四度目の・・・。さくら書く
・・・ただ今であります。
さてお気づきの方もいらっしゃるはず。
こんな手の込んだ、目次と背景は、ねおばーど様の提供です!!!
・・・さて、さくら、帰ってから溜まりにたまっていた、欲求を解消するべく、ネット小説にどっぷりつかり、読み漁りました!!!
ンで、例によって大雪様のとこにお邪魔して、自由をかけた鬼ごっこ。を読む。・・・・・・。
「きゃはあああああんっ!!!」ってなりましたよ。ンで速攻書いて送りつけた次第です・・・。
魔界の深窓の姫君。
秘された存在のエイミールに、初めて出来たオトモダチ。
彼女の心は弾んでいた。
明日が待ち遠しかった。
なぜならば。
明日は、果堅おねえさまと、初めての・・・***(きゃっ!)。
可憐な少女の桃色の頬が、恥じらいに染まった。
*****
「・・・エミー・・・」
アルファーレンがどことなく、やるせない声を発した。
側にいて欲しい。どこにも行かないで欲しい。
目に入る場所にいつもいて、その可憐な姿を目で追っていたい。
・・・のに。
愛しの妹は、農ギャル姿。
「・・・エミー・・・」
生命の源、太陽!植物必須の栄養源!!!
だけど、美容の大敵紫外線・・・。
でも!大丈夫さ!
果堅妃、推薦のこの農ギャル服に、この日よけ帽子!照り返し対策もばっちり!
白皙の美貌も、金色の波打つ髪も、でかい帽子の日よけの影。
すんなり伸びた、白魚の手も、華奢な足腰も農着に包まれ、チラリと見えるのが赤い唇だけ。という、アルファーレンにとっては拷問のような装い。
そんな彼の嘆きに満ちた眼差しの前に、エミーとおそろいの農ギャル服に身を包んだ少女がひとり・・・。
「エミーの珠の素肌を守るためよ!」
天界、凪国の賢妃、果堅。
農着が似合いすぎる。
それもそのはず。
これぞ、凪国国王自ら、果堅妃のために考案した、伝説の・・・一着(呪われそうだ)。
颯爽と農地に立つその姿は躍動感に満ち溢れている。(おおい)
果堅妃が肩に担いだ、きらりと陽光に輝く鍬!
あまりの煌きに、魔城で働く侍女たちがあの鍬はきっと宝石で出来ているに違いないと、頷きあっていた代物だ。(おおおーい)
あまりの手入れのよさに、空飛ぶ魔族が眩しさに落ちてくる始末。(おおおーい)
「エミー!準備は良い?」
「はいっ!おねえさま!」
びしいっと直立したエミーに最早深窓の姫の面影はない。
「人間を食料としなくとも、大根食べれば、同じくらいの酩酊感に囚われる、魅惑の大根栽培するわよおお!!!」
どうやら、果堅は、またもや・・・大根の品種改良に成功したらしい。
「青々と茂った麗しの緑。その緑が太陽をその身に浴びて光合成を繰り返し、やがて、蓄えられていく欲望!!!あ、いけないわ。大根に欲望感じては!!!でもでも、いけないのは、大根なの!余りにも魅惑的なその肢体。縋りついて頬ずりしたくなる、その逞しさ。この身を投げ出して、魅惑の歓喜に囚われて我を忘れてしまうのよ!!!」
大根!あなたの存在は最早、罪!
・・・だんだんヒートアップしていく、果堅妃。
どこから出したのか、葉も青々としたむっちりボディの白い大根抱きしめて、頬擦りしている。
それを見て、どことなーく、遠い目でリアナージャが呟いた。
なんじゃろぅか、このヤルセナサ・・・。
「・・・のぅ、アマレッティ。あの妃、もしやすると大根相手なら絶頂を覚えるんじゃないのか・・・?」
「・・・奇遇だね。リア兄上。俺も今そんなこと考えていた」
沈黙が二人の間を通り抜ける。
「・・・のぅ・・・」
「・・・なあ・・・」
それから二人顔をあわせて。
「「初めて凪国国王が可哀想に思えた(ぞ)(のぅ・・・)」」
ため息付きつつ呟いた。
魔族ですら、はだしで逃げ出すあの黒さも、愛しい妃につれなくされたからなのか・・・?
