4.2年生の戸惑い
「校内に入ったはいいものの……どうしたらいいの?」
「分かんないよ!自分の異能ですらよく分かってないのに……!」
校内では、2年生が戸惑いを露わにしていた。
2年生が近くにあった階段を塞ぐように並んで、まごまごしていると……
「——邪魔!」
突然現れた4人組のうち1人が叫び、炎を放った。
「!」
2年生5人はさっと避けたが……
「——痛っ!」
波が足に火傷を負った。
「大丈夫、波⁈」
そう叫んで波に駆け寄る2年生4人をよそにして、突如現れた4人組は、階段の上へと姿を消した。
「……なんなのあいつら!」
「分かんないけど……味方ではないよね」
ひなや彩が憤り、
「波、大丈夫?」
「すっごく痛そう……」
咲や音也が波の心配をしていた。
咲が波の手を握った、その時。
「……あれ?咲、何かした?」
「えっ?ううん、何にも」
波に問いかけられ、咲は首を振る。
「でも咲……咲がうちの手を握ってくれた時、足の痛みが引いて……」
「えっ?」
「……火傷、治ったよ!」
「えっ⁉︎」
咲の叫び声で、2年生全員が黙った。
「そんな……うち、何もしてない!」
「でも……ほら!」
波が見せた足には、たしかに傷1つなかった。
「もしかして……それが咲の異能なんじゃない?」
不意に、彩が言った。
「えっ?」
「1人1つ、異能が与えられているんでしょう?だから咲の異能はきっと、治癒能力なんだよ!」
彩の言葉に、咲は納得したようだった。
「そっか……そっか!それがうちの異能なんだ!」
と、その時。
ガラガラッ、と途轍もなく大きな音がして、正面玄関の屋根が崩れた。
「……あっ!1年生のみんなは?」
「あっ」
音也の言葉に、2年生はようやく、1年生を放置していたことに気付いたのだ。
「——正面玄関にはいる?」
「ううん、いない。別のところに行ったみたい」
2年生は1年生が無事そうなことにほっと一息ついたが、いつまでもそうしているわけにはいかない。
2年生のリーダー格であり、部長でもある波が、1つ溜息をついて、2年生5人に呼びかけた。
「みんな!1年生を探すよ!自分の異能が分かんない人がほとんどだから、慎重に行こう!」
「分かった!」
とにかく、2年生は1年生を探すことを目標に、動き始めた。




