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真実は目の前に  作者: 華愁
3/15

第二話▽追い出されても気にしない

三日後、学校に行くと

あたしが闇をイジメた

と言う話は既に広まっていた。


そんなことは気にせず

自分の席に座る。


「学校、来てんじゃねぇよ」


振り向くと連陏がいた。


こいつ、あの日いなかったよね?


『あたしは勉強しに来てんだよ』


今にも掴みかかりそうな連陏を

止めたのは泉だった。


「何してるんですか‼」


あたしを庇うように前に立った。


『泉、大丈夫だよ』


こいつら(泉と琢海以外)は

本当に馬鹿すぎだろう。


担任は雪花の元副総長だから

あたしを良く思ってないだろうな。


『来たばっかだけど帰る』


泉と入り口にいる

琢海に告げて教室を出た。


このサボりが雨竜との

出会いに繋がるとは

知る由もなかった。


★━━━━━━━━━━━━━━★


学校を抜け出し

街をブラブラしていたら

男三人に絡まれた。


チッ。


小さく舌打ちをした。


一般人じゃないのは

目付きを見ればわかる。


あたしは弱くはないけど強くもない。


半ば諦めかけた時

いきなり、横に居た男が吹っ飛んだ。


「女の子一人に

三人とか卑怯じゃねぇ?」


嘘……


目の前に居たのは

雨竜の総長・傘萩礼哉だった。


吹っ飛ばされた男の

仲間も気付いたのか

のびてる仲間を担いで

逃げて行った。


「何もされなかった?」


『はい、

助けて頂きありがとうございます』


彼は一つ上だったはず。


「もしかして、年下?」


『高二です』


彼はあたしが誰か知らないんだろうか?


「とりあえず、

俺達の倉庫に行こう」


雨竜の倉庫……


『わかりました』


自己紹介もしていない

得体の知れないあたしを

倉庫に連れてって大丈夫か?


総長が来いって言ってんだし

気にしないでおこう。


★━━━━━━━━━━━━━━★



**雨竜の倉庫**



「着いたぞ。ただいま」


前半はあたしに。


後半は倉庫の中にいる人達に。


『お帰りなさい。


おや、彼女は雪花の』


この人はあたしの

正体を知っていたのか(苦笑)


「あたし、やっぱり帰りますね」


彼は総長だ。


厄介な女を置いとくのはよくない。


『帰ってしまうのですか?』


意外にも引き留めたのは

あたしの正体を当てた彼だった。


泉に似てる。


眼鏡はしていないけど、

敬語口調とか雰囲気が。


『私は知ってますよ。


貴女が裏切り者ではないと』


何で……


泉と琢海以外は

媚ってた奴らさえ

あたしの言葉を

聞こうとしなかったのに……


『ひっく……あたし、

イジメなんてしてない……』


何でだろう、彼の一言で

あたしの涙腺は崩壊した。


『えぇ、わかっています』


いつの間にか、抱き締められていた。


数十分後、やっと落ち着いた。


『今更ですが、

自己紹介してませんね』


言われてみれば(苦笑)


「んじゃまぁ、幹部室行くぞ」


『私達も行きましょう』


手を繋がれドキっとした。


総長の彼がドアを勢いよく開けた。


「礼哉、今のは耳に響いたぞ」


いかにも、ムードメーカーそうな人が

呆れ顔で言った。


「まぁ、俺もうるさいと

思ったけどさ何かあるんだろう?


侑司に手を繋がれている

彼女の紹介とかね?」


この人は女好きだな。


「紬、悪かったな。


爽の予想は当たりだ」


兎に角、自己紹介しないと始まらない。


『華表茉緒里、高二です』


二人は知っているかな?


「雪花の嵌められたお姫様か」


紬さんが思いだしたように言った。


え?


“嵌められたお姫様”?


「俺は只川紬、

高二で幹部だ。


茉緒里って呼んでいいか?


紬って呼んでな」


同い年だ。


『うん、わかった』


「じゃぁ、次は俺な。


南川爽。


高二で幹部だよ

俺も爽でよろしく」


爽も同い年。


「わかった」


『礼哉のことはご存知かと

思いますので最後は私ですね……


天城侑司と申します。


副総長を務めさせて頂いています。


お好きに呼んで下さい』


う~ん……難しいなぁ(苦笑)


『侑君って呼んだら怒ります?』


恐る恐る訊いてみる。


『いえ、怒りませんよ。


では、私は茉緒さんと

お呼びすることにします


それから、

敬語はなしで構いませんよ。


礼哉もよろしいですか?』


「あぁ、堅苦しいのは

嫌いだからな。


傘萩礼哉、雨竜の総長だ。


俺も好きに呼べ」


『じゃあ、礼君』


「それでいい」


一通り自己紹介が終わった。


「なぁ茉緒里、雨竜の姫になれよ」


紬が突然言い出した。


“姫”ねぇ……


「茉緒里は雪花に

裏切られたばっかなんだから

いくらなんでも、

その提案は急過ぎないか?」


慌てたのはあたしじゃなく爽。


いかにも女好きって感じけど

気配りができる人なんだろう。


此処なら大丈夫な気がする。


『いいよ、姫になっても。


今からよろしくね』


侑君に一目惚れしたのは

まだ隠しておこう。


「茉緒里、今から俺達の仲間だ」


礼君とハイタッチをした(笑)

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