僕が見届けよう、君の果てしなき旅路を(19)
[ スカイトラス地方 上空 ]
僅かに漂う雲上の空域を一頭の飼い竜が北上していた。
その背にはヴィルツとアルビトラの二名を乗せており、ロンデル地方からマナスター地方を通過して、現在は王国北部のスカイトラス地方へと差し掛かる。
言うならば約半月前の王都行きの空路を、ほぼ逆行している形となる。
「送ってもらっちゃって、ありがとねぃ」
「これくらいは大したことじゃあない。
どうせ王女様の口添えがあっても、営業許可が降りるまで数日は掛かるからな」
王都での出店準備を進める合間に、ヴィルツは国境を兼ねるエスピラ高地までアルビトラを送り届けることにした。
寄り道をしなければ片道で二、三日ほどの空の旅だが、馬車等で移動するとなると一ヶ月は掛かってしまう。仲間に対する彼なりの心遣いといったところか。
「暫くはあの旅籠屋……『バルサムバーグ』を拠点とするのか?」
「うん! なんだかんだで国境の近くは面白い依頼がたくさん来るからね。
店主さんが出してくれるコルキオのお酒も大好きだし!」
「そういうものか。
まあアルビトラの場合は金銭や権力なんて二の次だろうしな」
純粋な報酬額や権力者と繋がる機会に価値を見出すのであれば、辺境よりも王都の方が遥かに有益である。
しかしアルビトラにとって、そういったものは足枷でしかないのだ。
『霊滓綺装』の回収のような例外的な依頼を除けば、多くのヒトや物が入り乱れ、様々な依頼が舞い込む国境付近の方が彼女の旅路としては余程 価値があった。
「ヴィルツくんのお店が出来たら、また王都に立ち寄ってみるよ! よ!」
「はははっ、そりゃ是非とも御贔屓に。
二つ名持ちの冒険者サマ 御用達の店って宣伝してやるぜ」
「抜け目がないねぃ」
談笑を交えながら、只管に空の一点を見詰めて飛び続ける。
エスピラ高地に着けば、そこで二人の旅路は一旦 幕を降ろすのだ。
決して今生の別れなどではないが、それでも旅の終わりというものは、いつだって感慨深くなるものである。
アルビトラは上空の風圧に晒される最中にも、ボロボロの冊子に手馴れた様子で旅の思い出などを記載していった。
[ オルクシア地方 ~ レネ領 エスピラ高地 ]
ロンデルバルク王国とエスブルト共和国の境目の山岳地帯が眼前に映った。
飼い竜を降下させられる場所は限られており、ヴィルツは初めて『バルサムバーグ』に立ち寄った時と同じように少し離れた岩場へと降りていく。
「……何だあれは!?」
「んー、どこかで見たことあるような気がするー」
エスピラ高地の北西部、樹林帯の僅かな切れ間にすっぽりと収まるように鎮座する船体のような物体を、二人は空の上から見咎めた。
明らかにこの場に相応しくない異物。しかし、何故か既視感を感じたのだ。
「あっ、私 分かったかも!
