外伝~CNO編~ part2 三頭のジョブ
数日前、ゲーム管理室。
白衣の男「よし、ジョブの設定は完了したな」
ディスプレイ
アンノーンジョブ、『サーベラス』
PC画面をのぞき込む男。
エンジニア「主任、これ…」
白衣の男「(; – ₃ – )~♪」
エンジニア「はぁ、社長に怒られても知りませんよ」
白衣の男「大丈夫大丈夫、条件を超限定的にしてるから達成できるプレイヤーなんていないって」
エンジニア「何々、チュートリアルエリアにダイブ後、ゲームスタッフと遭遇せず、外見、ジョブを決定していない状態で、レベル20以上のレアモンスターを自身の攻撃で討伐?」
エンジニア「確かに、こんな条件を達成するプレイヤーなんていませんね( ´艸`)」
白衣の男「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」
クローズドβ中に達成したプレイヤーがいるなど微塵も予想していない運営達であった。
金髪の女性「それにしても、お二人は双子さんなんですか?」
謙吾「双子?」
無月「(多分、まだこのエリアスタッフさんに会ってないから、外見がデフォのまんま)」
謙吾「(そ、そういえば…)」
小声で話す二人。
金髪の女性「(・・?」
謙吾「そ、そんなんですよ、僕ら兄弟でして(;^ω^)」
無月「お、あそこにスタッフさんがいるな」
謙吾「ここまで来れば、村はすぐそこだと思うので」
金髪の女性「あ、ありがとうございました!」
手を振って去る、金髪の女性。
無月&謙吾「(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪」
チュートリアルスタッフ「あ、犬星兄弟さんですね、探しましたよ(;^_^A」
謙吾「遅れて申し訳ありません」
チュートリアルスタッフ「あれ?レベルが…」
二人のレベルを確認する、スタッフ。
無月LV8、謙吾LV6
無月「いやぁ~、このゲームのリアルさに驚愕しまして、色々やっていたらレベル上がっちゃって(;^ω^)」
チュートリアルスタッフ「それにしても上がり過ぎな気がするけど、まぁいいでしょう、とりあえずキャラクリエイトからお願いします」
無月&謙吾「わかりました」
UI画面が表示され、キャラクリエイトへ進む二人。
10分後。
無月「よーし、こんな感じでいいだろう」
短髪の凛々しい人間キャラに姿が変わる無月。
謙吾「これでいいかな」
長髪のエルフキャラに姿が変わる謙吾。
チュートリアル「それでは、キャラ名を決めてから、ジョブ選択をお願いします」
バアル「よし、この名にしよう」
アドニス「兄さんがその名なら僕はこれにしよう」
神話から拝借したキャラ名にする犬星兄弟。
バアル「さて、それじゃ次はジョブだな」
バアル「ん?」
無月の画面に謎の画面が表示される。
『アンノーンジョブの条件達成』
バアル「(何々、ジョブ名『サーベラス』、サーベラスっていうと『ケルベロス』の英訳か)」
バアル「(通常のジョブクラスから、3つを選択でき、スキルポイントを共有し、好きに割り振ることができる…か)」
バアル「(つまりは、『疑似的なマルチウェポン』ってことか、画面を見る限り、装備も各ジョブの装備を装備可能なようだ)」
バアル「(運営が忍ばせた『隠しジョブ』って感じか)」
アドニス「よし、僕は支援魔法もある、ウィザードにするよ」
アドニス「兄さん?」
バアル「(。-`ω-) .。oO(考え中」
腕を組んで考え込む、無月。
アドニス「まだ掛かりそう?」
バアル「スマン、ちょっと小一時間くらい思考させてくれ」
チュートリアルスタッフ「い、一時間!?」
アドニス「(兄さんがジョブ選択にそれだけの時間を…もしかして)」
兄の性格とレアモンスターを倒したことを考慮した推測をする、謙吾。
バアル「(このゲームに用意されている基本ジョブはアタッカージョブのシーフ、フェンサー、アーチャー)」
バアル「(バランサージョブのウィザード、ランサー、ガンナー)」
バアル「(そして、ヒーラージョブのアルケミスト、プリースト、ドルイド)」
バアル「(上位ジョブもあるが、サーベラスが上位ジョブも習得できるかはわからんな)」
思考を続ける、無月。
アドニス「周囲のマップを教えてもらってもいいですか?」
チュートリアルスタッフ「はい、大丈夫ですよ」
兄がジョブ選択している間に少しでも情報収集をする、謙吾。
バアル「よし、決めたぞ」
フェンサー、ガンナー、アルケミストを選択する、無月。
アドニス「ようやくか」
バアルのジョブ欄には、『フェンサー』と表示される。
アドニス「フェンサーか、兄さんらしいね」
アドニス「(本当にフェンサーなのか、まだわからないけど)」
悪そうなプレイヤー「お、スタッフさんじゃん」
チュートリアルスタッフ「な、なんですか」
悪そうなプレイヤー「ここに保管されているゲームアイテムをちょっとばかし貰いたくてな」
アドニス「(ウィザードスキル、マグ二)」
ジョブ、ランサー、LV30、種族、ドワーフ。
アドニス「結構な猛者みたいだね」
バアル「丁度いい」
スキル振りを終え、準備運動をする、無月。
アドニス「に、兄さん…」
バアル「おい、そこのオッサン」
悪そうなプレイヤー「ん、なんだ」
「シュ、シュッ!!」
高速でドワーフ男を斬りつける、無月。
