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俺は人生を謳歌するためにVRMMOをする。

作者: hshs

VR世界。それは人々に夢を与える世界。特に現実に夢も希望も抱けない人々にとっては夢のである。現実とは違う自分で世界を歩くことができる。顔も体も性格も全てVR世界では違う自分を体験することができる。


と俺は思っている。VR世界を体験できるヘッドホン型のハードが発売されて一年。発売されてすぐのころは、せっかくのVR世界にも関わらず、関心を抱くようなソフトは出なかった。俺はVR世界がどんなものか体験したかったという理由から購入に至ったが、どれもパッとしないソフトばかりだった。VR世界でのパズル体験、レーシング体験などどれも現実でできそうなものばかりだった。


そして一年が経ちようやく、俺が思い描いていたソフトが発表された。ゲームのタイトルは幻想世界。題材はMMORPG。


そのゲームでは冒険ができ、食事もできる。もちろんモンスターなどもいる。そしてゲーム内の大会などで優秀な成績を収めると賞金として現実の通貨を得ることができる。ゲーム自体は完全無課金制。もうこれはもう一つの現実としかいいようがないじゃないかと俺は思った。


待っていたんだこういうゲームを。現実にコンプレックスを抱く俺みたいな奴らにとっては最高のゲームだと思う。現実ではできないこともできるし、惨めな思いをしなくてもいいし、強くなれば威張れるし、このゲームは無限に可能性がある。

もう一つの人生を歩めるかもしれない。それは現実逃避なんじゃないのかと思われるかもしれないが、別に現実から逃げるのは決して悪いことではない。弱者には逃げ道も必要なのだ。


俺は俺が生きやすい世界で生きる。


「βテストにも当たったし、これで他の奴らよりも経験を積める。本プレイの時には出し抜いてやらないとな。」


そう俺は幸運なことなβテストに当選したのだ。βテストの当選者は500人。このゲームは世間でも相当注目されているから倍率はかなり高かったはずだ。その中から当選したということは、神様が現実では何も持ってない俺にやっと与えてくれた幸運ということにならないか?


ならないか。


まぁでも幸運なことには変わりないな。現実では出来ないことをやってやる。

例えば、俺TUEEEEとかやってみたいし、もちろんアバターはイケメンにしたいしやりたいことはいっぱいあるな、うん。


後、少し期待してたりする。人間関係とか人間関係とか。これしか思いつきませんね。まぁ、現実では上手くいってないしー。おかしいな、顔は低く見積もっても中の中ぐらいなのに。なぜ、「ちょっとキモくない?雰囲気暗いし」とか言われるのかね?

確かに雰囲気暗いし教室ではいつもラノベ読んでるんだけどね、もちろんブックカバーをして。


そう俺はなぜか友達が出来ないし、もちろん恋人も出来ない。まぁある程度原因は自覚しているつもりなのだが。顔も微妙、性格暗い、にわかオタク、コミュ障ときたらそりゃ出来ないわ。あーあ、このゲームで可愛い彼女とかできないかねぇ。まぁゲーム内はアバターだから現実の容姿の判断はできないが。


「さぁて、そろそろ時間だな。」

俺はヘッドホン型の機器を頭につけスイッチをオンにする。


このときはまだ知らなかった。現実では何も持ってない俺がこのゲームを通してさまざま経験をし、現実でたくさんのものを得ることになることを。


人生という名の歯車は回りはじめた。


「ようこそ、幻想世界へ」


頭の中で響くその声に誘われ俺は新たな世界へ足を踏み入れた。



この作品を長編化するつもりですので意見、または感想を受付中です。

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