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肝試し(前編)

お久しぶりです。

間があいてしまって申し訳ないです……。


もう少ししたらちょっと暇になるので、そしたら書けるようになるかと思います。

「夏だ!」

「幽霊だーっ」

「肝試しだーーッ!!」


 イェー! と部室内にうるさい声が響く。


「ってことで、今日の夜8時に駅に集合なー!」

「行かないよ!?」


 当然のようにカイトに言われ、思わず大声で返す。


 たまたま掃除当番でちょっと遅れてきたら、部室に入ったとたんに春馬君と里香ちゃんとカイトにハイテンションで迎えられた。


 春間君や里香ちゃんも、意外とこういうノリ好きなんだよな……。


 そして我が部長は、私の回答に納得いかなかったらしい。強い口調でこう言ってきた。


「部長命令!」

「職権乱用!」


 カイトの言葉に、負けじと言い返す。


 肝試しなんてとんでもない。ぜっっったいに行かない!

 怖いのも、暗いのも、私は嫌いなんだ!




 私が断固拒否しようと、口を開きかけたその瞬間。部室のドアがガラガラ……と開いた。

 4人の視線が集まる中部室に入ってきたのは、ここにいないあと1人の部員、瑠衣君だった。


「夏だ!」

「幽霊だーっ」

「肝試しだーーッ!!」

「またやるんかい!」


 瑠衣君を認識した瞬間、すばらしい連携を発揮する3人。

 まあ、相変わらず瑠衣君無表情だけど。


「……ってことで、今日の夜8時に駅に集合で!」


 カイトが親指をビシッと立てて言う。

 

「……(コクリ)」

「え……」


 そしてまさかの、あっさり了承。

 瑠衣君なら断るかもと思ったのに!


「さあ、あとは悠だけだ!」


 カイトがものすごい勢いでこっちに振り向いた。


 超キラキラした目で見られているんですが。

 他の3人もすごい威圧感でこちらを見てくるんですが。


「これは、れっきとした部活動なんだぞ!」

「えー……」

<屈するんじゃない! 屈したら負けだ!>


 渋っていると、アルの声が頭に響いた。

 そっか。肝試しなんて、アルにとって最悪のイベントだもんね。


<べ、別に怖いわけじゃないぞ!>


 はいはい。


「悠さん、行きましょうよ~」


 里香ちゃんが可愛い顔で私に言う。

 そんな顔で言われると断りづらいって……。


 アルがあたふたするのを聞いてるのもいいかもしれない。


<は!?>

「分かった。行く」

「おお!」

「うれしいです!」 


 私が行くと言うと、みんなが笑顔になった。


<ちょ、ふざけんな!>


 アルが騒いでいるけど、気にしない。


「よし、じゃあ今夜8時! 絶対遅れてくんなよ!」


 そう言って、カイトは拳を高々とあげた。


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