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何者にもなれなかった女冒険者(6)


「私達はデイル様の依頼を受けてやって来た冒険者です。

 この倉庫内の、ある素材を極秘裏に別の町へ移送するよう指示を受けました」



「嘘を付け、そのような話は回ってきていないぞ」


 

「なにせ、つい先刻 依頼が発布されたばかりですので……。

 デイル様からは、これを見せれば倉庫内に入れると聞かされております」


 タルヴォア家の倉庫の入口の傍に設けられている小さな事務所内で勤務していた係員に話し掛け、指輪型の印章を差し出すと明らかに目の色を変え始めた。


 なお彼以外にヒトの気配は無く、会話の途中で一瞬だけ探知機を一瞥したところ指針は常に倉庫の奥を指したままであった。つまりこの係員は生身の純人種であり錬成像(ゴーレム)が擬態した姿ではないということ。



「むぅ、それは御一族に連なる高貴な御方のみが所持される印章!

 そんな大切な物を冒険者に預けたのだから相応の事態ということか。

 ……確かに同伴者の方は只者ではなさそうだ」


 視線を女冒険者からアルビトラへと移し、その井出立ちと捉え処のない佇まいから少し納得したかのような表情を浮かべた。

 そして渋々ながら扉を開け、二人に中に入るよう手招きをする。



「……極秘の依頼なら詳細を訊ねることは控えよう。

 さっさと言われた物を運び出すんだな」



「ありがとうございます」


 軽く頭を下げてお礼の言葉を述べ、努めて平静を装いながら倉庫内へと足を踏み入れる。隣にアルビトラという頼れる仲間が居なければ、今頃 女冒険者は緊張のあまりに声が上擦るか足をもたつかせて上手く歩けなくなっていたかもしれない。




「上手くいったねぃ! お姉さんも中々の演技派だったよぅ」



「いえ、アルビトラさんが居てくれたおかげです。

 私一人では、とてもではないですがタルヴォア様から密命を受けるような

 冒険者だとは思われなかったでしょうね」



「えへへー、でもちょっと拍子抜けだったかな。

 倉庫の外には錬成像(ゴーレム)の兵士が何体か哨戒していたのに

 敷地内にはさっきの係員さんが一人居るだけだったよ?」



「……そうですね、考えられるとすれば機密保持のために

 倉庫内で勤務する人員を極力絞っておられるのでしょうか」



「なるほど! よっぽど見られたくない物を隠してそうだね」


 そのまま二人は探知機を頼りに倉庫内を視て回った。

 幾つかの大きな棚や壁で細かく仕分けされており剣や槍、石弓のような武器や甲冑、盾、装甲材などの装備品だけでなく軍事用の天幕や工具なども見受けられた。




「うーん、中々 物騒な場所だね。どこかと戦争でも始める気なのかな?」



「タルヴォア家は軍事産業で頭角を現したロンデルバルク王国の貴族家です。

 エスブルトのレネ家とも懇意にされておられるそうなので

 きっとこの辺りの商会を通じて武具類を卸していたのでしょう」



「あ、成程! そういえば山路で会った時にも

 レネ辺境伯と交渉する……とか言ってたっけ」



「はい、錬成像(ゴーレム)事件の解決のために動かれているとも仰っていましたが

 今となってはどこまで本当のことなのやら」



「あのお兄さんが武器を取り扱っている家の出身なんだったら

 自分で騒動を起こして、その対処のための武器を売り捌いてたのかも」



「……あまり考えたくないことですが、可能性はありそうですね」


 古来より武器商は戦争を望むものである。


 しかしエスブルトが共和国と化し、ロンデルバルク王国とも良好な関係を築いている昨今に於いて戦の火種は随分と遠ざかってしまっていた。



 複雑な想いを吐露しながらも着実に倉庫内を調査していく。天井は高いが一階建ての平屋であり、全てを視て回るのにそこまで時間は掛からなかった。



「どれも上質ではありますが普通の武具や装甲材ばかり。

 錬成像(ゴーレム)は見当たりませんね」



「んー、この感じはたぶん……」


 成果が得られず困った表情を見せ始めた女冒険者とは対照的に、アルビトラは落ち着いてその場に伏せて地面に耳を擦り付けた。



「うん、地面の下が空洞になってる感じだね。

 とうことは……ああ、あったよ!」


 何かの目星が付いたのか少し離れた場所へと移ると、極めて見つけ辛い位置に設えてあった突起物を握り締め、力いっぱいに引っ張った。

 すると正方形状の鋼鉄の板材のような物が外れて隠し階段が露わとなった。



「よく気付きましたね!」



「ふふーん、昔 似たような仕掛けを見たことあったんだー。

 それによりもお姉さん! 探知機が反応しているよ」



「!? 本当です……巧妙に隠された地下倉庫とは如何にもな隠し場所ですね」


 今更 引き返すという選択肢などはない。


 先頭に立つアルビトラが自前の携行提燈(ランタン)を取り出して明かりを灯しながら階下を目指し、女冒険者はその後を慎重に付いて行く。



「…………」


 一段ずつ(くだ)っていく毎に、得も言われぬ息苦しさを覚えた。

 それは恐怖ではなく地下に滞留する淀んだ空気を吸い込んだからであるが、事件の真相に近付いていることや、古い学友であるタルヴォアの抱えているものを暴こうとしていることも関係している。



