Mind Break 【心】【破損】 Aパート
第六章、前半パートスタートです。
どうしよう。やっちゃったよ。
レムを思いきり引っ叩いたその後。ミュウはリビングに置かれたソファーに腰をかけ、頭を押さえてうーんと思い悩み続けていた。
どうしよう。絶対嫌われちゃったよね。でもレムにあんなひどい考えは持ってほしくなかったし。
魔導機杖のマナを補充してくる。そう言ってその場を後にする際、レムはちらりともこちらに振り向いてくれなかった。怒らせてしまったか、暴力的と思われたか。いずれにせよ、いい感情は持ってくれていないだろう。
「ミュウ、屈み込んでどうしたの? どこか痛い?」
「ううん、大丈夫だよククルちゃん。ちょっとだけ考え事をしてただけ。痛いところはどこにもないから平気」
「そう? ならいいけど」
不安そうに言った後。ククルはじっとミュウのことを見つめて、改めて大きなお辞儀を返してくる。
「ど、どうしたのククルちゃん」
「お礼。ありがとうって、ちゃんと言ってなかったから」
「ありがとうって?」
どうしてお礼を言われたのか意味がわからず、ククルはこてん、と首を横に捻る。
「レムが私に向かって言ったこと。本気になって怒ってくれた。自分のことみたいに思ってくれて、凄く嬉しかった」
「あ、そのことか。いいよお礼なんて。友達だもん。ひどいことを言われたり、落ち込んでるところなんて見たくないよ」
「友達? 今日、初めてミュウに出会ったのに?」
「時間なんて関係ないよ。少しでも一緒にいて、遊んだり話したり出来ればそれでもう友達。わたしは、そんな風に思うな」
「それだけで友達……レムのときもそうだったの?」
脈絡もなく唐突にレムの名前をあげられて、えっ、えっ、えっ、とミュウは堪らず取り乱してしまう。
「な、なんでいきなりレムのことを」
「好きなの?」
「……っ」
硬直して、思わず赤面。
そのままこくり、と頷くと、ククルは複雑そうな表情を浮かべてしまっていた。
「レムは私やお姉ちゃんを悪いもの、敵という風に捉えている。ミュウは私のことを友達って言ってくれたけど、レムはたぶんそう思っていない」
「それは……レムが誤解してるだけだと思うよ。ククルちゃんは悪い人なんかじゃないし、ククルちゃんのお姉ちゃんも、ククルちゃんが誘拐されたって勘違いしてただけだもん。誤解が解ければ、きっと仲良くなれると思う」
「うん、そうなってくれると嬉しい。けど……レムはやっぱり、少しだけ怖いかも。例え誤解が解けたとしても、レムは何も変わらないかもしれないから」
「そんなことない!」
一際大きな声で騒ぎ立てたからだろう。ククルはびくっと身体を震わせ、少しだけ後ろに後ずさりする。
「あ、ご、ごめんね。びっくりさせちゃって。でもね、その……レムはそんな酷い人なんかじゃないよ。いたずらに人を傷つけたりしないし、大切なものな物や人、そういうものも、よくわかってる人だもの。だからね、大丈夫だよ。絶対わかってくれる。ちゃんと誤解を解けば傷つけたり争ったりなんてしないで、ククルちゃんのお姉ちゃんとも仲良くしてくれる。誰も傷つかなくて、悲しんだりもしない。そういう未来を作ってくれる。わたしは、そういう風に信じてる」
「……誤解が解ければ、傷つけたり争うことはなくなる。お姉ちゃんもそうなのかな?」
「えっ?」
「誘拐されたわけじゃないってわかれば、お姉ちゃんも人を傷つけたりしない。怪我をしたり、怪我をさせたり、そういうことをしないでいてくれる。私のために悪い人にならないでいてくれる。ミュウは、そういう風に思ってくれる?」
「そんなの当たり前だよ!」
ほんのわずかの時間すら悩みはしない。勢いよくミュウは当たり前と言い切って、温かなククルの手の平を両手でぎゅっと掴む。
