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閑話:ハロウィン?何それ、おいしいの?

ハロウィンにちなんで書きました。

本編は……もう少し待って頂けるとうれしいです。

「はぁ~」


 この世界の夜空は何度見ても溜息が出るほど綺麗だ。

 ビルのような遮蔽物も、星を遮る街明かりもない。プラネタリウム以上に綺麗に星が見れるのは、この世界の特権だと思う。


 それに何と言っても安い!お値段はなんと0円!プライスレス!さー買った買った!……って、


「プライスレスなら買う、ってゆーより貰うだよな……」


 タダより高いものはないと聞いた気もするが……しかし、


「今頃向こうの世界はハロウィンか……」


 田舎育ちの俺にはつくずく無縁のイベントだったが、こうして異世界にいるとつい思い出してしまう。


 家族のことや友達のこと……ふと思い出したが。友達と言えば去年は確か、


 # # # # # # # # # #


「トリック オア トリート?」


 昼休みに入り、昼食を食べ終えた俺たちは椅子を向かい会わせにし他愛もない雑談をしていた。

 向かいに座る癖毛の男子は、俺の悪友……もとい親友の太刀川たちかわ 剣太けんただ。


 趣味はサブカル全般と刀剣。名前の通り、刀剣が大好きなこの男は、あまりに刀剣が好きすぎて一度学校に模造刀を持って来たことがあるほどだ。


 ……もちろんこっぴどく叱られたらしいが。


「そう。意味は"御菓子かイタズラか"……って言うんだけど」


「んなことぐらいわからぁ。 けど俺らには関係ないだろ?」


 何と!英語の成績が2のコイツが英単語を理解した!?


「おい……考えてることが表情に出てるぞ」


 額に青筋を浮かべて、半目で俺を睨んでくるケンタを内心冷や汗をかきながらスルーする。


「そ、それにしても無関心だなぁー……」


 動揺が滲み出ながらも話を反らそうとする俺をケンタは呆れたと言わんばかりに溜息をついた。


「だって事実だろ」


「そうだけど……。 なら、もしお前好みの美少女に"トリート オア トリート"って言われたらどうするんだよ?」


「そりゃあ「御菓子じゃなくて君の心と身体を貰いたいな」って言うに決まってるだろ」


 キリッとした表情だが、言っている事は犯罪者一歩手前だ。


「うわぁ……お巡りさん、この人です!」


「やめい!」


「もしもし消防署ですか? 救急車をお願いします。 頭がイカれた男性が一名います!」


「ぶっ殺すぞお前!?」


 # # # # # # # # # #


「ぷっ、ふふ」


 思わず少し吹き出してしまった。

 あの変態で気の良い悪友は今も元気だろうか?少ししんみりしてしまった気持ちを誤魔化すように星空を見る。


 数分間ボーっと夜空を眺めながら俺はある計画|(今思い付いた)を実行する決意をする。


「異世界でハロウィン……やりますか」


 思い立ったが即行動。これが俺の長所なのです。


 馬車の屋根から地面へ降り、荷車の中から目的の物を探す。


「あった!」


 深い緑色に、固くゴツゴツした表面……そう、カボチャである。


 これでランタンを作り、凛さんをびっくりさせてやろうという作戦である。


「ムフフフ……覚悟するが良いです、お姉ちゃん。 今夜こそ一泡吹かせてやります!」

「へぇー……誰に一泡吹かせるって?」

「それは勿論お姉ちゃ……ん?」


 ギギギと錆びたブリキのように後ろを振り向くと、腕を組仁王立ちしている凛さんがいた。


「お……お姉ちゃん。 これにはーーー」

「海よりも谷よりも深いワケがあるんだろう? 怒らないから言ってごらん?」


 にこやかに話す凛さんだが、目が全く笑っていない。


「すみません……実はかくかくしかじかで」

「成る程」

「わかってくれたんですね!」


 良かった!これで俺は明日の朝陽を拝めるZE☆


「あぁ、良くわかった……」

「お……お姉ちゃん?」


 うつむきながら同意の言葉を話す凛さんだが、俺の直感が先程から危険信号を発しているのは気のせいだろうか?


「あんたの言ってる"ハロウィン"ってものがわからないってことが良くわかったよ!!」

「ちょっ、待って! お願いします! チョップはやめ……」


 ガバッと顔を上げた凛さんは、キラーンと赤い目と共に効果音が付きそうな動作で右手を振りかぶり、渾身の『神の手刀(物理)』を俺の脳天にクリーンヒットさせた。


「ぎにゃああああぁぁぁぁああああ!!!」


 満天の星空に、綺麗な声で痛々しい悲鳴が吸い込まれる。


 目を回し、頭の周囲を星が公転している少女を、お姫さま抱っこして屋根裏の寝床へ運びいれた姉は、盛大な溜息をついた後にフッと表情を綻ばせた。


 良くバカな事をする義妹をしょっちゅう気絶させるのは、本人にバレずに思う存分に愛でるための口実なのは秘密だ。


「ふふふ」


 自分の膝の上に頭を乗せて、サラサラでシルク糸のような髪を撫でる姉の顔はとても満足そうだったとだけ明記しておこう。

最後まで読んでもらいありがとうございます!

本編の完成度は、現在70%といった所です。

がんばって書くので、応援よろしくお願いします!

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