第三話 出会い
「で、ここは、何処だ?」
僕は、目の前の軍人らしきー軍人にしては若すぎるがー女性に問う。
「ここは、アスンタシオン。火星の『人類側』の都市です。現在、妖人族への迎撃作戦中であるため、民間人は立ち入り禁止の筈です。貴方は見たところ民間人ですよね?何でここにいるんですか?」
「アスンタシオン?聞いたことがないな?」
「もしかして、地球の方ですか?でも、なぜここに?」
む、何を言っているのかさっぱり分からない。
では、こう返そう
「質問を質問で返すのは失礼ではないか?」
「む…………失礼しました。ここ、アスンタシオンは火星で最も大きい都市で、惑星間移動システムのタワーもあります。」
………なるほど、僕は夢を見ているに違いない。
「で、貴方の名前は何でしょう?因みに、私はルル・ティファレスです。階級は中尉です。」
ピシッ、と彼女が敬礼する。髪の毛がフワリと揺れ、胸ー恐らく平均的ーが若干揺れる。………前言撤回。ここは恐らく、僕の知る世界ではないのだろう。ここは、偽名を名乗ろう。後で調べられては厄介であるしな。
「………僕はギル・フラタニア。地球の学生だ。」
「フラタニア!?ま、魔導師の家系の御曹司だったんですか!?とんだご無礼を……」
「いや、謝らないでくれ。此方の方が悪かったのだし」
……どうやら、有名な名前となってしまったようだ。これじゃあ、偽名がバレてしまうじゃないか……
「取り敢えず、安全な場所にお連れ致します。魔導機はお持ちでしょうか?」
「いや、すまない。気がついたら、ここに居たから、持っていない。」
「そうですか……では、少々時間がかかりますが、徒歩で作戦本部に参りましょう。」
………一先ず、安心だな
今回は少々長くなりました。でも、まだまだ短いですね、御免なさいm(__)m
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