「ククルちゃんのお姉ちゃんはククルちゃんのことを心配してただけで、レムや他の人たちを傷つけたいってわけじゃないんでしょ。だったら大丈夫。ククルちゃんがお姉ちゃんのことを信じて本当のことを話せば絶対、絶対わかってくれるよ!」
「……うん。ありがとう、ミュウ。そうだよね、私のお姉ちゃんだもん。信じれば、絶対わかってくれるよね。でも……いいの? お姉ちゃんは私を取り戻すつもりでいるから近くにいると危ないかもしれない。それにミュウは適合者って言うのだから、銀色の子たちに狙われるかもしれないんでしょ」
「あ、うーん。そうだね。ククルちゃんのお姉ちゃんならわかってくれるだろうけど、他の虫さんたちが一緒だとちょっとだけ危ないかも。少し前に、適合者って言うのが理由で誘拐されたばっかりだしね」
「誘拐されたばかりって、よく無事だったね……」
「うん。レムが助けてくれたから」
「レムが?」
「うん。ククルちゃんにとっては意外かもしれないけど、レムはね、わたしを助けるためにたった一人で機甲虫の巣穴に乗り込んで来てくれたの。でもそのときに誰よりも慕ってた、大好きな人を巣穴に残して立ち去って……嫌、なんだよね。自分が助かるために、自分を助けるために他の誰かが犠牲になるなんて。だからレムにもそんな酷いことはやって欲しくない。わたしを守るために誰かを犠牲にする。そんなのは、間違ってると思うから」
ソファーに預けていた背中を起こして、ミュウは両方の手をぐっと重ね合わせる。自分の無力を噛み締めるように。それでも、絶対に流されたりしないように。強く、強く。
と、重ね合わせていた手の甲に、真っ白な細い指先が触れてくる。
ミュウの手を包み込むように手の平が重ねられて、顔を上げると、ククルが強い眼差しでこちらのことを見つめていた。
「私も、ミュウと同じように思う。だからお姉ちゃんとレムがもしもまた戦うことがあったら、止めるように言って止めてみせる。誤解を解いて、誰も傷つかないようにする。すごく難しいと思うけど、さっきは上手くいかなかったけど、次は止める。絶対に、絶対に酷いことなんてさせない」
「うん、頑張ろっ。ククルちゃん」
ぎゅっと強く握手を交わしあい、ミュウとククルの二人は改めて酷いことをさせないように、とお互いに誓い合う。
「それにしてもレム、遅いね」
「うん。スタンドに杖を預けてくるって言ってたけど、どこかに寄り道でもしてるのかな」
「やれやれ。ちょっと見ないとすぐに景色が変わるね。これだから居住区ってのは……お嬢ちゃん。道順はこっちであっているんだよね?」
「大丈夫なはずです。けど、お嬢ちゃんって言うのは止めてください」
「ふむ。W地区だったっけか。予想以上に遠い場所にあるね」
「聞いてないし……」
居住区の全景が記された地図に目を落としながら、シャルルはW地区。レムやククルを預かるシエルの料理店に続く長い長い直線通りを歩いていた。
二人がどうしているか様子を見てくるだけ。子供のお使いも同然の簡単な任務で、一人でも十分にこなせることのはずなのに。
「しっかし、待機状態に出来ない杖ってのは不便でしょうがないね。お嬢ちゃん、悪いけどこいつを持っていてくれる? 重いったらありゃしない」
シャルルの一歩前を歩いていた女性。エリディア・ソワンは持っていた黒い杖を強引にシャルルに手渡すと、ひらひらと手首を上下に振るう。
「この黒い杖って、例のククルちゃんにしか扱えないって特別な杖ですよね。わざわざ持ってきて……ひょっとして、ククルちゃんに返してあげるんですか?」
「あん? それは状況次第ってところさね。使えない杖をいつまでも置いておいてもしょうがないし、黒でないならそれもありかなと。まあクリスタが言っていた通り、場合によっては有無を言わずに渡さざるを得ないだろうけどさ」
