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人類だばぁ計画
あれから5年の月日。
気付けば増照の面構えも変わっていた。
ただ、彼の精神状況は決してよくなかった。
ノートにはあの頃の思い出。出来損ないの自分。
でも、それを見返すと胸がつらくなる。
やっぱり、こんな能力…。
めちゃくちゃな脳内で一つ、彼は気付いた。
まだ希望はある。…さあ!
すべてを終わらせる時だ!
それから月日が経った。
この手の小説にありがちなことなのだが、主人公はなんやかんやチートになる。
ので、増照も例外でなくすことになった。
なんとカップ焼きそばのサイズには限界がなく
自分の才のなさに絶望した彼は宇宙全体をカップ焼きそばのかやくとし、お湯を注いだ。
恒星は消え、熱湯に埋もれ、やがて生命は滅びた。
あの時…ちゃんとふりかけをとっていれば。
こんなことに…ならなかったのかな。
あつい、あついと目の前で苦しむ姉。
虚ろな瞳で見下ろす彼の耳にはもう…。
シンクが鳴らした甲高い音しか、聞こえなかった。
おわりです。