「(大丈夫、アルビトラさんと一緒なら……!)」


 緊張感から徐々に動悸が激しさを増す。浅くなる呼吸を懸命に御しながら、女冒険者はアルビトラに遅れまいとひたすらに左脚を動かし続けるのであった。







 [ オルクシア地方 ~ レネ領 サルロスの町 タルヴォア家の倉庫・地下 ]


 地下室もまた一階層辺りの壁の高さが十メッテほどもある広い構造だった。

 地上階と異なるのは階段のある部屋と、もう一つの別の部屋とで完全に区切られている点であり、部屋同士を繋ぐ分厚い金属製の扉が設けられている。



「この扉は魔鋼材で造られているようです。

 国家組織の施設で採用されるような、とても厳重な素材ですよ!」


 

「幾ら貴族家の倉庫と言ったって、これは流石に厳重過ぎるよねぃ。

 どうする? 私だったら断ち斬れるけどー」


 わけもなく言ってみせるが実際に魔鋼材を斬り裂くのは並大抵のことではない。最上の武器と遣い手の技量が揃わなければ成し得ない芸当なのだ。

 しかし女冒険者は今更アルビトラの規格外さに驚きはしなかった。彼女が出来ると言ったのだから、必ず出来るに決まっている。



「……お願いします! 今から扉の鍵を探している時間はありません」



「了解! いくよ!」


 左掌で鞘を掴み、右掌を刀剣の柄に添える。


 


 キィン ……――


 何か硬い物が割れたような甲高い金属音が鳴り響き、地下室内の淀んだ空気が真っ二つに割れる。


 女冒険者の視界には、アルビトラの腕が僅かに振動して陽炎の如く(ぼや)けたようにしか映らなかったが、数秒の後には両断された魔鋼材の扉が前方へと倒れ込む光景を目撃するのであった。



「なんて綺麗な切断面……お見事です」



「えへへー、こういう扉を斬れるのも、半分はこの子のおかげだよ!」


 そう言いながら納刀し終えた直後の刀剣を大事そうに抱えてみせた。



「そういえば、アルビトラさんのその武器はどちらで入手されたのですか?

 この辺りでは見掛けないような独特の形状をしていますよね」


 曲刀(シミター)にしては細く、蛮刀(マチェット)にしては精緻な刃な上に刀身の反りも浅い。

 鍔も独特の円形を象っており、鞘に施された装飾は国立学術院に在籍していた女冒険者でさえ知らない意匠であった。



「んー、どう言ったら良いのかな」


 珍しく困ったような表情を浮かべながら言葉を模索するような様子を見せる。



「実は私って、産まれた時の記憶がなくてねぃ。

 気付いた時にはこの子を抱えて、グルダナ大草原のど真ん中に居たんだよ。

 だから……ごめんね、ちょっと分からない」



「グルダナ大草原……ここよりずっと西の方に広がる広大な大地ですね。

 そのような遠方からやって来られたとは……」



「冒険者暦だけは長いからね! いろんな国をあっちこっち渡って来たんだー。

 まあ、このまま旅を続けていれば私が産まれた場所とか

 この子の出処とかもいつか分かる日が来ると思ってるよ」


 歩き続けることさえ出来れば、辿り着けない場所はない。

 そう言わんばかりの楽観的な笑顔と信条なれど、その境地に至るまでにどれだけの年月を要したのだろうか?



