33.学校戦争の終焉
智子は咲の治療のおかげか、まだ命を保っていた。しかし、どんなに頑張っても、撃たれた痕は治らない。
「頑張って、智子ちゃん!」
途中から治癒能力を持つ佳苗や体力を回復させるひな、異能を強める波も咲に協力したが、2人分の治癒能力と1人分の異能強化を持ってしても、智子の怪我は治らなかった。
「……決して、治ることは、ない、怪我です……もう、いいんです……」
「馬鹿なこと言わないで!」
そう叫んだのは、波だ。
「波ちゃんの言う通りだよ!」
と言ったのは、さくらだ。
しかし、智子の言葉は正しかった。
智子の目は閉じられていて、息は、だんだんと細くなっていく。
「……」
智子は何かを言おうとしたが、口から微かに息が漏れるだけだった。
そして。
「……息が」
息が、止まった。
「……どうしよう……冷たいよ……!」
心臓の鼓動も止まり、だんだんと冷たくなっていく。
「……」
智子の命も、果てた。
次の瞬間。
たくさんのことが一度に起こった。
中野と智子の体が霧となって消え、学校戦争のせいでボロボロだった校舎は元に戻った。ありさ、さくら、佳苗、大翔の姿が変わり、全員に与えられた異能は消え、そして、学校戦争と智子についての記憶が、全員から抹消された。
「……あれ?」
「なんでここにいるんだろ」
「へんなのー」
全員、ぶつくさと文句を言いながら帰っていった。
こうして、学校戦争は幕を閉じた。
ちなみに、姿が変わった4人のことだが……。
覚えているだろうか。
中野がこの4人を呼び出した時、洗脳したのち、姿と声を変えていたことに。
実はこの4人、本当は現在中学3年生の、引退したばかりの吹奏楽部員の一部だったのだ。
ありさの本名は高崎優奈、さくらは大山遥、佳苗は関南々美、大翔は長野瀧と言った。
これで「Ⅰ 学校戦争」は終わりとなります。
いかがでしたでしょうか?
これからしばらくFightersの投稿はお休みさせていただきます。
不慣れなジャンルで読みにくい点も多々あったかと思いますが、読んでくださった皆様、ありがとうございました。




