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Fighters  作者: 秋本そら
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2/33

2.1年生の異能

「——なんかやばいけど……」

「あの中野ってやつを止めないと!」

「……戦うしか、ないんだね……」

 2年生5人がそう言い合う中、1年生10人の行動は少し違った。

「——とにかくみんな、自分の異能がなんなのか分からないと、何も出来ないよ!どうにかして異能を確認しなきゃ!」

 そう文香が言ったからだ。

「うーん……でも、どうやったら分かるのかな……?」

 鈴の問いに、朝がいつもの癖でポケットに手を入れながら、

「さあ……?」

 と答えた。

 と、その時。

「ん……?ポッケの中に、なんかあるよ?」

 朝がポケットの中から何かを取り出した。

 それは、紅いビー玉だった。

「何それ?」

 智子の問いに、

「さあ……?さっきのビー玉かな?」

 と言いながら、朝はビー玉をコンコン、と突いた。

 すると、ビー玉が燃え上がって、消えた。

「わっ!」

 朝は驚いたが、すぐに理解した。

「そうだ。これがうちの異能なんだ……!」

 朝は炎を操ることができた。炎を出現させ、操り、消すこともできた。

 朝のおかげで異能の確認の方法がわかった1年生は、ポケットの中にあるビー玉を次々に取り出し、突いた。その結果、次のような異能を持つことが分かった。


 春奈は風を操る異能。

 文香は未来予知をする異能。

 留美は土を操る異能。

 智子は電気を操る異能。

 亜子は幻覚を見せる異能。

 愛音は物を増やしたり減らしたりする異能。

 君代は瞬間移動ができる異能。

 鈴は水と氷を操る異能。

 朝は炎を操る異能。

 詩乃は草花や木を操る異能だ。


 1年生は、文香を中心に作戦を立てた。

「——とりあえず誰かが音楽室とか楽器庫に行かないと!楽器が壊されたらおしまいだよ!」

「なら、うちが行くよ」

 名乗りを上げたのは、君代だ。

「誰か一緒に連れて行けたりする?」

 文香の問いに、君代は「ちょっと試させて」と言った。君代が近くにいた鈴に触れた時、文香が異能を働かせた。

「——大丈夫、行けるみたいね。鈴、誰かと手を繋いでみて」

 鈴はさらに近くにいた詩乃の手を繋いだ。

「大丈夫、行けそう」

 文香は力強く言った。

「ならうち、音楽室に行ってくる。鈴、亜子、詩乃、付いて来てくれる?」

 君代には作戦がひとつ、あった。それを手早く3人に説明する。

「——分かった!」

「任せて!」

「ありがとう!それじゃ、行ってくる!」

 4人は手をつないで、君代が異能を働かせた。その途端、4人は消えた。


「——あれ?先輩たち、いなくなってる!」

 春奈が言った通り、いつのまにか2年生5人がいなくなっていた。

「もしかしたら先に中に入ったのかも」

「うちらも行こう!」

「うん!」

 留美と文香の声に、その場にいるみんながうなづき、中に入ろうとした。

 しかし、その瞬間。


「——みんな、下がって!……はやく、逃げて!」


 文香の声を聞いて1年生全員が正面玄関から離れた途端、突然響く、ガラガラッ、という途轍もなく大きな音と共に、正面玄関前の屋根が崩れ、正面玄関が塞がれた。


「ああ、もう……ここから入れなくなっちゃった!」

 留美が少し苛立ちながら言うと、智子が

「まあまあ、他のところから入ればいいじゃん?」

 と留美をなだめた。

「智子の言う通りだよ。あっちから入ろう!」

 文香が昇降口を指差しながら言い、その場にいた1年生6人はその昇降口を目指した。

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