「それよりも、今は目の前の部屋に集中しよう!」



「はい、気を引き締めます。

 ……教えてくれて ありがとうございました。

 アルビトラさんの故郷、見つかると良いですね」


 そうして二人は奥の部屋へと足を踏み入れる。

 横幅は三十メッテほどで、奥行きは四十メッテほど。かなりの広さだった。


 アルビトラは左掌で刀剣の鞘を、右掌で携行提燈(ランタン)をそれぞれ握り締めつつ部屋内に置かれている物体を順番に照らし出していく。

 其処に安置してあったのは正方形の箱の山。一面につき一メッテと五十トルメッテ程の大きさで三段ずつ積まれていた。


 女冒険者が探知機を向けていくと、なんとほぼ全ての物体に対して指針が反応を示したのである。



「こ、これが全て先進錬成式が使われている錬成像(ゴーレム)ですって……?」


 その時だった。上段の箱が一斉に(うごめ)き、蓋を開けて何かが這い出て来た。



「中枢個体ヨリ急報。侵入者ヲ排除セヨ」


「七十二番カラ八十七番 緊急起動。八十八番以降ハ待機」


「外周警戒中ノ四十五番、四十九番、五十番 ニ急行指示……エラー。

 五十番ノ反応 消失中」


 黄金色(こがねいろ)の装甲を組み上げたヒトガタ達がカタカタと口部を動かし、不気味な呪文のような言語を呟き始めた。


 いずれも大きさは樹林帯で遭遇した錬成像(ゴーレム)と同等だが、四肢はより洗練されたヒトの形を成している。

 どちらかといえば倉庫の外で遭遇した兵士に近く、生身の純人種から皮膚を移植すれば、ほぼ完全にヒトに擬態することが出来そうだ。



「……ざっと数えて十五体くらいかな」



「先程の連絡内容から察するに、倉庫の外から二体 増援が来そうですよ!」


 アルビトラが提燈(ランタン)を足元に置き、女冒険者を庇うような位置取りを心掛けながらその場で居合貫きの構えを採る。


 流石にこの状況下では、敵を倒して此方の戦法を学習されることを忌避しているような場合ではないし、そもそも倉庫の外を警備していた錬成像(ゴーレム)を斬った後なので今更の話である。



「侵入者ノ武装確認……粋然刀(カタナ)ヲ所持。要警戒対象ノ冒険者ト断定!」


「第二種 対策要項 ヲ準備開始!」


 錬成像(ゴーレム)達の視線が一斉にアルビトラの持つ刀剣に注がれた矢先、明確に挙動が機敏さを増した。

 一部の個体に至っては箱の内に納められていた直径三十トルメッテほどの筒状の物体を取り出し始めている。



「明らかにアルビトラさんを警戒した動きですね。

 昨日 交戦した個体から情報が送信されたにしても早すぎます!」



「んー、斬れば斬るほど対策を練り上げられちゃうってことだねぃ。

 とりあえず、この場は切り抜けることを優先しても良いのかな?」



「他に方法はなさそうですからね、お願いします……いえ、待ってください!」


 錬成像(ゴーレム)が取り出した筒を目にした途端、女冒険者の形相が一変した。

 次の瞬間、筒から大量のガスが噴出したのである。



「ま、まさか学術院に居た頃に私が研究していた『アルヴェリウス流体』!?」


「それは吸い込んじゃったら拙いやつ?」


 首に巻いている黒いマフラーで素早く口元を覆うアルビトラ。

 充満したガスはやや青味がかった色合いながら、これといった異臭は感じない。



「いいえ、元々は自然界に存在する不活性ガスで

 錬金術(キュメイア)を用いて造り上げた錬金加工用の冷却材です!

 経口摂取でも、皮膚摂取でも、大量に吸わなければ大きな害はありません」


 ガスは物凄い勢いで範囲を広め、一挙に地下室中に充満していった。



「ただし魔力を用いた術式や、僅かな火種に反応して半径数メッテ四方の空間の

 熱を急速に奪い、問答無用で凍結させる性質があります!!」



「つまり?」



「つまり! 魔術(スペルアーツ)を行使しようとした瞬間に氷漬けです。そして……」


 既に臨戦態勢に入っているアルビトラを静止するために、女冒険者は最小限の言葉を選んでガスの特徴を伝えつつ、片手剣を逆手で引き抜いて近くに陣取る錬成像(ゴーレム)の一体へと出鱈目に投げ付けた。



 キィン…… パシィィ!!


 乱回転した刃が黄金色(こがねいろ)の装甲材に当たり、小さな火花が起こると同時に錬成像(ゴーレム)の周囲の空間が凍て付き、球形の巨大な氷塊と化す。



「剣で斬り付けようとすれば、こうなります!

 元々は危険な錬成物を産み出す際の保全のためにと研究していたのですが

 まさか、こんな形で流用されているとは……」



「ん、解説ありがとう。仕掛ける前に分かって助かったよ!

