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レッツプレイ!リズムゲーム  作者: 桜崎あかり
第2章

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24/60

第24話


 その後も一時間程にわたって、蒼風あおかぜハルトの無双展開が続いた。厳密に無双と言うには疑わしいが――。

「あまりにも強すぎるのでは?」

「リズムゲームと格ゲー等に代表される対戦物を比較するのは――」

「しかし、リズムゲームでも上位プレイヤーはいるのだろう」

「確かにいる事は事実だが――」

 ギャラリーの声はハルトには聞こえない。相変わらずだがARメットの設定で外部音声をシャットアウトしているのだ。

中には集中力を高めて疑似的にノイズをシャットアウトする様なプレイヤーもいるが、ハルトはその領域には達していない。

しかし、外部音声をシャットアウトしていても非常事態になった時は――さすがに安全を考慮してシャットアウトがオフになる。

(まだ――超えていない)

 彼はリズムゲームで言われているある状態を超えようとしていたのだ。それは―ー集中力を最大にした、あの状態の事である。

しかし、そこまでの集中力を得るためには、そう簡単にはいかない。彼も過去に何作もリズムゲームをプレイしているが、そこまで到達した事もないのだ。

その集中力で挑めば、ある意味でもランキング上位は間違いないだろう――そう考えている。

(あの集中力さえ――マスター出来れば)

 上位ランカーはほぼその状態になれる――そう彼は考えていた。チートの様な不正プレイがリズムゲームでは、即バレする様な時代にもなっている。

だからこそ、ARゲームで使用可能なスキル以上に、その領域に到達する事がハイスコア上位のプレイヤーに追いつく為の重要ファクターと考えていたのだ。

彼のプレイスタイルは確かにリズムドライバーとしては上位なのは間違いないだろう。しかし、結局は――。

【あのプレイをどう思う?】

【FPSの動きでもなければ、アクション系の動きでもないだろう】

【あれをリズムゲームでの動きと言うのか?】

【動作が激しいリズムゲームは、リズムドライバーだけに限った話ではない】

【だとしても、普通の体感ゲームとARゲームを比較できるのか?】

【確かに比較は難しい。しかし――】

 ネット上のつぶやきでは、ハルトの動きに疑問を感じるプレイヤーも散見された。

さすがにチートや不正プレイとは疑わないのだが、それでも単純にリズムゲームだけであの動きに到達可能なのか――と言う部分には疑問の声が多い。

【プロゲーマーと比べると分かりやすいのでは?】

【ARゲームもイースポーツになると言う噂もある。それを踏まえて草加市が動いている可能性だって――】

【それは今回の件とは違う。以前の超有名アイドル商法の炎上事件を繰り返すのは――】

 他にも様々なつぶやきもあったが、これがBOTと呼ばれる自動発言によるものか、それともダミーコメントを拡散しているのかは――判断できない。

一体、草加市には過去に何があったのか? 今は、それよりも重要な事があるはずなのだが。



 ハルトが別のプレイヤーと交代し、他の場所へと向かおうとした所で――謎の女性が声をかけてきた。

身長は一八〇位で青髪のロングヘアー、メガネを着用しているが体格はアスリートに見られるようなアレである。

「貴方がハルト――ね。話は色々と聞いているわ」

 唐突に声をかけてきた事に対し、ハルトも若干だが――驚きの反応をしていた。

女性に声をかけられた事よりも、別のリズムドライバー設置場所へ向かおうとしていた矢先に声をかけられた事に驚いていたのである。

「あなたは一体――」

「名前はこっちの都合で言えないから、敢えて名乗るなら――」

 彼女の方は名前を名乗ろうとした所で左腕を見つめていた。一体、どういう意味合いがあるのだろうか?

そして、再び視線をハルトの方に向け直して――。

「アガートラーム。あくまでもプレイヤーネームだけど」

 名乗ったのはアガートラーム。神話辺りで聞くような名前だが、あるゲームでは重要な剣として出ていたような記憶がある。

プレイヤーネームで使う様な名前ではないだろうともハルトは考えた。しかし、それよりも今は――。

「あなたはどうして、自分に話しかけたのですか?」

「噂のランカーに話しかけたくなった――では駄目かな」

 ハルトの言う事も一理あるのだが、あえてアガートラームは理由を話したがらない。厳密にはあることにはあるのだが、今は話さないと言うべきか。

せっかくなので、目的地まで歩きながら話す事にする。お互いに目的地は似たような物だった事もあるのかもしれない。

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