マナスター地方の小麦畑の上を飛んでる時に擦れ違った気球船だー!」
ぱらぱらと冊子を捲り、数日前にアルビトラが記載した頁を開いてみせた。
そこには彼女が旅先で感じたことや必要な情報の他に、可愛らしい絵柄で気球船の写し絵も描かれており、各部の特徴が合致しているようであった。
「言われてみれば確かにそうだな。
船体もよく見ればラナリア皇国製の面影がある……間違いなさそうだ」
船体上部に設けられている巨大な楕円形の球皮は、生憎と空気を抜かれて折り畳まれているため全容は明らかではなかったが、そもそも気球船自体が非常に希少な代物なのだ。
「ここに気球船を停泊させてるってことは、
乗ってるヒト達も『バルサムバーグ』に立ち寄ってるのかな? かな?」
「エスピラ高地の近くの集落や村が目当てって線も有り得るけどな。
まあ順当に考えれば、あの旅籠屋が一番可能性は高いか」
言いながらヴィルツは手綱を真横へ引き、飼い竜に旋回と降下の指示を出す。
山岳地帯の上空で円を描くように滑空することで、速度と高度を徐々に落としつつ予め目星を付けていた岩場へと丁寧に着陸を果たした。
「ふぅ、やっぱり空だと速いねぃ」
防風ゴーグルを鞍の上に置き、鞘に納めたままの粋然刀を掴み取って飼い竜の背より軽快に飛び降りるアルビトラ。
そんな彼女に続くようにヴィルツもゆっくりと地面に両脚を着けた後に、荷籠の中より小振りの木箱を取り出してアルビトラへと手渡した。
「アルビトラ、これを店主の旦那に渡してくれ」
「ほよ? ヴィルツくんはお店まで行かないの?」
「ああ、あの店は居心地が良過ぎるからなぁ。
ついつい長居をしてしまいそうな気がするんだよ……」
「あー、なるほど」
アルビトラが数年ぶりに『バルサムバーグ』に立ち寄った日、ヴィルツは一階の酒場に居座っていた。
その後、彼女が他の女冒険者と旅をして、独りで帰って来た日までヴィルツは相変わらず酒場で葡萄酒に舌鼓を打っていたのである。余程 気に入ったのだろう。
「だから、此処でお別れだ……随分と世話になったな」
「うん! 私もだよ、いつかまた一緒に空を飛んでみたいねぃ」
「その時が巡ってくればな。
谷底に向かう前に交わした約束も、果たしたいからな」
言葉を紡ぎながら、ヴィルツがすぅっと右拳を前方に突き出した。
それは彼なりの友誼を示す儀式。
「……!」
十数日前、王都の外壁付近で再会を果たしたヴィルツとレギが拳を打ち合わせていた光景を思い出したアルビトラは、反射的に己の左拳を突き出して彼の流儀に倣うことにした。
「えへへー、楽しみにしているよぅ」
「ああ、それじゃあな」
拳を離し、踵を反しながら外套を翻す。
再び飼い竜の背に騎乗して防風ゴーグルを装着すると、改めて軽く手を振ってからヴィルツは優雅に上空へと飛び発った。
「またねー!」
独り、地上に残されたアルビトラも諸手を掲げて思い切り振り回す。
そうして飼い竜の姿が視界に映らなくなるまで、ずっと見送り続けていた――
[ オルクシア地方 ~ レネ領 エスピラ高地『バルサムバーグ』 ]
「こんにちわー!」
相変わらず、あっけらかんとした声を響かせながら店内に入るアルビトラ。
居合わせた客達の多くが振り向き、その視線を一身に浴びた。
「おう、半月ぶりくらいか? あの商人の兄ちゃんはどうした?」
「近くまで立ち寄って、そのまま王都に戻ったよー。
これ! ヴィルツくんから店主さんにって」
「……ッ! そ、そうか。そりゃ大したもんだな」
周囲の視線などおかまいなしに一階の酒場内を突き進み、カウンター席の奥で佇む店主の前で預かった木箱を降ろした。
一方の店主は、珍しく戸惑ったような表情を浮かべていたが、これはお土産に対してではなくアルビトラが他者を名前で呼んだことに対する驚愕であった。
尤も、店主以外の客達はその事実の重大さを知る由もなく……。
「とりあえず、これで喉でも潤していきな」
「わーい! ありがとうございまーす」
驚愕から立ち直った店主が、早速ながらアルビトラの好んでいるコルキオ酒のミルク割りを作ってカウンターの上にそっと差し出してくれた。
使い込まれた木盃に注がれた一杯は王都の酒場のような洗練さとはかけ離れていたが、それ故に気取らない居心地の良さに浸ることが出来るのだ。
