② 自信喪失からの覚悟
僕は新しい世界で女性として生まれ変わり、女戦士として活動することになった。
勉強も進学も就職も嫌だった僕にとって、この転生は現実逃避のチャンスだったのかもしれない。
目の前には広がる青空と緑の大地、そして冒険に満ちた日々⋯⋯これまでの煩わしい日常から解放され、本来与えられし自由を手に入れたのだ。
だから、身体が女性になったことくらいどうでも良いことで、特に気にもならなかったと言いたいけれど、突然女性になってしまったせいで、この肉体に慣れるまでにはかなりの時間を要することになてしまう。
けれど、同じクラスの親友、力哉と健二も一緒に転生してきていたので心強く、僕が身体に慣れるまでの支えとなってくれていました。
とはいえ、二人は最初、女性に生まれ変わった僕を見て驚いていたのは事実で、戸惑っていたけれど、直ぐに受け入れてもらえたのは、変化したのは外見だけで中身の変化が無かったのが良かったのかもしれない。
「あのさ、そろそろ身体も慣れたことだし、義人は今は女性何だから、間際らしくならないようにこの世界での名前は変えたらどうかな?」
漸くこの身体に慣れた頃、力哉が名前を変更することを提案してきた。
「そ、そうかな⋯⋯メリットがある訳じゃないし、別に変える必要はないと思うけど」
「義人は気にならないのかもしれないけど、僕も力哉の提案に賛成!」
「おいおい、健二まで賛成なのかよ」
「そりゃそうさ、名前は変えた方が良いと思うよ、女性なのに義人って名前だと性別も分かりにくいし、女性ってだけで優遇されることだってあるんだから」
「じゃぁ、名前何にしようかな」
女性らしい名前と言われても、いきなり思いつかない。
「クラスの女子で好きだった子の名前にするとかは?」
健二が提案する。
「別に好きな子とかいないし」
「嘘だろ、まじか!」
「そもそも、健二には好きな子いたのか?」
「別にいないかな……」
「だろ!」
「それならさ、ゲームやってた時の主人公の名前にしたら良いと思うよ」
力哉がサラッと提案してきた。
「うん、そうだね、僕もそれが良いと思う、確かリアって名前だったね、ずっと遊んでたゲームだから馴染みもあるだろうし、確かその主人公の子は、力強く、美しい戦士⋯⋯の設定だったと思うから、義人に合ってると思うよ」
「健二、お前そんな設定まで良く覚えてるじゃん、確かにリアって名前なら、聞き慣れてた名前なわけだし、全然悪くないかな」
「それならリアに決定だな、言葉遣いも気を付けろよ!」
そう言って力哉が僕の肩を軽く叩きながら微笑んだ。
「うん、気をつけるね」
こうして僕は……私は二人の提案により、義人からリアという名前に変えることになる。
☆
私たちは、戦士として転生したこともあり、安易にでは無く、本気で戦士として生きていくと決めたものの、実際は、スポーツや格闘技を経験してこなかったため、戦闘技術の習得には苦労することになった。
訓練中、力哉が体力 の限界を感じて話しかけてきた。
「僕には出来ない、リアと健二は頑張ってくれ」
「なんだよ、僕とリアだけが頑張れって……力哉がいなかったらこのメンバーが成り立たつわけないだろ!」
情けないことを言ってきたので、健二が反論する。
「あのね、私だって女戦士として転生した時、剣を持ってるから余裕で使いこなせると思ったけど、でもそれは違った。 けれど、今は少しだけど上達はできているきがするの、健二はどう?」
「うん、確かに上達してる気はするよ」
頭を大きく上下に動かし、頷きながら健二が同意している。
その言葉に力哉の心が少し軽くなった気がした。
「ほら、健二も上達してるって言ってる、それなら力哉だって前より上手くなってるんじゃないかな?」
リアが微笑みながら言う。
その優しい微笑みに、力哉は少しだけ自信を取り戻しつつあった。
「まあ、リアの言う通り少しなら上達したかもしれないけど……」
力哉は自分の手を見つめながら呟いいた。
「良かった! それなら今は辛いかもしれないけど、まだ諦めずにもう少し三人で頑張ってみない?」
リアの言葉には決意と希望が込められていた。
「うん、分かった、頑張るよ」
力哉は決意を固めたのか、そう答えた。
☆
私たちは、今訓練生として活動している。
転生直後、何をどうしたら良いか分からず、途方に暮れていた私たちに手を差し伸べてくれたのは、しっかりとした装備をしていた別の訓練生だった。
彼の助言があったことで、村の長老に頼み込無ことが出来たと言っても過言では無い。
その結果、私たちは何とか訓練生として参加できることになったのだ。
長老は最初、私たちの本気度を疑っていたらしい。
装備だけが良くても駄目だと言われ、何日も頼み込みに通ったことでようやく訓練場で稽古をつけてもらえるよう手配してくれたが、ただし、最初は訓練生ではなく、訓練場の掃除や雑用が条件だった。
しかし、私たちの熱意は消えず、真面目に行動したことで、思いの外早く訓練に参加の許可を得ることができたのは幸運でしかないだろう。
剣を使いこなしたいという強い思いがあったので、運良く訓練場での稽古をつけてもらえるようになり嬉しかったのは言うまでもないのだが、しかし、他の戦士たちと比べて技術的に格段に劣っていると感じた。
訓練初日、他の戦士たちの技術に圧倒させられることになる。
彼らは俊敏な動きや強力な攻撃を繰り出していたのに対し、私たちは剣を振るうだけで精一杯だったからだろう。
失敗を繰り返し、仲間たちからの厳しい目線にさらされ、辛い日々が続いた。
戦士としての才能がないのではないかという不安が頭をよぎることもあった。
その為、訓練の際中に何度も失敗し、仲間たちからの厳しい目線にさらされることになり、辛い日々は続いた。
しかし、諦めずに練習していたある日、私たちは剣の才能を開花させるヒントを見つける。 剣を振るう際、自分の身体と心が一体化する感覚を覚えたのだ。
これが私たちにとって唯一の希望となり、自信を取り戻すきっかけとなった。 さらに、訓練場のベテラン戦士ラウルが私 たちに目をかけてくれるようになる。
彼の指導は厳しかったが、心優しい指導者であり、私たちの努力を認めて個別に稽古をつけてくれた。
ラウルの指導のもと、私たちは剣技だけでなく、戦士としての心構えや戦術を学んでいった。
「リア、剣はただの武器ではない。それはお前自身の延長だ。 心と身体が一つになれば、真の力を発揮できる」
ラウルは私の目を見てそう語った。
こうして私たちは少しずつ自己肯定感が高まり、努力を重ねることで技術も向上していくことができた。
お互いを励まし合えたからこそ、成長の道を歩むことができのだろう。
こうして、戦士としての自信を取り戻した私たちは、新しい世界で自由に生きることを決める。
そして、戦士としての道を進むことで、自分の可能性を広げていく決意を固め、新たな仲間や冒険が待つこの世界で、私たちは共に成長し、強く生き抜いていく覚悟も決めたのだった。




