇メートルは占拠している事になる。

三台がプレイ中だが、一台は調整中と言う事でプレイできないようだ。厳密に言えば、追加したと言う方が正しいのかもしれない。

(一台は無理か――?)

 調整中の一台は左端に設置されているのだが、その隣はプレイ中の様である。他の二台もプレイ中だが――。

動作スペースと通路を挟む形で若干離れた場所に置かれたセンターモニターを見ると、プレイ状況はすぐに分かるような仕組みになっている。

ここで整理券を発行するシステムらしいが――調整中の一台も連動させる為に発行システムを切っているらしい。

《現在、整理券発行システムをオフにして運営しております。順番の割り込み等は行わないでください》

《基本プレイ二〇〇円。連コインは出来ませんので、次のプレイヤーに順番をお譲りください》

 センターモニターには整理券発行システムを切っていると言うインフォメーションが常時表示され、注意事項の部分でテロップが入れ替わっているようだ。

《ゲームで使用するガジェットは乱暴に扱わないでください》

《ガジェットレンタルはモニター隣のレンタルスペースで借りる事が出来ます》

《レンタルガジェットは、プレイ後に指定のスペースへ返却をお願いします》

 レンタルスペースと言うのは、モニター隣の箱らしい。コイン投入口がないようだが――どう扱うのか?

しばらくすると、一人のコスプレイヤーが――レンタルスペースの前に立つ。そして、何やらタブレット端末と思わしき物を指定の場所へとかざしている。

《プレイ料金の入金を確認しました》

 ただの箱かと思ったら、武器庫や小型のガレージを思わせるような形状だった。これだけでも弱化の大きな筺体が一台置けそうなイメージである。

小型の扉はチェックと共に開き、指定の端末機にタブレットをかざす事で入金されるようだ。電車の改札口にある電子マネー用の改札みたいな物かもしれない。

ハルトは財布に小銭がある程度入っているのは確認していたが、電子マネーが必要になるとは予想もしていなかった。

リズムゲームの中には電子マネーも利用できる機種も存在し、それは一〇〇円硬貨も使用出来るのだが――電子マネーオンリーは初めて見る。

(なるほど――ああいう風に武器を選ぶのか)

 レンタルされているガジェットの中には、剣、銃、グローブが確認出来た。他にもありそうだが、コスプレイヤーの人物が確認していたのは三種類だけである。

その中から、この人物は剣を選ぶ。剣と言っても実体剣を思わせる五〇センチ程の長さ――相当重いのではないか、ともハルトは考えた。

しかし、そのコスプレイヤーは試し振りで非常に素早い素振りを披露する。あれだけの長さなのに――軽いのだろうか?


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