「んー!」
僅かに口に含んだけで南国の果実の芳醇な香りが鼻腔を突き抜け、それでいて地産のミルクが酒精の尖った風味を和らげている。
探せば王都でも同じような品を提供してくれる店は存在するのかもしれないが、その店独自の雰囲気を含めて嗜むのなら、唯一無二である。
「良ければ、お前さんが今回の旅でどれくらい儲けたのか、教えてくれや」
「いいよ、いいよー! 結構 盛り沢山だったからね!」
店主が木盃をもう一つ取り出し、自分用に蒸留酒を注いでアルビトラと向き合う形で粗雑な椅子にどかっと座り込んだ。
勿論、幾ら儲けたかなどは枕詞であり、純粋に"春風"のアルビトラの生き様を知りたいという好奇心。この店主もまた元冒険者であり、旅への想いは人一倍強い。
そうして暫くの間、アルビトラは久しぶりとなる『バルサムバーグ』の空気を堪能しながら時折 他の客達の様子を伺っていた。
「それでね、ヴィルツくんからは約束通り八万デルミス。
王女様からは後で何かの勲章を贈りますって言われたかなー。
それと怪我の治療代込みで五万デルミスも無理やり押し付けられちゃった」
「……凄ぇな。王族からの勲章なんて滅多に出るもんじゃない。
冒険者としての箔付けとしちゃ、これ以上はないかもしれないぜ」
「どうせなら、おいしい食べ物のほうが私は良かったんだけどねぃ。
あとは途中で立ち寄った貴族の家で金塊をもらったよ! よ!」
「おいおい、この半月の間で普通の冒険者の何年分の稼ぎを得たんだよ……」
わけもなく話すアルビトラの冒険譚に耳を傾けつつ、呆れ果てたような困惑顔を浮かべる店主であったが、同時に彼なりに楽しんでもいる様子だった。
アルビトラの話が一区切りすると、次は店主の方から最近の小さな変化を聞かされた。国境付近に領地を持つ貴族家の動向や、流入してくる客層など。
そうした話題の中で、ふとアルビトラは気になったことを告げてみる。
「店主さん、あそこのテーブルに座ってるヒト達って最近 来たの?」
「ほう、流石に分かるか」
「さっきから私のことを、ちらちらと見て来るんだよねぃ。
それも結構 厳しい目で採点されてる感じかな?」
アルビトラは、この辺りでは珍しい銀髪の狐人。
それだけで注目されることはあれど、所詮は一時の興味関心に過ぎない。
彼女が二つ名持ちの冒険者であることを察した同業者の場合は、一瞥だけして目を合わせないようにするのが常なのだ。
物珍しい生き物を眺める好機の視線ではなく、査定するような視線を向けられることは滅多にない。だからこそ、気になった。
「(気のせいじゃなかったら、あの気球船に乗っていたヒト達に似ているかな)
(それに身体の大きなお爺さんの隣に居る ちっちゃな子……)」
特に気になったのは熟練の冒険者に囲まれるようにして席に座っている子供だった。フード付きの外套で全身を覆っているため容姿は定かではないが、純人種であれば十歳前後の体格といったところだろうか。
「ああ、お察しの通りさ。
あいつらはつい最近、気球船でこの店にやって来た連中でなぁ」
急に店主が表情を硬くして、日常会話から真剣な作戦会議をするような声色へと移り変わる。
「……実を言うと、お前さんが戻って来るのをずっと待っていやがったのさ」
「ほよ? 私を??」
「ま、詳しいことは直接 本人達から聞いてみな」
自分用の蒸留酒を一挙に飲み干してから立ち上がる。
そうして店主は、酒場の一角の長机を占拠していた一団に向かって大きく手を振ってみせた。
「おおーい! アンタ達、"春風"に話を付けるなら今が絶好の機会だぜ!!」
「…………」
野太く、よく徹る店主の声が酒場中に響き渡ると、一団の中で最も高齢者と思しき者がすっと席から立ち上がった。
その男は、途轍もなく大きかった。
二メッテを超える体躯はアルビトラが谷底で交戦したゾガルディアに迫るほどであり、暗銀色の全身鎧で身を包んでいる。
甲冑を含めた総体が発する威圧感は尋常ならざるものがあった。
酒場内でも甲冑を脱がない用心深さだが、流石に兜だけは外している。
整った面貌の随所に刻まれた皺の数から、純人種であれば六十歳前後の老人であることが察せられたが、全く老いを感じさせない。
「(あの気球船に乗ってたヒト達の纏め役って感じかな?)