悪そうなプレイヤー「な、何しやがる!?」
バアル「やっぱ、装備差があるから、ダメージはほぼなしか」
表示されるダメージ表記を確認し、相手との差を感じる、無月。
悪そうなプレイヤー「フッ、そんなにキルされたいなら、お望み通りやってやるよ」
装備を取り出し、臨戦態勢に入る、ドワーフ男。
バアル「(謙吾、ウィザードのスキルに目くらまし系のはあるか?)」
アドニス「(あるよ、ミストスモーク、辺り一帯を煙で覆う目くらまし術だね)」
バアル「(よし、俺がオッサンを倒すまで、その目くらましを途絶えないように詠唱してくれ)」
アドニス「(了解)」
パーティーチャットで作戦会議をする、犬星兄弟。
アドニス「ウィザードスキル、ミストスモーク」
煙が辺り一帯を覆いつくす。
悪そうなプレイヤー「な、あのウィザード初期レベルじゃないのか」
バアル「さぁ、実験の始まりだ」
バアル「(まずは、ガンナーにジョブチェンジ)」
「シュッ!」
装備がソードから銃へと切り替わる。
バアル「(二丁拳銃が好みだが、初期だと習得できそうにないな)」
バアル「ガンナースキル、ポイズンショット」
「バン!!」
煙幕の中からドワーフ男へ、銃弾が襲う。
悪そうなプレイヤー「ぐ、な、なんだ?じゅ、銃弾だと、どこから飛んできた」
悪そうなプレイヤー「(奴はフェンサーだったはず、銃弾など飛んでくるはずがねぇ、他に仲間がいるのか)」
混乱するドワーフ男。
バアル「(ドワーフ種は魔法特性が低い、毒耐性の装備でもない限り、毒は防げまい)」
バアル「さぁ、次は」
「シュッ!」
装備が銃からロッドへと切り替わる。
バアル「アルケミストスキル、ヴェノムレイズ」
ドワーフ男の足元に紋章が表示される。
悪そうなプレイヤー「こ、これはアルケミストのスキル、ヴェノムレイズのマークじゃねぇか…ど、どうなってやがる」
バアル「(ガンナーのポイズンショットによって毒を付与、そして、毒ダメージを上昇させるアルケミストのヴェノムレイズ)」
バアル「(俺が考えたジョブを超えた毒コンボ、これがサーベラス)」
バアル「(後は毒を途切れさせぬよう気を配りながら、斬撃で攻めるだけだな)」
装備がロッドからソードへと切り替わる。
悪そうなプレイヤー「くそ、あの野郎どこに居やがる」
バアル「こっちだ」
「ザクッ」
ドワーフ男の鎧の間へ的確に斬撃を加える、無月。
悪そうなプレイヤー「舐めやがって、ランサースキル、旋風槍!!」
バアル「お、それがランサーのスキルか」
「ブォォン」
笑いながら余裕で交わす、無月。
悪そうなプレイヤー「ぐぬぬ…」
バアル「(このゲーム、出血による体力減少もあるみたいだな)」
ドワーフ男のダメージ表記を確認し、ゲーム仕様を把握する、無月。
バアル「予想よりも早く決着がつきそうだな」
悪そうなプレイヤー「ど、どこにやがる」
アドニス「(はぁ、いつまでスモークかけてればいいんだろう)」
詠唱を継続している、謙吾。
装備がソードからロッドへと切り替わる。
バアル「(アルケミストスキル、ダイヤモンドベール)」
スキル発動と同時にソードへと切り替える。
バアル「(成功だな、硬質化を施す、アルケミストの錬金スキルは武器にも有効なようだ)」
バアル「(一時的だが、これでダメージ量は増えるだろう)」
バアル「オッサン、大人しくログアウトするなら、見逃してやってもいいんだぜ?」
悪そうなプレイヤー「は?何言ってやがる、まだレベル10にも満たない奴が粋がるなよ」
バアル「左様ですか、なら」
上空へ飛び上がる、無月。
バアル「(聖衣流一刀、雷霆閃!!)」
「ドゴォーーーーン!」
落下の勢いを利用した斬撃が、ドワーフ男を襲う。
悪そうなプレイヤー「ぐっ」
「ドサッ」
100ダメージ、毒ダメージと合わせ体力が尽きる、ドワーフ男。
アドニス「に、兄さ~ん…_( 、´⌓`)、」
マジックポイントと集中力が切れそうになっている、謙吾。
バアル「アドニス、もういいぞぉ~♪」
アドニス「りょうか~い」
バアル、レベル15へアップ。アドニス、レベル12へアップ。
アナウンス「PKを確認しました、マナーランクがマイナスされます」
バアル&アドニス「え…」
チュートリアルスタッフ「お二人とも~」
二人に駆け寄る、スタッフ。
チュートリアルスタッフ「あー言わんこっちゃない、このゲームにはマナーランクがあって、PKエリア以外での戦闘は禁止されているんですよ」
バアル「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」
チュートリアルスタッフ「まぁ私の方から管理局には伝えておくので、大丈夫だとは思いますが、今度からは気をつけてくださいね(;^_^A」
バアル&アドニス「わかりました」
チュートリアルスタッフ「(それにしてもあのプレイヤーはレベル30だったはず、援護があったとはいえ、初心者のフェンサーが倒せるはずないんですが)」
転移ポータルを開きながら、戦闘結果を疑問に思うスタッフであった。
アドニス「ところで兄さん、このおじさんどうするの」
バアル「とりあえず、縄で縛っておこう」
バアル&アドニス「せっせ。・゜゜・〆(・ω・;)(;・ω・)φ・゜゜・。せっせ」
アドニス「よし、後は運営さんに任せよう」
アドニス「で、兄さん、ジョブについて教えてよ」
バアル「また今度な」




