表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/69

episode6 交渉開始

──24年前、京都宇治。


某カードショップ。


謙吾「今日も凄い人だなぁ」


今日は地元ショップで開かれる、『ナイトファイターズ』のショップ大会の日だ。


無月「ふぁ~、眠い(´Д⊂ヽ」

謙吾「兄さん、また徹夜したの?」

無月「ん?まぁ家はそんなにボックス買えないからなぁ…構築力で乗り切らんとな」


僕らの家計は裕福というわけではないので、他の家庭よりもボックス購入は控えめだった。


それでも『クロスゴマ』や他ホビーを母は可能な限り購入してくれた。


謙吾「で、今日はどのデッキ使えばいいの?」

無月「この火文明と水文明の『混色デッキ』だ」

謙吾「速攻デッキね、了解」

謙吾「兄さんはどういうデッキ使うの?」

無月「俺か、火文明の進化クリーチャーはお前に割くことになるから、俺は低予算デッキで適当にやるよ」


謙吾「(兄さん、僕に強いカード持たせすぎだよ)」


兄さんは『あくまで趣味』でカードゲームを遊ぶタイプだった。


無月「お、常連のお兄さん達が勝ち上がってるみたいだな」

謙吾「いつも上位に入ってるお兄さんいるね」


観戦する二人。


無月「自然文明の『デスブレード・ビードル』か」

謙吾「あのカード強いの?」

無月「うーん、微妙かな、5コストで軽いけど、パワー3000のクリーチャーだから除去に弱い欠点がある」


自然文明を使っていた青年が優勝を決める。


謙吾「自然文明のデッキで優勝って凄いね」

無月「うーん、あれは使い手が上手いから優勝した感じだな」


そのプレイヤーは『シールドをあえて攻撃しない』プレイを心掛けていた。


謙吾「カード揃ったら兄さんどういうデッキ組むの?」

無月「水文明は外せないな、単色はまだパワー不足だし、お前に持たせた混色系統になると思う」


その大会から暫くして、兄さんは水文明と闇文明を組み合わせた『ハイドロハリケーンデッキ』を使いショップ大会で優勝した。

不要な攻撃はせず、クリーチャーを溜めこみ、一気に勝負を仕掛けるというデッキだった。


謙吾「(地元の誰も注目していないカード使って優勝か、兄さん構築頑張ったんだなぁ)」


始めこそ、僕の方が3位入賞と兄さんよりも好成績を収めていたが、時間が経つにつれ、兄さんの方がどんどん強くなっていった。

ヒカリトミー会議室。


謙吾「さて、それでは本題に入ろうと思います」

宝&山田「ゴクリ…」


謙吾から資料を手渡される二人。


謙吾「こちらは兄が出場した大会のデッキ分布と男女比になります」


その資料には無月が去年から参加した大会の詳細が載っていた。


宝「なるほど、8パック開封戦とファンミに関しては、男女共に参加者がいる感じでしたか」

謙吾「はい、しかし、チャンレンジ戦では『白使い』の男性プレイヤーが多く、女性プレイヤーが全くない店舗もありました」

謙吾「その原因の一つは、『万能過ぎる白単デッキ』にあると兄は言っていました」

山田「と言いますと」


謙吾「現状の白単は、レベル7変装キッド、トッを筆頭に、『豊富な除去とサーチカード』が他の色に比べて多い印象です」

謙吾「その白ほぼ一強環境が『第3弾まで継続された』、この点が主なユーザー減少の原因だと考えられます」

宝「なるほど」


謙吾「兄は言っていました『カードゲームにおいて、一強環境は三流、二強環境は二流、一流はそれ以上の三竦み環境をデザインする』と」

宝「確かに初動の売り上げから、どんどん右肩下がりになってしまったのは事実です、犬星さん達の仰る通り、白のデザインが強過ぎました」

山田「ファン層も『カードゲーマーが少ない』状況でしたので、予想よりもプレイヤー離れが多かった次第です」


謙吾「その点は兄も理解していました」

謙吾「兄はコナンカードゲームを救済したかったので、あえて白を使用せず赤に可能性を見出していました」

