月光の中、少年のきみ
濃い闇が、月の光に掻き分けられて
密室の蒸れた空気はきみを沈める
壁の時計は仕事もせずに、
深い眠りに落ちていた
ぼくの机に腰掛けて、
蒼白い足を揺らすきみ
やめなさい、と近づく僕の
肩の辺りを蹴飛ばした
月光の帯のかかった顔は
悪を追う、必死な表情
悪ぶって
と、微笑めば
きみも無邪気に笑うだろう
きみの髪に指を通すと、
花の香りが絡みつく
温められた濃密な香が光の中を漂った
高い鼻が僕を向いて
睫毛の奥の瞳の中に、青いぼくを映り込ませた
ありがとうございました!