 魔術(スペルアーツ)も抜刀術もダメ、鞘にも金属が使われている部分があるから

 これを棍棒のように振るうことも止めておいたほうが良さそうだねぃ」 


 即ち、アルビトラの得手を全て封じられたということである。交戦相手の情報を共有して自己改良を繰り返す、先進錬成式の真価が正に発揮されたというわけだ。



「七十四番 機能停止……残存個体ハ敵性対象ヲ包囲シテ排除セヨ」


 武器を喪ったアルビトラ達に向けて錬成像(ゴーレム)達が迫る。

 それぞれの腕には箱に同梱していたのであろう短槍や短剣を取り出して握り締めており、一切の躊躇なく振るって来る。


 アルビトラ達は生身の肉体であり、仮に金属製の防具などで短槍を弾かれて火花が発生したとしても数で勝る錬成像(ゴーレム)側が不利になることはない。



「……こういうの、久しぶりだよ」


 鋭く伸びる短槍に対して左右に軽いステップを踏んで躱し、右脚による中段回し蹴りを浴びせて武器を持つ腕を蹴り飛ばす。無論、火花が散らないよう慎重にだ。



「でやぁ!」


 僅かに体勢を崩した敵の懐に潜り込み、素早く足払いを掛けて転倒させた。



「排除、排除、排除……」


「敵性対象ノ速度評価ヲ上方修正、第六対人連携機動 ニ移行」


 間髪入れず短剣による刺突や斬撃が四方から襲い掛かり、アルビトラは身を伏せて地面を転がることで一撃も被ることなく凌いでみせた。


 移動を補助する『風紡(キリム)』に頼らずとも獣人種特有の身体能力や、長年の実戦経験から来る彼女の身の熟しは相当のものである。



「アルビトラさん! 大丈夫ですか!?」



「これくらいなら まだまだ平気だよ。

 でも お姉さんを護りながらだと……ちょっとだけ厳しいかな?」


 背後を振り向くことなく、徒手空拳の構えを採りながら冷静な分析を告げる。



「だから、ここは私が一人で喰い止めるから お姉さんは先に脱出してよ。

 それから最初に斬り伏せた錬成像(ゴーレム)の頭か何かを拾って

 冒険者統括機構(マスカラード)まで逃げ込むの!」



「……なるほど、事件の証拠になり得る物を持って行けば

 支部に駐留している腕利きの冒険者達が動いてくれるかもしれませんね」



「そういうこと! たぶん、あと数秒で外を警備していた錬成像(ゴーレム)達が

 階段を降りてやって来ると思うから、それをどうにか躱してねぃ」

 


「やってみます」


 中々に厳しい注文だったがアルビトラの足手纏いにはなりたくないという一心が彼女を鼓舞し、突き動かす。

 探知機を口で咥え、転倒した錬成像(ゴーレム)が落とした短槍を左掌で拾い上げる。黄金色(こがねいろ)に対する悔恨と恐怖は、既に何処にも無い。




「侵入者ヲ発見」


「突入 開始」


 アルビトラの忠告通り、五秒ほどが経過した後にヒトの皮膚で黄金色(こがねいろ)を隠蔽した兵士達が槍を構えて地下室へと踏み込んだ。


 一方、アルビトラは前方の錬成像(ゴーレム)の集団からの一斉攻撃に対処していた。



「よっ! と。ここをこうして……こうしよう!」


 短槍による刺突は確実に避け、短剣を振るう腕の肘部分を掴んで喰い止め、そのまま腕を絡めながら軽い足払いと共に投げ飛ばす。

 簡単そうに凌いではいるが十体を越える敵がそれぞれ連携しながら断続的な攻撃を仕掛け続けているのだから、女冒険者の方を気に掛ける余裕はあまり無い。



「(先刻の凍結範囲は だいたい三メッテくらい……もう少し引き付けないと)」


 地下室の入口付近で氷塊化させてしまうと脱出できなくなってしまう。

 故に、背後より迫る敵の接近を可能な限り耐え抜いた後に短槍を投擲した。



 キィン! …… ピシィィ!


 兵士の頭部、平たい形状の鉄製の兜に短槍の穂先が当たり、僅かな火花を皮切りに瞬時に氷漬けとなった。



「いい狙いだね! お姉さん、投擲の才能もあると思うよ!」


 床を転がりながら錬成像(ゴーレム)の攻撃をやり過ごすと同時に側面に位置取りし、膝関節を蹴り付けて黄金色(こがねいろ)の骨格を圧し折った。



「脚部、損傷……ッ!!」


 片足を破損して思わず倒れ込んだ個体の頭部へ追撃の肘打ちを叩き込んでから、アルビトラは敵が握り締めていた短剣を奪い獲り、背後から突入した兵士の片割れへと投げ付けた。


 キィン! と、三度目となる金属同士の激突音と火花が飛び散り、新たな氷塊が象られる。



「今だよ!!」


「はい! どうか ご無事で」 


 背後を振り向かず仲間を発破するアルビトラ、呼応する女冒険者。

 二つの氷塊の隙間を縫うようにして地下室を脱することに成功した。




「はぁ………はぁ……」


 出来る限り急いで階段を登り、地上階に差し掛かったところで咥えていた探知機を再び左掌で握り締める。倉庫の入口は目前であったが、そこで騒ぎの様子を察したのであろう係員の男性が立ちはだかった。



「お、お前! 倉庫の中でいったい何が起きたんだ?