「最悪の初夜がトラウマになっているのだろう。自業自得だ」
二人の傍らに立つ魔王が呟く。
目線はもちろんエイミールに釘付け。
農ギャル服だろうが何だろうが、中身がエミーならモウマンタイ(無問題)。
農業に従事するその清々しい姿勢!煌く汗すら、いとおしいぞ、エミー!(戻ってこいよ、魔王閣下)
「・・・他にも泣いて嫌がる事とかしてそうだなあ・・・以前も言っていたじゃないか。大事なものは枷に繋いで閉じ込めておかなければ、盗られてしまうと・・・」
やってそうだなー、あの鬼畜王・・・。
やや黄昏て、アマレッティが呟いた。
アマレッティの呟きに、リアナージャが頷いた。
「ま、一理あると思うがの。大事なものは仕舞っておくものじゃ。それが二つとない秘宝なら尚の事。隠さねばなるまいよ。誰の目にも止まらぬように。眼を引いて攫われでもしたら、大事じゃ!」
わらわなら。
城の奥深くに、仕舞い込んで誰の目にも触れさせん。
そうして捕えて、わらわしか見ないようにじっくりと仕込むがのぅ・・・。
俺なら。
居城の奥部屋に閉じ込めて、金の鎖で繋いでやるなあ・・・。
優しく縛って、俺しか見なくなるまで、何度でも身体に教え込んでやるのに。
その二人の言葉に、ふ、と笑った孤高の魔王。アルファーレン。
「・・・私なら。大事なものなら懐に入れて、誰にも触れさせん・・・」
たとえ、魔軍の要といえる、お前達が相手でも。
宝とは戦って、勝ち取るものだ。そうだろう?
そうして三人。不遜に笑いあった。
鬼畜王のことは言えない三人だったことが判明した!!!(逃げろー、エミー!)
心の奥底にある、希求して止まない事象。
最愛の者を得る事は、最大の弱点を抱える事と同じ。
愛しさの余り、誰の目にも触れさせたくないと思うのだ。他の誰にも目を向けさせたくないのだ。
心合わさるその時は幸せ。望む通りに愛してやろう。
けれども、ひとたび、我が側を離れようと愛しい者が動いたなら・・・?
足を折り。
目を潰し。
声すら封じてしまうだろう。
そうして、恍惚のままに。
その身を喰らい尽くすだろう。
喰ってしまえば、もう離れていかない。鼓動も、吐息も全て。余すことなくひとつになれる・・・。
だが。
アマレッティは、求める者の心を理解した。だから、彼らの側ににいる。
リアナージャは、求める者の心を理解した。だから、矛を収めてここにいる。
エイミールが求める者は、過去も今もこれからも。
彼、だけ。
「・・・悔しいが、エミーのためだ(間違ってもあんたのためじゃねぇぞ!)」
「泣き顔は見とうないからのぅ・・・(じゃが、お主から攫う気は満々じゃ!)」
アルファーレンの側で、輝く微笑を見せてくれているならば。
この飢えすらも、乗り越えられると思うのだ。
愛しくてたまらない、エイミールの笑顔のために。
彼らは、側で見守る事を決めたのだから。
*******
「この大根さんが育ったら、もう人を攫ってこなくても良くなるんですね?」
えいこらしょっと鍬をふるって、畝を作るふたり。
手際の異様に良い果堅と、おっかなびっくりのエミー。
種をまいて土をかける。
水を運んで、丁寧にかけてやった。
整然とした、みごとな畑。
今はまだ、茶色の地面だけだけど、いつか芽が出て、大きくなる。
果堅お姉さまが、手にしている立派な大根みたいな作物が取れたら良いなあ。
そしてそれを食べて、みんなが、飢えを感じなくなってくれたら良いなあ。
・・・人間に食欲を感じる魔族は確かにいるけれど、そんなに数はいないのだ。
彼らが人界に侵攻して、生きている人間を攫って食べなくても良くなったら、良いのになあ、とは、ずっとエミーが思っていたこと。
少しでも、忌避されるところを直して行けば。
そのうち人だって、魔族はそんなに悪いものじゃないって分かってくれるはず。
・・・オトモダチが増えたら楽しいなあ。
人間の子供は、学校、というところに行って、ベンキョウするんだって。
オトモダチを作ることもベンキョウの一種なんだよ、と、果堅お姉さまが言っていた。
お姉さま以外のオトモダチ。
・・・それは考えるだけで、とてもわくわくする。
それに、そうして魔族と人間の交流が始まれば。
魔族の皆にも、人間のお友達ができるかもしれない・・・。
だって、にいさまたちと、果堅おねえさまの旦那様、仲いいものねえ?(・・・エミー・・・)
何より、オトモダチを、食料と見る者は、魔族でもいないだろう。
それになにより。
果堅おねえさまの作る大根料理って、絶品!なのだ。
「にいさまたちが、先を争って食卓に付いたんです・・・」
「へ?」
「あの、あの、この間持ってきていただいた、果堅お姉さまお手製の大根の煮物・・・」
「あ、この前の?」
「はい。いつもより先を争っているのが分かりました!わたし・・・果堅おねえさまの作る大根料理を習いたいです!」
そのためには!
