episode2 警護開始?
~2024年9月某日~
京都国際ヒーロー、ムービーフェア2024、略して「京ヒム」。
毎年京都で開催されている、アメコミやアニメをはじめとしたアニメの祭典だ。
2日間に渡って様々なブースやイベントが開かれる。
無月「おぉ~これが京ヒムか°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°」
陽月「無月さん、私達は遊びに来たんじゃありませんよ」
無月「わかってるって~♪」
陽月「(この人と組んで大丈夫かしら…)」
~数日前~
教官「今回、我々『SP』を生業とする、セキュリティポリス会社の募集を受けていただき、誠にありがとうございます」
教官「業務の内容としては、数日後に開催される『京ヒム』、その著名人の身辺警護、並びに転売目的の参加者への注意喚起、監視が主な内容となります」
無月「ふぁ~、配信頑張り過ぎて眠い…(´Д⊂ヽ」
モブA「教官、そこの人が話を聞いていないようです」
教官「犬星さん、ちゃんと内容は聞かれていましたか?」
無月「著名人の身辺警護、並びに転売目的の参加者への対応ですよね?事前に募集サイトも熟読し、内容は頭に入っています、勿論、教官の話もちゃんと聞いていましたよ」
教官「(ほぉ、バイト組にしてはいい目をしているな)」
モブA「チッ、面白くねぇな」
教官「では、二人一組になって、2日間の間はそのパートナーと業務にあたってもらいます」
一同「えぇ~Σ(・ω・ノ)ノ!」
無月「この令和の時代に二人一組を即興で組めってか、結構面白い会社さんだな」
モブB「おい、女の子がいるぞ」
モブA「こんな男臭い現場で女性がいるなんてマジか」
教官「(彼女は『陽月 鳳』非常に優秀な経歴を持ち、バイト組としてはかなり注目されているルーキーだ、さて、誰と組むのやら)」
陽月「ちょっと、あなた私とチームを組みなさい」
無月「(; ̄Д ̄)なんじゃと?」
陽月「聞こえなかったの?わ・た・しとチームを組みなさいって言ってるの!」
無月「まぁ、俺は別に構わないけど、俺は未経験者だけどいいのか?」
陽月「構わないわ」
無月「σ(๑° ꒳ °๑)??」
何故声を掛けられたのか、よくわからなぬままパートナーが決まった無月であった。
~某スタジオ PCルーム~
PCを操作する男。
謙吾「なるほど、兄さんを見守ってくれる人が現れたか」
謙吾「兄さんの努力が少しずつ形になってきているようだね」
謙吾「今回は彼らに任せて、僕はライブと調査に力を注ごう」
そして、様々な思惑が入り乱れる中、イベント当日へ向けた準備が始まった。
~2023年2月某日~
生成AI(ジェネレーティブAI)、コンピューターが学習したデータを元に、新しいコンテンツやアイデアを生み出す人工知能(AI)。
昨今、この生成AIに注目が集まり、個人でも使用できるサービスが急増している。
俺はこの生成AIによって無断使用されてしまう、『声』を生業としている声優という職に就いている。
爽やかな声の男「生成AIを無断使用したチャンネルは日々増加傾向にあります、噂によればSNS大手『クロス』でもAIの導入が検討されていると聞きます」
風格のある男「だからと言って『声』に著作権はない、立証は難しいぞ、それでも戦うのか?」
爽やかな声の男「勿論です、このままでは僕たちの仕事にも支障が出る可能性があります」
風格のある男「無理に止はしないが、我々からの資金提供は難しいと思いたまえ」
爽やかな声の男「わかりました、許可さえもらえれば後はこちらで行動してみます」
その場を離れる爽やかな声の男。
風格のある男「生成AIか、使用者が真っ当な人間ばかりなら、彼が躍起になることもなかっただろうな…」
【生成AIのデメリットは主に3つ】
・権利侵害やフェイク情報を含むコンテンツを出力するリスクがある
・情報漏えいのリスクがある
・不安定な生成結果の出力がある
AIが収集するサーチ範囲にプロテクトが掛かっておらず、著作権に触れてしまう作品が作成されてしまうのが現状だ。
無断使用も問題ではあるが、本来演じていない役を生成AIによって作品化されるケースも少なくない。
ネットでは日々そういった作品がアップロードされ続けている。
爽やかな声の男「まずは公認AIを作成する必要があるな、問題は資金か…」
~2024年9月某日~
イベント当日は京都では珍しく物凄い人が会場に集まっていた。
無月「凄い人だなぁ~ (◉ω◉`) ジーーーッ」
陽月「これは大変な一日になりそうですね」
無月「ところでMC二人が考案した『コラボバーガー』は食べちゃダメかな?」
陽月「(。・д・)……」
無月「そ、そんな顔せんでも…」
陽月「私達は遊びで来てるんじゃないですからね!」
無月「そうだな、とりあえず、こっちのホールから見回りしようか」
コラボカフェも長蛇の列が止むことがなく、注文するだけでも根気が必要だ(作者談)
大きなイベントに行く際は、列に並ぶことを考慮して事前に一日の計画を立ておくと当日が楽になるぞ。
モブA「あいつらさ、傍から見たらただのデートじゃねぇか」
モブB「まぁ犬星って見た目結構イケメンだからなぁ、羨ましい」
猫山「それに加えて誰にでも優しいときてる、そりゃ女性ウケいいッスよねぇ」
モブA「誰だ、お前?」
猫山「( ˘•ω•˘ ).いや、申し訳ないッス、トイレってどこにありますかね?」
トイレの場所を訪ね、移動する猫山。
猫山「それにしても、犬星さんがSP関係のバイトするとはねぇ」
どこかに連絡をする猫山。
無月「お腹すいたな、ちょっとコンビニに寄らせてくれ」
陽月「手短に済ませて下さいよ」
無月「グッ(๑•̀ㅂ•́)و✧」
陽月「(か、かわいい)」
謙吾「兄さんたち、大丈夫かなぁ…心配だなぁ」