 外から兵士達が慌てて入っていったし、どうなってる!」



「……倉庫内に積まれていた錬成像(ゴーレム)の一部が急に暴走し始めたのです。

 それで今は……私に同行していた冒険者と二名の兵士さんとで対応中、です」


 咄嗟に思い付いた出まかせを口にした。

 然れど「錬成像(ゴーレム)の一部が急に暴走し始めた」というのは彼女が経験した苦い思い出であり、その記憶が滲み出た面貌は ある種の真実味を醸し出して係員を納得させる。



「私はこれから冒険者統括機構(マスカラード)の支部へ報告しに向かいます」



「くっ、お前達が何か仕出かしたんじゃないのか?!」



「い、いえ……違います。倉庫に保管された錬成像(ゴーレム)の中に

 致命的な暴走因子を含んだ不良品が紛れ込んでいたらしく

 それを極秘裏に運び出して、処分するよう言われていたのです」



「そういうことか。

 ここ最近のタルヴォア家の御子息は異常なまでに錬成像(ゴーレム)を増産していたからな」



「はい、ですので倉庫内が鎮圧されるまでの間

 貴方も どこか離れた場所に避難しておいたほうが良いと思います。

 デイル様にはこちらから説明しておきますので」



「……そうだな、こっちはただの文官なんだ。巻き込まれるのは御免被る」


 出まかせの嘘を塗り重ねた突飛な弁明ではあったが、女冒険者の理路整然とした口調が功を奏し、係員は足早に敷地内から退避していった。




「(何とか上手くいった。このまま急いで北西区へ行こう)」


 逸る気持ちを押さえて左脚を動かし続ける。

 倉庫の近くの路の脇に一固めにされていた兵士の残骸の中より頭部を拾い上げ、布に包んだ上で紐で革帯(ベルト)に括り付けた。

 ヒトの皮膚を張り付けた悍ましき錬成像(ゴーレム)だったが、今回の事件の真相を語る上での証拠に繋がるため我慢して持ち出すしかない。




 既に陽は沈んでおり、宵闇に染まる曇天の空からは ぽつぽつと疎らな水滴が降り始めていた。


 町で暮らす者達は夕食を採るために、或いは雨の気配を察して我先にと建物の中に駆け込んでいく。したがって倉庫街より移動する女冒険者の姿を不審に感じる者は居らず、路を阻む者も現れない。偶然ではあるが彼女にとっては追い風だった。




