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レッツプレイ!リズムゲーム  作者: 桜崎あかり
第2章

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38/60

第38話


 午後五時になると、オケアノス内でも様々なプレイヤーが姿を見せ始めた。既に蒼風あおかぜハルトは帰宅している状況で、だが。

盛り上がり方は比留間等とは別物であり、周囲のプレイヤーが入れ替わるレベルである。

「やはり、あのプレイヤーは凄かったな――」

「ハルトとか言ったか――」

「一体――どういう事だ?」

「ここにきているプレイヤーよりは、強い可能性が高いだろうな」

「ランクⅨプレイヤーは数人確認されるようになったが、未だにⅩはいない」

「Ⅹはいたのでは?」

「アレはノーカウントだ。チートプレイヤーはアカウントが凍結されているはずだろう」

 プレイ動画をセンターモニターで視聴したプレイヤーは、ハルトと夕立のプレイ動画を見ているのだが――その反応はさまざまだった。

それに加えて、興味のないプレイヤーはモニターの前を横切る事無く、素通りしている。おそらく、自分がタッチしていないジャンルにはスルーを決めているのかもしれない。

ARゲームの場合、対手のユーザーが興味のないジャンルには手を出さないのがマナーと言わんばかりにスルーしているのだ。おそらくは下手な介入で炎上するのを避ける狙いがあるのかもしれない。

【ランクⅩは都市伝説だろう? あのプレイヤーはアカウントが凍結されていて確認出来なくなっている】

【ランクⅩ候補は色々と名前が出ているようだが――】

【ランクⅩ自体、特定大会専用称号では?】

【対櫂限定は考えたが、ランクⅩは公式ホームページにもある最高の――】

【確かに公式ホームページで言及されている以上は、おまけ要素とは考えにくいか】

 他にも様々なつぶやきが拡散されていたが、公式ホームページでも明言されている以上はランクⅩは都市伝説ではないと証明された。

しかし、そこへ到達したプレイヤーが次々と謎のアカウント停止を受けている事は――あまり知られていない。



 それから二週間は経過した三月二七日、リズムドライバーで更なるアップデートが行われていたのである。

アップデートが行われたのは二〇日の事であり、既に一週間が経過していた。しかし、このシステムに関しては賛否両論ではなく――逆に反対派の意見が非常に少ない。

【反対派が少ないように見えるのは、どうしてだ?】

【炎上するのを避けるために意見を避けているような気配はない。なのに、この状況か?】

【あの変更は、どちらかと言うと不正プレイ対策が大半だろう】

【炎上しない理由は、そっちなのか?】

【こちらが理解する間もなく、あの――】

 ネット上でも賛否両論気味だが、この変更に反発するプレイヤーはいない。チートプレイまがいのプレイが規制されたという意見もある。

それは、ある特定ガジェットの組み合わせでコンボを稼ぐ事が出来るという物なのだが――その方法が別の意味でも仕様の穴を突くようなチートギリギリと言える方法だったのだ。

その方法が動画で拡散すると、一斉にまとめサイトがチートを推奨していると煽り、炎上合戦になりかけている状況に――。

しかし、それもわずか一日弱で炎上はあっという間に鎮火していき、気付くとネット上では取り上げたまとめサイトが芸能事務所の指示で炎上させていたという嘘のような本当の話が飛び出した。

「こうもあっさりと決着するとは――」

 この一連の流れを自宅の配信ルームでチェックしていたのはアイオワである。

「これ位のハイスピード決着を他のジャンルでも望みたいが――無理な相談か」

 ペットボトルのコーラを右手に持ち、左手ではサイトをチェックしていたタブレット端末をタッチし――。

様々なニュースを見てため息をつきながら、コーラに口を付け、またサイトをチェックしながら――それを数度繰り返すうちにコーラの方は空になった。 

「これだけのハイスピード決着を実現させたのも、様々な訓練があってからこそ――と言うべきか」

 アイオワがチェックしていたサイトのニュースには、他のエリアで起きたARゲームや他ジャンルゲームのトラブルに関する物が書かれている。

そうしたニュースを反面教師のように学習していき、シミュレーションしているからこそ――今のオケアノスにおけるネット炎上案件の減少という実績に繋がっていた。

「もしくは、リズムドライバーの一件その物がシミュレーションの一つ――?」

 もしかして――と思いつつも、アイオワはまとめサイト以外の情報源を手に入れようと、別のサイトで検索を行う。

そのワードは――オケアノスとWEB小説だった。そして、その予感は見事に的中する事になる。

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