謙吾「その際に白使いから心無いことを投げられたりもしたそうです、兄は凄く悲しくなっていました」


宝&山田「………」


謙吾「強過ぎるデッキを使用し、『トップデッキ以外は無意味』と考えるプレイヤーが増加する危険性があるのも『一強環境』です」

謙吾「そういったことを対戦スペースで発言しなければ済む話ですが、カードゲーム界はまだまだモラル的には未発達状態です」

謙吾「早急に新たな規制を設け、少しでも他色使いが増加する可能性を上げるべきだと私達は考えています」


宝「そうですね、今後の商品展開を鑑み、1枚程度の規制を掛け、新弾と共に環境の動向を伺おうと思います」



無月「(っ˘꒳˘c)Zzz…」


いびきをかいて爆睡している無月。


宝&山田&謙吾「(起きる気配全くねぇな…)」


その後、とあるイベントでの大会案や今後のカード調整への意見交換を経て、プレゼンは無事終了した


宝「今日は本当にありがとうございました、今後ともコナンカードゲームをよろしくお願いいたします」

謙吾「こちらこそ、ヒカリトミーさんの商品には子供の頃からお世話になっていますので、今後とも陰ながら協力させていただきます」

無月「(眠い…)」

謙吾「ほら兄さん、エナドリでも飲んで目を覚まして」

無月「(´◉ω◉`)」


手渡されたエナドリを飲んで目が覚める無月。


無月「申し訳ありません、やっと目が覚めました」

無月「わざわざ話を聞いていただき、今日は本当にありがとうございました」


宝&山田「(面白い人だなぁ)」


本社から帰路へ向かう二人であった。

無月「で、大会の件はお二人に話したのか?」

謙吾「抜かりなく」

無月「そうか、ならせっかくだから、そこのカードショップで一度対戦しておくか」


カードショップを指さす無月。


謙吾「いいけど、僕『白単』しかないよ」

無月「フフフ、俺は『秘蔵のデッキ』を使いから白単でも多分何とかなるよ」

謙吾「(大丈夫かなぁ)」


対戦スペースに座る二人。


無月「まずはジャンケンからだな」

謙吾「OK」

無月&謙吾「ジャンケン、ポン!」


ジャンケンは謙吾が勝ち、先行謙吾、後攻無月となる。


無月「まずは互いに5枚のカードを引いてそっちからマリガンな」

謙吾「大体のルールは把握しているから、茶々っと進めよう」


事件カードを公開して、ターンを進める二人。


数ターン後。


謙吾「実際に回すのは初めてだけど、本当に強いね、このデッキ」

無月「あぁ、数枚規制されてこのパワーだからな」


盤面


謙吾

証拠5

現場、8黒羽盗一【アクティブ】、7迅速怪盗キッド【レスト】

ファイル数6

手札2(どちらも7変装キッド)


無月

証拠0

現場、なし

ファイル数6

手札5


謙吾「ここは落ち着いて、このままターンエンド」

無月「よし、俺のターン、ドロー!」

謙吾「兄さん、いくらなんでもここから逆転は無理じゃない?」

無月「謙吾よ、何故俺がこのデッキを『秘蔵デッキ』と言ってるか今から見せてやろう」


無月「ファイナルターン!!」

ファイルをチャージし、レベル8から順に展開する無月。


謙吾「え」


謙吾

証拠1

現場、8黒羽盗一【レスト】、7迅速怪盗キッド【レスト】

ファイル数6

手札2(どちらも7変装キッド)


無月

証拠6

現場、キャラカード4

ファイル数4

手札4


無月が1ターンで後攻の事件解決に必要な証拠6枚を獲得し、ワンショットキルを成功させる。


謙吾「そ、そんな無茶苦茶なことが出来るの!?」

無月「無茶苦茶じゃねぇーよ、ちゃんと下準備とカードによる『コンボ』で成立させただけさ」


それから久々に兄弟による、カードゲーム談義に浸るのであった。


次回、流石に大会を開始します(前置きが長くて、スマン)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