「渡さざるを得ないって言うのは、やっぱり……レムがってことなんですよね」
「ああ、クリスタはそう判断をしているようだね」
シャルル自身が直接見たわけではないが、機甲虫の騎士二人を追い払った後、レムは躊躇することなくククルに斬りかかろうとしたそうだ。相手の狙いがククルなら早々にそれを排除してしまえばいい。
確かに、それも一つの考え方としてはありなのかもしれない。『人道』を考慮しなければの話だが……。
「ったく、あの馬鹿は甘いったらありゃしないんだよね。どう考えてもレム君の考えの方が正しいだろうにさ」
「レムの考えのほうが正しいって、そう言い切るのは幾らなんでも……それにしても、変な話ですよね」
「あん? 何の話さ」
「レムやククルちゃんのことですよ。外から来る敵じゃなく、中で匿っている子や味方を警戒するなんて、どう考えてもおかしな話じゃないですか」
「ああ、ああ。そっちの話か。そうだね。ずいぶん妙なケースだけど、別に良いだろう? ご子息様、レム様のお力ならもう一度騎士が来てもあっさり返り討ちだろうしさ。ったく、こうなってくるとトゥイザリムたちの情けなさが浮き彫りだね。役立たずを回収するために救助に行ったかと思うと涙も出てこないよ」
「や、役立たずって。トゥィザリムさんたちが知らせてくれたから例の騎士の人が来たとき、すぐにレムの救援に向かう事が出来たんじゃないですか」
「救援? 遅すぎた上に全く役に立たなかったと聞いたけど」
「そ、そんなことありません! ちゃんと活躍してくれていましたよ。……実際に見たわけじゃないですけど」
弱々しい様子でシャルルが言葉を付け足すと、はんっ、とエリディアは鼻で笑う。指先を擦り合わせてぱちんと音を立てて、明後日の方向に視線を傾ける。
「笑える話だね。大の大人が揃いも揃って子供一人に頼りきりとは。ま、味方が強くて困ることはないし、兵隊どころか騎士でさえ追い払ってくれるんだから、文句は言えないか」
「騎士でさえも追い払ってくれる。でも……ククルちゃんの姉を名乗っていた騎士の女性は、ククルちゃんを騙したり罠に嵌めようとしてるわけじゃないんですよね」
「あん?」
「だって、そうじゃないですか。ククルちゃんのお姉ちゃんは純粋に、本気でククルちゃんのことを心配して、だから私たちから取り戻すために仕掛けてきたんでしょ。騎士っていう立場上こちらと敵対していますけど、根本的な部分では私たちと何にも変わらないじゃないですか」
機甲虫という種の一つに所属しているとはいえ、元々は人間。だから自分たちと何も変わらない。強い口調でシャルルはそう訴えかけてみたものの、返ってきたのは「はぁ」という深い溜め息でしかなかった。
「人間同士なら分かり合えるとでも? 寝言というか、頭の中お花畑というか……大体ね、ククルって子供を渡せば艦の安全が保障されるわけじゃないだろ。人質がいるから向こうも手を出しづらいんだ。状況有利を得られない以上、あの子供は出来る限り有効活用するのが正解だろうね」
「ゆ、有効活用って、またそんな酷いことばかり言って。ともかく、ククルちゃんとレムの様子を見てきましょう。MNスタンド、ここを曲がって歩いて行った先でしたよね」
「さあ? 地図を持ってるのはお嬢ちゃんなんだからそれを聞かれてもねぇ。それにしても、本当にW地区の端に店を出してるんだ。こりゃ客足が少なそうな……おや、レム君?」
「えっ? お店はもっと先だから……って、本当。レムだ」
道に迷わないよう目印代わりにしていた無人のスタンド。魔導機杖を機械にセットし、マナの補充を始めようとしていたレムの姿を見つけて、シャルルは慌てて足を止める。
「シャルルさんにエリディアさん?」