(今の時代の冒険者の中だと、かなりの遣い手みたいだねぃ)」
「おい、行くぜ」
隣に座っていた小さな子供に声を掛け、二人でアルビトラが座るカウンター席までずんずんと歩み寄って来た。
巨漢と子供の組み合わせというのは、谷底で交戦した二人組を彷彿とさせるが、彼等が纏う雰囲気は余りにも掛け離れている。
「アンタが"春風"のアルビトラで間違いないんだな?」
発する言葉の節々より生来の粗野な気質を感じさせる。
老いて尚も、角が取れる事なく第一線で活躍を続ける冒険者の荒々しさを、如実に体現しているようであった。
「そうだよー、初めまして!」
「俺は『月の轍』の頭目をやっている、只の死に損ないだ。
まあ、アルブレヒトっていう御大層な名前を親から貰っちゃいるがな」
「『月の轍』? ギルド名だね、何度か耳にしたことあるかも」
そして思い出す。マナスター地方の上空で擦れ違った気球船の球皮に描かれていた紋章を……正しく、満月へ至らんと進み続ける一条の轍であった。
「ふははっ! そうかい。話が早くて助かるぜ」
「このデカいのは、お前さんと同じ二つ名持ちの冒険者だ。
"渦衝角"のアルブレヒト……大陸中央部から南部では特に名が通ってるぜ」
「ふむふむ」
最上位である第一等級の冒険者の中でも、二つ名が与えられるのは更に一握りの個人に限られている。
そんな実力者同士の邂逅に、この場に居合わせた他の客達は固唾を飲んで見守ることしか出来なくなっていた。
「アンタに頼みたいことがある、他の奴では任せられない仕事だ」
巨躯の老冒険者が値踏みするような視線と共にアルビトラを見降ろす。
一見すると十代後半の狐人の娘でしかないアルビトラに対しても決して侮らず、さりとて警戒し過ぎる様子でもない。
己のペースで交渉を始めようとする玄人らしさをアルビトラは感じ取っていた。
「お爺さんからの冒険依頼ってこと?
それとも既にそっちのギルドで受けてる依頼の助太刀って感じかな?」
「どちらかと言えば前者だな。
大きな目で見れば後者でもあるんだが、まあ細かい事は省くぜ」
言いながら、共にアルビトラの傍まで近付いた子供の背を軽く叩いてみせる。
「手っ取り早く言えば、コイツの面倒を見てもらいたい。
ああ、只のお守りじゃないぜ? ある場所まで連れて行ってやってほしいんだ」
「よろしく……お願いします」
橄欖色のフードの奥より遠慮がちな少女の声が届いた。
体格的にはギラ・レスティートに近しいが、性格や喋り方は雲泥の差があった。
「んー、何だかワケアリみたいだねぃ。
どうして私に依頼しようと思ったのかだけ教えてもらってもいいかな?」
アルブレヒトの威圧感にも、周囲からの注目にも一切動じることなく、あくまで普段通りのマイペースさでアルビトラは話を進めていく。
或いは既に、この依頼に興味を持ち始めているのかもしれない。
「俺達のギルドは何かと目立ち過ぎるんでな。
コイツを連れていくと弥が上にも邪魔をする連中が出て来やがる」
語りながら周囲の客達を鋭い眼光で睨み据えた。
この先の話は無関係な奴等は聞くな、ということだろう。
老冒険者の放つ威圧感に晒された途端、聞き耳を立てていた野次馬達は一斉に尻込みし、明後日の方向に目を背けて距離を取ることしか出来なくなっていた。
「ふん、少しは静かになったか? 話を続けるぜ。
俺達の代わりに、単身で自由に動けて腕が立つ奴を探していた。
それもなるべく極上のな……そこで目を付けたのがアンタってわけだ」
「ふーん、確かにね。
二つ名を持ってる冒険者って、大抵は大きなギルドに所属してるもんね!」
例外としては現在の"北方の勇者"レギが挙げられるが、彼とて昔はヴィルツ達とギルドを立ち上げて集団で旅をしていた筈である。
アルビトラのように常に単独行動で活動している二つ名持ちの冒険者は、極めて稀な変人の部類なのであった。
「気球船まで持ってる お爺さんが頼もうとしてるくらいなんだから
この子を狙う追手は、かなり危険な相手ってことなんだよね?」
「その通りだ。追手の正体は『廃薔薇機関』とか云うらしい。
辟易するほどしつっこい連中だぜ」
「へぇ?」
アルビトラの頭頂部の狐耳がピクリと動く。
つい先日も、或いはその前にも、ここ最近は特に耳にしてきた組織である。
「危ない仕事になることは認める。
それを踏まえた上で、アンタくらいの実力者にしか任せられないと思っている。
……どうだ、手を貸してくれるか?」
「んー……」
何とも言えない返事をしながらアルブレヒトを見上げた後に、次いで隣の少女へと視線を移す。
「お嬢さんは、それでいいの?
