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エッセイ

北京の冬、一夜限りの花畑

作者: 榛李梓

※路上で花火を打ち上げるのは大変危険です。絶対に真似しないでください。

 新年快乐!


 今年2017年は、本日1月28日が春節(中国の旧暦のお正月)ということで、以前北京で春節を過ごした時の思い出話をしたいと思います。


 私が北京で春節を体験したのは2012年のことです。1年間の留学生活を終え、帰国する直前でした。周りの留学生たちはみんな休みに入るとすぐに帰国してしまいましたし、中国人はもちろん帰省するので、私は1人で過ごすことになりました。ぼっちです。でも中国で春節を過ごすことはなかなか無いだろうということで、寂しさより好奇心の方が勝ったのでした。


 中国の大晦日、除夕には日本でいう「紅白歌合戦」のようなテレビ番組「春节联欢晚会」を見ます。紅白とは違って歌だけでなく踊りや京劇、コント、雑技等もあり、中国の文化を感じられる番組です。最近はインターネットで全世界に生配信されているので、日本にいても簡単に見られます。


 また、春節には家族みんなで餃子を包んで食べる風習があります。除夕の夜、旧年と新年が子の刻に交わることを「交子」と言い、「餃子」という名称はそこから来たとされています。「交子」と「餃子」は声調は違いますが、発音が同じなんです。

 でも私は餃子は食べませんでした。1人で餃子はやっぱり寂しいじゃないですか……。

 その他にも魚料理を食べたりします。「魚」と「余」が同じ発音なので、余る、つまり豊かに暮らせるようにという願いが込められています。


 そして中国の春節といえば、花火と爆竹で祝うのが定番です。日本のニュースでも、花火のせいで翌朝の大気汚染レベルが大変なことになったなんて話を聞きますね。

 実際の春節の夜は、私の想像以上にうるさかったです。日付が変わる前後は、寮の周辺、四方八方あちこちから花火と爆竹の音がパンパンと聞こえてきました。

 昨今、日本では除夜の鐘に苦情が出たりするようですが、爆竹のうるささに比べれば、鐘の音は騒音の内に入らないと、私は思います。


 窓から外を覗くと、見える範囲でも20個くらいの花火が同時に打ち上がっていたので、慌ててカメラを取り出しました。

 カメラのスペックも撮影者の技術も低レベルのため、ブレブレですし、窓ガラスにカーテンや室内が反射していたりして見にくいです。すみません。

 留学生寮の部屋から撮った写真がこちら。




挿絵(By みてみん)




 私の部屋は5階だったので、花火が同じくらいの高さに見えました。

 ビルとビルの間から、次々と花火が上がります。いったいどこで打ち上げているのか、写したものがこちらです。




挿絵(By みてみん)




 寮の前の道路、歩道橋の近く、細い道と大通りが交わる辺りです。道路上なんです。男性が横道から出てきて花火を置くと、火をつけました。見えにくいですが、矢印の所に花火が置いてあります。

 念のために言っておきますが、路上で花火を打ち上げるのは危険です。絶対に真似しないでください。


 こちらはバス停の近くです。




挿絵(By みてみん)




 左下がバス停です。

 一応建物や駐車されている車からは少し離れた場所を選んではいるようですが、すぐ横をバスが通ります。危ない!


 生まれてこの方、こんな距離と角度で花火を見たことはありませんでした。




挿絵(By みてみん)




 こう街のいたるところで花火を打ち上げると、上空や高層ビルなど高い所から見下ろしたら花畑のように見えるかもしれません。ネットで探したところ、上からのアングルの写真もありました。いや、壮観ですね。興味のある方は「春節 花火」で画像検索したら見つかるかと思います。


 一瞬で消えてしまう、一晩だけの花畑。

 中国の花火のイメージが花畑なら、日本の夏の花火は生け花かな、なんて考えてみたりしました。



 それはさておき、これだけみんな好き勝手に打ち上げていたら、そりゃあ大気汚染もひどくなるというものです。そこに目を瞑れば綺麗で素敵だと思うんですけど、環境や健康はやっぱり大事です。上手く折り合いをつけていければいいですね。



 ひっそりと静かな寮の中とは対照的に、にぎやかな北京の春節の夜の話でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] はい、打ち上げ花火って近くで見るとすごい音ですよね。爆竹の音は最近とんと聞かなくなりました。まだ売っているのかな。 でも子供の頃は1本づつばらして鳴らしていたのだけど、本場ではあれを一気に炸…
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