デッドライン
さて、これまで私のアカウント@NiiXM6smHrlOvNnは、乗っ取られはしたものの、ログインされないまま放置されてきた。
ところが、7月11日の夜、変化が生じた。
ハンドルネームがAlyssaへと変更され、アイコンはオサレ感のある白人女性へ、背景はワインが置かれた庭のミニテーブルへと差し替えられたのだ。これは、どう見ても有りし日の私のアカウントではない。
私は、この奪還へのXサポートセンターへの申請を、持久戦と考えてきた。
奪還成功のレポートには、20回以上も申請して成功させたという例も載っていた。
何十回かかろうとも申請を繰り替えし、必ずや奪還してやる……そんな意気込みを持っていたが、剽窃者によるアカウントの改変は深刻な問題だ。
アイコンやプロフ欄の変更程度なら、笑って見逃してやろう。
ただ、過去ツイートやブクマ、フォロワーなどの、私が竹尾練治というアカウントで行ってきた記録が全て抹消されてしまえば、私がこのアカウントに抱いている『価値』の全てが失われてしまう事になる。
白紙になったアカウントが手元に戻っても、それは最早、新規のアカウントの開設と変わらない。
アカウント奪還のデッドラインが明確に存在することを、私は昨晩痛いほど実感した。
剽窃者、仮にAlyssaと呼ぼう。奴が私のアカウントの過去の記録を抹消してしまうまで。
それが私の損益分岐点だ。