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レッツプレイ!リズムゲーム  作者: 桜崎あかり
第1章
19/60

第19話


 午後六時になり、普通のゲーセンではアナウンスが流れそうだが――オケアノスでは流れない。

逆にショッピングモールのタイムセール等の様なアナウンスは流れているようだ。

『ただ今の時間、タイムセールを行っております。食品コーナーへ――』

 何故に、こうしたアナウンスが流れないのかには理由がある。

時間厳守は必要だが、そこをうるさく言ってしまうとネットが炎上すると言う事らしい。

閉店は深夜一二時――ではなく、何と翌日午前六時である。これはショッピングモール内にカラオケやコンビニと言った施設もあるためらしい。

ARゲーム関係は深夜一二時でメンテナンスに突入するので、どちらにしてもプレイ不能だが――。

「食品コーナーと言っても、近くにはスーパーなどもあると言うのに?」

「確かに。一体、オケアノスは何を目指して作られたのか――」

 彼らの言う事も一理あるだろう。オケアノスの周辺にはスーパーやコンビニもあるし、草加駅周辺の商業施設等も健在だ。

それに、オケアノスの方へ客足が流れているのかと言われると――実はそうではなかったりする。

ネット上ではオケアノスに関して『税金の無駄遣い』とも言われるが、草加市が建てるのに協力した以上は――何かがあると言う考えが半数を占めていた。

どのような考えなのかはネット上では様々なネガキャンが行われていて、どれが真相なのかは不明なままだ。

過去に展開しようとしていて中止になったとも噂されている『リアルゲームプロジェクト』との関係性も疑われていたのだが――。



 アナウンスのあった食品コーナーとはショッピングモール内にあったスーパーの事だった。

食品コーナーと言っても生鮮野菜や精肉、生魚等のコーナーは一切存在せず、弁当やサンドイッチ、おにぎり、惣菜類を販売するコーナーが確認出来る。

この食品コーナーのスペースはゲームコーナーより狭いが、それでも一般的なコンビニよりは若干広い――と言うレベルだ。

オケアノスと言う事もあり、半額弁当等を購入するゲームプレイヤーやコスプレイヤー等の姿も見かける。これが、商店街等のスーパーとは違う光景だろう。

店員の方も手慣れた応対でレジ打ちを行うが、基本的には支払いがセルフ方式なので店員が行うのは商品のバーコードを読み取り、支払いの計算をするだけである。

「支払いは二番のセルフレジへお願いします――」

 男性店員が手を示す方には、小さな両替機にも見えなくもないような現金を投入する機械があった。

どうやら、あれがセルフレジらしい。このレジにはスーパーでは導入されていないような最大の特徴がある。

《電子マネーで支払いますか?》

 何と、ARガジェットにチャージされた電子マネーで支払いも可能なのだ。

別のゲームで使用している物でも支払い可能だが、ARゲーム専用の電子マネーが使えるのはオケアノス内に限定されている。

おそらく、ゲームプレイヤーが殺到する理由は、ここにあるのかもしれない。

「まさか、ここで電子マネーが使えるなんてね」

 一人の女性がポシェットから取り出したARガジェットを指定されたタッチ部分にタッチする事で支払いは完了した。

この場合はお釣りは出ないが、ある意味でもオケアノスは様々なビジネスモデルのテストケースに利用されている節さえ見え隠れしている。

彼女が購入したのは、半額狙いで購入したチーズバーガーとペットボトルのコーラ、何故かカップ焼きそばも入っていた。

バッグに関しては緑をメインカラーにしたマイバッグを持参しており、これによってエコポイントが五点加算されている。

百点に到達すると、百円扱いとしてARゲームを含む電子マネー対応ゲームでプレイする事も可能なので、地味ながらもエコポイントの影響力がデカい。

 身長百七十程で服装は地味だが、体型は――ネット上で過去にパワーワードとして拡散していた樽ドルというアイドルの体格に近い。

どちらにしてもぽっちゃり系である。それでも周囲から指されないのも、オケアノスの特殊状況が影響しているのかもしれないだろう。

そして、彼女の服装は地味なのだが――その正体は中堅所のバーチャルゲーマーでもあった。

彼女の名前は夕立ゆうだち、体型で色々と言われていた中でマニアックなコスプレイヤーとして開花、その後にバーチャルゲーマーへと転身する。

現在はコスプレイヤーとしても活躍しているが、オケアノスではバーチャルゲーマーの方が有名だろう。

「何か新しいゲームは――」

 数十メートルほど歩いた所で、ARリズムゲームを扱うゲームコーナーを発見し、そこにあったインフォメーションが気になっている。

そのゲームタイトルは――リズムドライバーだった。

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