私みたいな勝手気ままに、ぶらぶら旅してる冒険者なんかと一緒で平気?」
「…………はい」
僅かな沈黙。然れど、少女は数秒の後に力強い返事を発した。
「どうしても、行かないといけない場所があるんです」
少女の口調はややぎこちなさを残していたが、その声色からは奥底に秘める確かな意思を感じさせた。
「ん、そうなんだー」
脳裏に過ぎるのは二ヶ月ほど前に、この旅籠屋内で出会った女冒険者の言葉。
その彼女も決して諦めきれぬ強い思いを瞳の奥底に秘めて、アルビトラに訴えてきた……ような記憶がある。
つまるところ、この狐人の冒険者はそういう人物に対して甘いのだ。
「そういうことなら引き受けないわけにはいかないね。
いいよ! 正式な依頼書を用意してくれれば、この場でサインするよー」
「いい決断っぷりだ、気に入ったぜ。
おい! そうと決まったら、先ずは顔と名前を教えてやれ」
アルブレヒトに促されて、少女は目深に被っていたフードを自らの手で外す。
「(やっぱりね、あの時 擦れ違った気球船の甲板に居た子だ!)」
まだ幼さの残る顔立ちながら目を惹くのは、その双眸。
海原や漣を彷彿とさせる海青色。しかし、何処か虚ろさを醸し出している。
強い意志と同時に危うさを内包しているような、そんな印象を受けた。
「お嬢さんは、なんていうお名前なの?」
だからだろうか、珍しくアルビトラの方から他者の名前を知りたいと思った。
名前を聞く前に死に別れるようなことが、なるべく起こらないように……。
「フォルス・ド・ロレーヌ……といいます」
胸に右掌を添えて、軽い会釈と共に名を告げる。
声色が僅かに震えていたのは、初対面の冒険者に対する警戒心だろうか。
その所作はやや硬く、洗練されきっていなかったが幼いなりに教養を積んだ者ならではの振舞いを感じさせた。きっと裕福な家柄の出なのかもしれない。
「ちっちゃいのに、しっかりしてるね。
じゃあ少しの間になるけど、私と一緒にがんばろうか!」
少女の目線の高さまで頭を下げながら笑顔を浮かべて握手を求めると、一拍置いてから小さな両掌で ぎゅっと握り返してくれた。
これがアルビトラと、フォルスという少女の最初の出会い。
後々に大きな旅路を共に歩むことになる二人の、小さな小さな一歩であった。
【 第二話『僕が見届けよう、君の果てしなき旅路を』 了 】
・第2話の19節目をお読みくださり、ありがとうございました。
・これにて第2話の物語も無事に幕を降ろすことが出来まして感無量です。
ここまで書き続けることが適ったのも、全ては皆様のおかげでございます。
・最後に登場させていただきました少女が今後どのようにしてアルビトラと関わっていくのか、気長にお待ちいただければ幸いです。
・次回は第2話で登場したキャラクターや地名、単語などをまとめた用語集を予定しております。
・その後は一旦、春風のアルビトラから幻創のグラナグラム 本編の更新(または別の短編など)に移っていく予定をしております。
春風のアルビトラ 第3話を更新する際には上記の本編のあとがき欄や、活動報告などでアナウンスさせていただきますので、どうか今暫しお待ちください。
・重ねて、ここまでご愛読をいただき心より感謝いたします!
少しでも皆様に面白いと感じていただけましたなら、これ以上の喜びはありません。