「あと少し、あの橋を渡れば!」


 北東区と北西区を隔てる河に架けられた石造りの橋。

 途中でアルビトラに励まされて渡ったこの橋を越えれば、冒険者統括機構(マスカラード)の建物が見えてくる筈なのだ。


 本格的に降り注ぎ始めた雨の中を、女冒険者は歩き続ける。

 やがて橋上の半ばまで辿り着いたところで前方から一台の馬車が向かって来ていることに気が付いた。


 卸者台には二名の兵士が座っており、うち一名が手綱を操っている。



「…………」


「…………」


 二名の兵士達が無言で女冒険者を見降ろし、馬車を急停止させた。




「あ、貴方達は……」


 見覚えのある馬車、見覚えのある井出立ちの兵士達。

 思わずびくっと身体を震わせ、女冒険者はその場で立ち止まってしまった。



「まったく、昔から君の行動には驚かされてばかりだよ。

 昨日の今日で倉庫を突き止めて直接乗り込むとは愚かの極みだ。

 おかげでジョエル殿との会食を中断する羽目になってしまった」


 馬車の扉が開き、上等な衣服を着熟した黒髪の男性がゆっくりと橋の上に降立った。貴族としての優雅な振舞こそ変わらぬが、その面貌は明らかに苛立っていた。



「タルヴォア様……」



「だが、こうして あの手練れの冒険者と分断することが出来たのなら

 印章を渡しておいた意味はあったということだな」


 冷徹に見下す瞳。山路で再会した時のような穏やかさや、学術院で共に研究に励んでいた頃のような優しさは微塵も感じ取れなかった。



「タルヴォア様、先進錬成式を組み込んだ錬成像(ゴーレム)を製造して解き放ち

 各地で事件を起こしていたのは貴方だったのですか?」


 震える声で言葉を発した。本来、錬金術師(キュメステス)としての将来を有望視されていたほどの頭脳を持つ彼女は、既にこれまでの状況から凡その顛末を類推し終えている。

 それでも問い掛けたのは、僅かな希望的願望を見出したかったのか……。



「ああ、その通りだとも。

 我がタルヴォア家……というより私個人がデルク同盟内で躍進するために

 君が産み出した技術の数々は有効に活用させて貰っている」



「……っ!!」



「各地で騒ぎを起こし、討伐に赴いた冒険者や傭兵を返り討ちにすることで

 錬成像(ゴーレム)の性能試験と喧伝を同時に行っていた。

 そして私と懇意にしている一部の貴族や、元貴族家に高額で買い取ってもらう。

 主人を裏切ることのない強力な軍事力としてな」


 特にエスブルトは共和国制に移行したこともあり元貴族家の権力や影響力の低下は著しい。保有していた常備兵も国軍として接収されてしまった。

 そこに目を付けたタルヴォア家の嫡子は、恒久的に自己改修する戦闘用錬成像(ゴーレム)を常備兵の代替として売り込むことに商機を見出したのだ。



「君の才能を評価し、応援していたのは事実だ。

 だからこそ一定の成果を示した後に退学してもらったのだがね」



「まさか学術院内で錬成像(ゴーレム)が急に暴走したのは……」



「ふふ、勿論 実験も兼ねて私が意図的に引き起こしたことだ。

 そうして君は失墜し、残された成果は全て回収させてもらった。

 今では近隣諸国に売り込むための戦闘用錬成像(ゴーレム)の根幹に組み込まれている」


 つまり最初からタルヴォアは元貴族の学術院生達と裏で繋がっており、全ては彼の掌の上だったというわけだ。



「何てことを……」


 言葉を失いながらも女冒険者は必死に思考を巡らせ続けていた。

 彼がここに現れて、べらべらと秘密を語り出した。つまり女冒険者を亡き者とするために自ら出向いて来たと考えるのが自然であろうか。



「ああ、ちなみに私以外に君に協力していた学術院生は全員 処分済みだよ。

 後は君の息を止めてしまえば、先進錬成式の極意を知る者は私だけとなる」


 衣服の裡に納めていた鞘入りの短剣を取り出し、女冒険者の眼前で抜き放つ。

 黄金色(こがねいろ)の刀身……即ち、錬成像(ゴーレム)と同じ材質だ。



「正直に言って、女として魅力を感じたことはないが

 私より優れた錬金術(キュメイア)の才能を持っていた君のその顔を剥ぎ取り、

 錬成像(ゴーレム)に張り付けて下僕として(かしず)かせるのは一驚だ。興奮すら覚えるよ」


 倉庫街で遭遇した兵士、そして今もタルヴォアの背後に控える二名の兵士達のように、ヒトから剥いだ皮膚を被せた錬成像(ゴーレム)にするという宣言。



「……何もかもが、最低です」


 失望を通り越して、最早 悲憤すら湧いてこなかった。

 ただただ眼前の貴族の男が悍ましい生き物として映り、後退(あとずさ)ることしかできない。



「何とでも言い給え、どの道 ここで君の人生は終わる。

 この前は仲間が居たせいで始末できなかったが、今ならば実に容易い」

 

 元より右半身が不自由な最底辺の冒険者である上に、数少ない武器であった片手剣を失って丸腰の状態だ。誰がどう見ても抵抗する手段など持ち合わせていない。



「私を殺してもアルビトラさんが貴方を罰します!」



「たかが冒険者 一人に何が出来る? ……とは言わない。

 あの後 少し調べたが、奴は二つ名持ちの最上位の実力者だそうだからな?

 君を始末した後で入念に(なぶ)り殺しにしてやるさ」


 獰猛な笑みを浮かべ、西の方角を振り向いてみせる。



「ジョエル殿……ああ、レネ家の当主やガティナ領の当主達の協力を得て

 隣領の城塞都市カルシャヌに錬成像(ゴーレム)の生産工場を築き上げた。

 既に生産した戦闘用錬成像(ゴーレム)は千体以上、これを(けしか)けてやろう」


 カルシャヌで生産し、サルロスを中継して軍事力を欲する各地の有力者達に売り付ける。それが彼の販売戦略の一環だったのだろう。



「せ、千体……! 先進錬成式を組み込むために必要な妖精結晶を

 そこまで揃えられるなんて信じらません、幾らタルヴォア家といえど……」



「ふふ、君のような卑賎な者が生涯 関わることのないような

 大いなる組織が私個人に協力してくれているのだよ。

 そして二つ名持ちの冒険者を葬れば、私が売り込む錬成像(ゴーレム)の評価は

 唯一無二の絶対的なものとなる!!」


 黄金色(こがねいろ)の短剣を握り締める右腕を天高く掲げ、その場で無謀さに振り降ろす。



「さらばだ、何者にもなれなかった憐れな女よ」


 短剣の刀身が二つに割れた。

 そして別たれた刃がそれぞれ拡張を繰り返し、茨の如く伸びて女冒険者の喉元まで凄まじい速度で迫ったのである。


 女冒険者の持つ探知機の指針が、彼の持つ短剣に反応していた。



「うくっ……うぅぅ」


 茨の一端より黄金色(こがねいろ)の棘が飛び出し、喉首を穿つ。

 悲鳴を掻き消すかのように、勢いよく鮮血が溢れ出した――




「素晴らしいだろう? これぞ『バルティア・ローゼスの機装剣』!