と、レムのほうもこちらに気づいたのだろう。ぺこり、と小さく頭を下げてくる。
「ククルの監視に来たんですか? ご苦労様です」
「あ、いや、うん。そんなところ」
どちらかと言えばレムを監視にと言ったほうが正しい気がしたが、ひとまずは頷いておくことにする。正直に話しても、面倒が増えるだけだろう。
「それより、どうしてレムがこんなところに? って、いや。給魔に来ただけか。急な移動でマナを補充する暇もなかったものね。うん」
「レム君。ククルという子供の監視は? あれを適合者と一緒にしておくのは危険ではないのかい?」
「ちょ、ちょちょちょ、ちょっとエリディアさん! どうしてそこまでストレートなんですか! 普通もう少しオブラートに包んだ言い方を――」
「あん? おちょくるとき以外はまどろっこしい言い方は嫌いなんだよ。私の信条はQ&A。シンプルで良い考え方だろ? で、レム君。なんでさ」
「……ククルが持っていた魔導機杖は僕の側からフォットさんに返しておきましたし、あの家にはミュウのお母さんも居てくれています。術式を使えない状態なら、短時間の放置は問題ないと判断しました」
事務的な応対。感情の入る余地のない、機械的なものの言い方。
なんだかロボットみたいで嫌だな。と、シャルルはそんな思いを抱いてしまう。
「なるほど。フォット・バンテや魔導師シエルの力量を過大評価している可能性を除けば、おおよそ問題のない考え方だね。ただ、それだけじゃなさそうだ。それとは別に、何か悩みを抱えている。それが原因で適合者と距離を取りたくなった。違うかい?」
エリディアがそう尋ねた途端、レムは急激にその表情を重くする。エリディアの問いはその通り的中したようだが、人の心を読んでいるようにさえ思えるエリディアの勘の良さに、シャルルはなんとも言えない不気味さを感じずにはいられなかった。
「……あの、エリディアさん。シャルルさんでもいいですが」
「うん?」
急に名前を呼ばれて、シャルルは大慌てで頭を切り替える。エリディアには確かに少し不気味なところがあるが、今はそれはどうだっていい。
「お二人は、どんなときに泣くんですか?」
「はっ?」
「泣く?」
質問の意味がわからなかったのだろう。シャルルとエリディアは揃って首を捻る。
いくらエリディアの勘が鋭いといっても、さすがに、レムの脈絡のなさにまでは対応しきれないらしい。
「やぶからぼうな質問を……そりゃ、泣くのは悲しいときが普通なんじゃないかね。嬉しいときに泣くって場合もあるけど、それは非常に珍しいケースだろうし」
「悲しいときに泣く。やっぱり、それが普通なんですよね」
そう言って、レムはじっと自分の左手を見つめ続けていた。閉じて開いてを繰り返し、何かを考え続けているようにも見える。
「ミュウに、頬を叩かれたんです。ククルと一緒にいたらミュウの身が危険に晒される。だからククルを排除したほうが安全だって、そう話していたら急に。そのときのミュウは泣いていて……悲しいって言うなら、なんでなのかなって」
「なーるほど。難問だね」
答えたのは、シャルルの方が先であった。
「あん?」
どの辺りが難問か。とでも言いたげなエリディアを横目に、がっしりと腕を組んでシャルルは少しだけ笑う。機械的で機能的。心の底からそういう考えしか持っていないのかなとレムのことを心配していたけど、そこまで酷いわけではないらしい。
「前にミュウちゃんが機甲虫の住処に連れて行かれたとき、レムはミュウちゃんだけじゃなくミュウちゃんをさらった張本人。リーゼさんも助けようとしていたよね」
「……? 母さんのやってたことが間違いだとしても、だから母さんを敵と考えるのはおかしいじゃないですか」
