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その31:ある姉の戦い(side凛)

遅れてしまいすみません!

そして短くてすみません!



 季節が、夏から秋へ移り変わろうとしている中。街路樹に付いていた深緑の葉も、今はその役目を終えたかのように、少しずつ葉を落としている。


 時刻は夜。


 草木も眠る静寂の中を、ザッザッと、草鞋わらじの音をたてながら桜木城へ向かう流浪人装束に身を包んだ人影が一つ……そしてその手には、使い手の身の丈に全く合っていない長さの刀が握られていた。


「今行くよ……エリス」


 此処にはいない義妹に向けて送る言葉……声の主は、言わずとも凛である。


 しかし後に、運命の悪戯はまたもや悲劇を生み出すーーーこれから語る話は、エリスが不在の空白の数日間の物語である。


 ◇◼◇◼◇


 桜木城の門前ーーー凛は己の内にある魔力を練り上げていた。"練り"とは、言うなれば"溜め"のようなものだ。


 練らずに魔法を行使するよりも、練った魔力で行使した魔法の方がより強力な効果をもたらす(本人の魔力量と技能に依存する)。


「……よし」


 自身の体内で魔力が練り上がった事を確認し、はかまの紐を気持ちと共に引き締める。


 ふと、頭上を見上げると、空は今にも雨が降りそうなほどに曇っていて、それはさながら今の自分の心境を表しているようにも思える。


「エリス……」


 名前を独り言のように呟く度に、不安な気持ちが沸き上がってくる。

 数日前に姿を消したっきり帰って来ない義妹に想いを馳せる


 "自分があの時一緒に行けば……"と、何度思った事だろう?


 "今頃どんな目に……"と、何度考え眠れぬ夜を過ごした事だろう?


 自分を責めても何も変わらない……無意味だとわかっている……それでもーーーそれでも、思わずにいられない"自分のせいで"と……。


 何度も考えていた事が再び頭の中を駆け巡り……それを頭を振り払い、無理やり思考を切り替える。


今はそんな事を考えてる暇はない、それは全てが終わってからだ。


「待ってて、エリス。 必ず助けるから……ーーーっ!?」


 突如、暗闇より飛来した物体を反射的に手に握っていた愛刀『紅雪』を鞘から抜刀して弾き返す。


 金属音と火花が辺りに飛び散る中、凛が目にした物体は『手裏剣』だった。

数は全部で三つ……それぞれ頭、首、胸の三ヶ所を、的確に狙って投擲されていた。すると、


「ほぅ……、意表と死角を完全に突いたのだが……」


 背後に音も無く降り立つ影が一つ……全身を黒一色で統一した"忍装束"に身を包み、右手には小刀を逆手で持ち構えている。


「貴様は……あの、猫耳を生やした少女の同胞か?」

「そうだ……ただし、少し訂正させてもらおうーーー」


 紅雪を一旦鞘に納めて、居合いの構えをとり相手を見据える。


 場の緊張感が一気に高まるのを肌で感じながら、私は全神経を目の前の相手に集中させる。


「その少女は……私の義妹だ!!」


 ◇◼◇◼◇


 激しい剣の打ち合いで生じた火花が、暗闇に一瞬の光を放つーーーその一瞬しか、相手の顔を見る事ができない程に月が分厚い雲に隠れてしまっていて、15分程前から雨がザーザーと降ってきて、石でできた路面を濡らしている。


 度重なる、綱渡りのような技の"駆け引き"……しかし、勝負は最早明確な程に決まりつつある。


「ハァー……、ハァー………」

「てこずらせおって……やっと毒が効いてきたか……」


 最初に放たれた手裏剣には、どうやら毒が仕込んであったようで……かすり傷と油断したのが命取りになったようだ。


「ハァー、ハァー………ッガハ!」


 呼吸が苦しくなり、咳をしたら一緒に血が出てきた。


 全身が徐々に痺れてきて、力が入らなくなってくる。


カランと音を鳴らしながら、手に握っていた紅雪が滑り落ちる。


 脳は、最早その役割を停止していて、目の前がぼんやりと霞んできた。


「義妹を……返せ……」


 今や気力だけで立っている状況……勝負は決した。


「貴様もか……」


 忍の呟きは、凛の耳には届かない。


「これで王手だ……

「……っ?!ーーーガハッ」


 視点が定まらない虚ろな瞳が、目一杯開かれるーーーその瞬間に、忍の小刀が凛の腹部を貫き、ゴポッと音を立てて再び吐血する。


 冷たい鉄の感触と、燃えるように熱く感じる感覚……矛盾のような感覚だが、その表現が一番しっくりくる。そんな痛みだ。


 ズルズルと小刀が引き抜かれる。


「エ……エリ……ス」


 それは果たして、意識的に口から出た言葉か……それとも無意識か……その真意は定かではない。


 そしてバタリと、糸が切れたようにその場に倒れる凛。辺り一面が赤……紅一色に染まりーーーそして段々と血の池が広がり、忍の足元まで今では紅い絨毯(レッドカーペット)さながらに染まっている。


義妹いもうとが義妹なら、義姉あねも義姉……か……」


少し前に、自分が絶望の谷へ突き落とした猫耳を生やした少女……その少女も、意識が消える前に呟いていた。


「全く……いつまでこんな事を……しなければならないのか……」


 横たわる凛……その腹部からは、今もなお止めどなく血が溢れている。


そして、凛をお姫様抱っこのように抱き抱える忍。抱き抱えられている凛の瞳には光がない。


「こんな現実を……国を……さっさと壊してくれ……エリス……」


 一言……言霊にすがるように呟く。そうして、忍は王都の闇に消えていった。

感想・評価・ブクマをよろしくお願いいたします!


◇◼◇◼◇


まいど、四葉です。


え~、この度は前書きでも書いた通り……遅れてしまいすみませんでした!!m(__)m


しかも短い!!……スリーアウトチェンジまで行きませんが……ピッチャーフライ級ですね……これは……。


色々と突っ込みがある方は、是非とも感想やメッセージでどしどし突っ込んでください!……お願いしますm(__)m


では、また。


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