 君が産み出した先進錬成式を、私が発展させた短剣型の錬成像(ゴーレム)だよ」


 目的を遂げた茨が急速に元の形状へと戻り、今度は短剣を握り締めたタルヴォア本人がゆっくりと迫って来る。顔の皮を剥ぎ取るために……。



「こひゅぅぅ……こひゅぅ」


 喉を穿たれ、言葉を発することすら出来なくなった女冒険者はその場で(うずくま)る。

 即死することを許さず、死に絶えるまでの間 ひたすらに苦痛を与える殺し方。そして生きたまま皮を剥いでいくのである。



「(こんな男に……最後まで好き勝手にされて、たまるか!)」


 歪んだ笑顔を浮かべたタルヴォアが更に迫る中、醜い芋虫のように橋上を這いずりながら端部まで逃げ続けた。

 そして、躊躇なく自分から橋から飛び降りたのである。




「……最期に楽しい一時を奉仕することも出来ないのか。つまらない女だったな」


 眼下の水面で派生した盛大な水飛沫を見咎めて、興が冷めたかのようにタルヴォアが呟いた。



「死体ノ確認ヲ シテ来マショウカ?」



「これまで私が何人の愚か者達を処理してきたと思っている?

 放っておけ、万に一つも助かる見込みなどは無いさ」


 むしろ落下してまだ息があるのなら、より重い苦痛を味わうことになるだろう。その光景を想像して悦に浸ることで顔を剥ぎ取れなかったことへの留飲を下げた。



「それに二つ名持ちが倉庫街から向かって来るまでに

 この町より引き上げた方が良いだろうからな。

 ここで奴と対峙するのは流石に危険だ……速やかに準備を進めよう」


 淡々と語りながら馬車に乗り込み、一度 タルヴォア家の別宅に戻って然るべき衣服に着替えてからサルロスの町より離れていった。






 [ オルクシア地方 ~ レネ領 サルロスの町 タルヴォア家の倉庫・地下 ]


「よーし、これで終わり!」


 奪い獲った短槍を投じて最後の一体となった錬成像(ゴーレム)に当てて凍結させる。

 女冒険者が示した対処法を的確に踏襲することで、アルビトラは圧倒的に制限された状態ながら無傷で戦闘を終わらせたのであった。



「こういう罠もあるってことは 覚えておかないといけないねぃ」


 革鞄よりボロボロの冊子を取り出し、今し方の戦闘で用いられた『アルヴェリウス流体』について簡易的なメモを記した。



「さあ、急いでお姉さんと合流しないと!」


 そこから先のアルビトラの動きは常軌を逸する速度であった。

 全力で階段を駆け上がり倉庫の外に出ると『風紡キリム)』を駆使して屋根の上に昇る。途中で係員の男性の姿は見掛けなかった。


 屋根の上から別の屋根へと風のロープを打ち込み、ロープを巻き取る要領で自身の肉体を亜光速で射出させる。雨の影響などおかまいなしとばかりに倉庫街のある北東区を一瞬で渡り、河の上に架かる橋までやって来た。



「(血の臭い……?)」


 橋の半ばまで差し掛かり、雨の匂いに微かに混ざる血臭を嗅ぎ取った。

 嫌な予感がしたのか、その場で立ち止まって周囲を見渡すと隅の方に血溜まりが残っていることを発見する。否、それだけではなかった。



「これ、お姉さんの!」


 血溜まりの中に沈む、拳ほどの大きさの円形の器材。

 それが女冒険者が造った即席の探知機だと察したアルビトラは、条件反射的に橋から飛び降りて水中を探り出した。



「(やっぱり居た!)」


 雨が降る水面に漂う長身の女性を発見、急いで泳いで近寄り、彼女を抱えて最寄りの岸辺で這い上がる。



「ぷはぁっ! お姉さん、だいじょうぶ!?」



「…………」


 微かに息だけはしていた。しかし喉を穿たれており、出血も酷い。

 唇は紫色に変色し、面貌は既に土気色。死に至る寸前ながら無意味に苦痛だけが続く無惨な姿であった。




「…………」


 救出されたことを悟ると、声を発することが出来ないながらに、女冒険者は最後の力を振り絞って懸命に唇を動かし続けた。何かを伝えようとしていた。




「カ ル シ ナ ……カルシャナの町のこと?」


 唇の動きを読み取ったアルビトラが尋ねると、極僅かに首を縦に振ろうとした。



「そこに何かがあるんだね? 分かったよ」


 死に瀕した者が、苦痛を(こら)えて今際に伝えようとした最期の言葉と意思を汲み取ることだけに専念する。専念しなければならないのだ!


 更に女冒険者は唇を動かし続けた。


 しかし、その動きは徐々に鈍くなっていく。瞳からは既に光が消えていた。




「ア リ ガ ト ウ ……?」


 正しく意志が伝わったことに安堵した女冒険者の表情が、僅かに緩む。

 凋落の極みに達し、諦観に暮れる日々を過ごしていた彼女が最後に因縁のある事件に挑む機会を与えてくれたアルビトラに対しての掛け値なしの感謝。


 決して満足のいく結末ではなかっただろう。

 苦労が報われたわけでもない。


 それでも彼女は、感謝を伝えたかった……そして託したかった。




「うん、私の方こそ 短い間だったけど、一緒に冒険できて楽しかった!