「うん。大好きな人だからこそ、ひどいことをして欲しくない。傷つけるようなことをして欲しくないって、レムはそういう風に思ったんだよね」
「……はい」
レムの返事が妙に重たかったのは、以前の自分とミュウとを照らし合わせてくれたからかもしれない。どちらもが大切だからこそ……両方を守りたい。
エリディアに言えば甘すぎる、と一刀両断されそうな考え方。でもとても大切な、誰も傷つけることのない考え方。
「ミュウちゃんはさ、たぶん物凄くいい子なんだと思う。誰とでも友達になろうとして、差別や批判的な考えを抱くことのない子供。だからこそ嫌だったんじゃないかな。自分を守るためとはいえ、レムが酷いことを言ったり、酷いことをしたりするのが」
「でも、ミュウを傷つけさせるわけにはいきません。それにククルの側にミュウを傷つける意思がなくても、ククルのそばにいればミュウが巻き添えを食う可能性があるじゃないですか」
「……うん。確かにその通りではあるね。レム君、ちょいと手を出してみて」
そう言って口を挟んで来たのは今まで二人の会話の聞きに徹していた女性。エリディア・ソワン。
何なのだろうと。と、レムが手を差し出してみるとずっしりと重たい、真っ黒な魔導機杖がその手に乗せられる。
「……? エリディアさん、これは」
「見てわかるだろ。あのククルという子が持っていた杖さ。妙なロックのせいであの子にしか扱えないようだけど、案外……レム君なら扱えるかもと思ってね」
「僕なら扱える? って、どういう意味ですか?」
「意味なんてないさ。強いて言うなら、色々と常識外れなキミならもしかしたらって願望かな。それに……さ。その黒い杖は、騎士の女から受け取ったものなんだそうな。となればククルという子と騎士の女を繋ぐ絆。あるいは抑えつけておくための人質、じゃない杖質。そんな使い方も出来るんじゃないかなと」
「ちょ、ちょっとエリディアさん。何を言ってるんですか。そんな、レムに酷いことをさせようとしてるような」
「あん? 別に構いやしないだろ。大体から言っておいたはずだけど、私はあのククルという子供を信用していない。で、同じくレム君もククルのことを信用していない。共通の考えを持っていながらレム君だけが監視の任務についている。なら、レム君に自分のやりたいことを託すという選択肢もありなわけだ」
「……っ。理屈が無茶苦茶すぎますよ。レム、そんなのは聞く必要ないよ。杖は私たちのほうで預かっておくから、また日を改めなおして――」
慌ててシャルルが魔導機杖を掴もうとすると、レムは、手の平に置かれていただけだった黒色のそれを力強く握り締める。ぐるんと軽く回転させて、左肩にとん、と押し当てる。
「いえ、大丈夫です。心配要りません、シャルルさん。この黒い杖は僕が持っておきます。エリディアさんの言うとおりたとえ使えないとしても、場合によっては強力な武器になりますから」
何に対しての、誰に対しての武器と言うのだろう。
レムは口にしなかったが、少なくとも機甲虫や騎士。わかりやすく敵に大別できるものに対抗するためではないだろう。
「黒い魔導機杖か……」
黒とは他の何色にも染まらない。そして、異なる全ての色を塗りつぶす色である。
強すぎる色であるがゆえに、簡単に別の色に重ねることが出来てしまう。そして、その色を塗り潰してしまう。
「…………」
不安げな眼差しでシャルルが見つめるその向こう。
レムは、静かに手渡された魔導機杖を見つめ続けていた。
その瞳は……黒曜を思わせる深い深い闇の色。
全てを塗りつぶす黒い瞳が、ククルのものだという魔導機杖を捉え続けていた。
不穏な感じを残しつつも次回に続きます。レムは正義の味方ではない。
繰り返しになりますが、この小説ではそれを前提にした物語を描いていこうと
思っています。