大根をより良く知らなきゃいけないと思ったんです。
そのエミーの言葉に。
果堅の眼がきらん!と輝いた。(あ、地雷を踏んだね)
「そうよ!そうなの!!!溢れんばかりの愛情を大根に注ぎ、なおかつ、その溢れる色気に胸を焦がすようにならなくちゃいけないのよ!!!エミー!!!大根の麗しさに頬を染め、熱い吐息を吐き出せてこそ、乙女!!!大根こそ、我がアイドル!大根こそ、命!さ、エミー、一緒に!」
「「「まてえええええええっ!!!」」」
慌てて突っ込んだ、魔王と、魔軍双璧の三人組。
大根に負けてたまるかああぁ!!!エミーは私の(俺の)(わらわの)ものだー!!!
しかし、きょとんとする二人の少女に、どう突っ込んでいいのか思案する、魔王閣下だった。
「・・・王妃」
ヘンな事を大事なエミーに吹き込まないでくれ。・・・と、言いたかった。
だが、だが・・・。
きらきらと見上げる瞳は勿忘草色。その魂の神々しさはさすが神と頷ける。
そして、いつにも増して眩い、翠の無垢な眼差し。・・・かわいい・・・。(無論、顔面は一mmたりとて動いてない)
魔王閣下は固まった。(おい)
それはもう脂汗がだらだらだ。
いらん事を言ったら、泣くかも知れない。
それどころか、この無垢な眼差しを曇らせる事になるのかも・・・と思ったら。
・・・固まるしかなかった・・・。(やーい、ヘタレー)
「あーあ・・・。俺。ちょっと行って、萩波、呼んで来るわ・・・」
「何、あの過保護、どうせそこらで覗いておるわ!」
やれやれと瞳交わす二人。アルファーレンの情けなさに助け舟を出す気になったらしい。
ふたり、頷きあって息を吸い込んだ。
「「・・・果堅妃が、大根とベットイン!!!」」
「果堅!!!私というものが在りながらっ!!!」
・・・・・・。
来たよ・・・。しかも・・・。
・・・・・・されたことあるん(だな)(じゃな)、萩波・・・。(え。果堅の添い寝当番って、大根よねー?)
一瞬で現れた、神気溢れる美貌の君。凪国国王、萩波。
眼光鋭く果堅を見る。
見つめる先であわあわしている、少女。
それを一瞥し。
孤高の魔王閣下は、新たな称号を凪国国王に与えた。
「不憫な奴・・・」
******
その後。
どこからともなく取り出した、魔界随一の美酒を掲げたアルファーレンと萩波が、黙って飲み始めた。
寡黙な二人に言葉はない。
次々とあけられる杯。
顔色も変わらず、飲み続ける二人。
そこに、天界随一の美酒、銘は「果堅」を抱えた明睡が駆けつけて。(他はお留守番)
アマレッティ、リアナージャも混ざり、この五人で、夜がふけ、魔界の赤い太陽が昇るまで。
・・・一晩中飲み明かした。
その間、果堅妃はエミーの隣で幸せな夜を迎えていた。・・・が。
浴びるように飲んでいる凪国国王と、魔王閣下の姿は、その後、長く魔界の幻覚と呼ばれたそうだ。
*****
・・・がんばれ、不憫。
・・・いつか、萩波の黒く重い執着が、天上界で実る事を祈って止まないさくらでした・・・。