 お姉さんのことは、なるべく忘れないようにするよ」


 長きに渡る冒険者生活の中で幾度となく仲間と出会い、別れを繰り返してきた彼女だからこそ、決別の時を無碍にはしない。


 そっと彼女の身体を岸辺の地面に寝かせた後にアルビトラは刀剣を引き抜いた。

 諸手で柄を握り締め、大上段に構える。



「お姉さんの魂が、正しく巡っていくことを……心から願うよ!」


 袈裟懸けに一閃。

 上空より降り注ぐ雨の流れごと断ち斬るような練達の技巧。


 首筋が綺麗に切断され、一つの生命が散って逝く。

 悪意ある刺突を浴びて地獄の苦痛が続く女冒険者の介錯が成されたのだ。




「…………」


 上空より降り注ぐ雨の流れが再開され、アルビトラを責め立てるかのように容赦なく水滴を叩き付けていく。



 激しい怒りが湧いた。


 悲しみが押し寄せ、五体が弾け飛びそうになった。



 正午に立ち寄った店で、遠慮がちながらも 美味しそうに煮込み皿を食べていた女冒険者の姿を思い出していた。

 このような結末を迎えると知っていたら、もっと豪華な料理を味わせてあげれば良かったと後悔の念に支配される。




「…………ふぅ」


 暫くその場で立ち尽くした後に息を吐き、右腕を振るって刀身に付着した血脂を払う。ゆっくりと納刀し終える頃には、アルビトラの感情は平常に戻っていた。

 



「ごめんなさい」


 それは規格外の強さを持っていながら仲間を護れなかったことに対する謝罪ではなかった。自由身分の冒険者は死と隣り合わせであることが常道。

 役者不足が困難な依頼に挑めば何も出来ずに死ぬ、当然の結末であった。


 では何故、この狐人(フォクシアン)の冒険者が負い目を感じているのか?



「……さっきまで あんなに悲しかったのに、もう何とも思えないんだー」


 静かな独白。


 それは規格外の特異体質を持つアルビトラの特徴。



 怪我を負っても、病気を患っても、呪詛を施されても、まるで時間が捲き戻ったかのように元通りの状態に戻ってしまう。


 感情を揺るがす苦痛を受けても、歳を取り老化しても、まるで摂理が逆行するかのように元通りの状態に戻ってしまう。


 故に彼女は悩みを持たない。悩みを引き継げない。

 故に彼女は天真爛漫、無邪気で溌剌(はつらつ)


 のんびり、まったり、マイペースに旅を謳歌するしかない"春風"だった。



 仲間の死を悼み、悲しみに暮れることも出来ない。


 仲間をこんな目に遭わせた敵に対する怒りの感情も、まるで地の底に沈んで消えてしまったかの如く虚無と化している。


 最期を看取ったのが、介錯を担ったのが、こんな私で ごめんなさい。

 アルビトラの謝罪の言葉の真意は、其処に集約されていた。



「だけど、お姉さんが必死になって挑んだこの事件だけは

 私が引き継いで、必ず収束させてみせるよ」


 結局、この女冒険者の人生は最後まで大きな意味を為すことはなかった。

 何者にもなれず、歴史に名を刻むこともなく、その才能を利用され尽くした末にあっけなく幕を降ろす。



 しかし、それでも女冒険者は一つだけ偉業を成し遂げていた。


 "春風"のアルビトラという、最強の冒険者を突き動かしたのだ――




「次に産まれてきた時も、また冒険者になる路を選んだら

 今度はもっとたくさん一緒に旅して、おいしいもの食べようね!」


 女冒険者の双眸に掌を当てて目を閉じさせた。

 彼女の冒険者証とタルヴォア家の印章、そして革帯(ベルト)に括り付けていた兵士の頭部を回収する。


 最後に彼女の遺体の前で一礼し、狐人(フォクシアン)の冒険者はその場を後にした。


・第1話の6節目をお読みくださり、ありがとうございました。

・ある意味で作者が最も描きたかったシーンでもありましたので、

 能う限りの力を注いで綴らせていただきました……。


・この後、第1話の御話は佳境を迎えることになっていきます。

 どうか最後まで、春風のアルビトラを見届けていただければ幸いでございます!


・なお補足となりますが本文中に出て来たアルヴェリウス流体は

 ヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスを素材にした錬成物となります。

 首都ボロルで起こった1回目の暴走事故(主犯はタルヴォア)の後に

 当時の女冒険者が開発に着手した……という背景事情がありました。


粋然刀(カタナ)については、ラナリキリュート大陸の隣の大陸の一部の地域で造られている代物で、いわゆる日本刀枠になります。

 形状としては打刀のイメージですね!

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