表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fighters  作者: 秋本そら
Conceal
21/33

21.黒霧

「——さくら先輩!」

 1・2年生は見た。

 さくらから黒い霧が出てきて、消え失せたのを。

「こんな言い方もあれですけど……正気に戻りましたか?」

「——うん。戻ったよ。心配かけたみたいだね、ごめん。もう大丈夫だよ」


 その頃小百合は、創造主と戦いながら、会話を交わしていた。

「——そろそろ、みんな正気に戻るころなのかね」

「そうかもね。でもまだ全員じゃないんじゃない」

 小百合はにやりと笑う。

「ふふ、私も()()()()()()()()()()()()()()()()

「……何をする気なの」

 創造主は身体を硬くした。

 小百合は言い放った。

「——もう一度、呪いをかけ直すんだよ。

 今度はあの4人だけじゃない。1・2年生にもね」


 その時、音楽室では小百合の言葉通りのことが起こっていた。

「——なにあれ!」

 亜子が叫ぶ。

 部屋の中に、黒い霧が充満し始めていたのだ。

 さっき、ありさやさくらから出て行って消えたそれよりも濃く、量が多い。

 黒い霧はまず、まだ呪いが解けていない2人に吸い込まれるようにして、消えた。それは2人にかかった呪いが、強化されたことを意味していた。

 その証拠に、2人はその瞬間、言葉が急に攻撃的なものになったのだ。

 そして、その黒い霧は呪いのとけた2人や1・2年生へと向かってきた。その中でも最初の狙いは、呪いのとけた2人、しかもまだ縛られていて動けないさくらだ。

「——だめ!」

 彩が叫んで結界を張り、さくらを1・2年生の側に連れて行った。そして、さくらの拘束を解く。

「ありがとね、彩ちゃん」

 さくらは彩に向かって笑いかけた。


 しかしほっとしたのもつかの間。

 その黒い霧は結界を通り抜けてきたのだ。

「——そんな!」

 結界を再び張るが、結界を通る時に少し速度が遅くなるだけで、その黒い霧の動きを止めることはできなかった。

「——止まって!消えて!」

 さくらが黒い霧に向かって手を振ると、霧は少しだけ消えた。

「私の異能は、異能の無効化……お願い、消えて!」

 しかし、少しの霧しか消えない。さくらの異能があまり効かないようだった。

「どうして……」

「——多分、耐性があるんだよ!」

 叫んだのはありさだ。

「よく考えてみて!異能をうちらに与えたのは中野自身……。なら、呪いの霧がさくらの異能で消えないのは当たり前だよ!さくらの異能で消えないように耐性をつけているはずだもの!」

「そんな!」

 さくらが呆然とする。そんなさくらに黒い霧が迫ってくる。彩が頑張って結界を張るが、ゆっくりとでも、確実に霧は迫ってくる。


「さくら先輩なら、きっとできます!」

 ——波だった。

 さくらの左手を、波が握り締める。

「——ありがとう、波ちゃん」

 さくらは大きくうなづき、再び、波と手を繋いでいない、右手を振った。

 すると、不思議なことが起こった。

 さっきは少ししか消えなかった霧が、ほとんど消えたのだ!

「霧が、消えた——!」

 一安心したが休む暇はない。霧は次々と湧いてくるのだ。再びさくらは霧を薙ぎ払う。彩はなんとかして霧の進行を遅めようと結界を張るが、きりがなかった。


 その時だった。

「——伏せて!」

 ——文香の声だ。

「伏せて!危ない!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