第一章⑤
身体が鉄になってしまったがなってしまったものは仕方ないと割り切ることにしたがそのままで人にあっても大丈夫か!?自分の身体に意識を向ける鐡華、どうなる!
「生き残ったのは良いとしてこれって…肌の色戻せるよな?」
もし戻せなければ人に会った時に異世界だろうと変なやつ認定は間違いないだろう。
「【毒素分解】と【物質結合】のスキルで運良く助かったけど多分みんなが持ってる訳じゃ無いよな。」
何より自分をこんな状態にしたのは変異体と表示されていた。そう何匹もいる訳がないだろう。
「何とかならねぇーかな」
そう考えていると自然と肌の色が元の色に戻っていった。
「うぉ!?戻った!?」
どうやら意識する事で元に戻るらしい。
それが分かると今度はまた鉄に出来ないかと試したくなるものだ。
「こんな感じか?」
試しに右手だけを鉄にするようにイメージしてみる。すると身体の内側から広がるように右手が鉄に変わった。
「最初はビックリしたけど慣れれば良いかもな。戦う事になった時も使えそうだ。」
今度は左手も鉄に変えてみる。
「若干だが腕が重い気がするな…」
軽くスパーリングをしてみる。
やはり鉄化させている部分は重量が増すらしい。
「これはトレーニングが必要だな…」
軽くスパーリングをしたつもりだったが想像以上に疲れる。
「とりあえず森の中にずっといる訳にも行かないよな。街って近いのか?」
とりあえず行動を開始し川でも探してみる事にした。
「そうだ!折角だし鉄化したまま動くか。」
全身を鉄化させたまま動けば良いトレーニングになるだろう。
「全身に重りがついてるみたいだな。」
効果が期待できそうだと未来の自分を想像する。
「親父のDNA入ってるしな。これから鍛えても十分でかくなる可能性は有るだろ。」
自分が幼い頃に亡くなってしまった父の姿を思い出す。
父はロシアの軍人で見るからに強そうな人だった。
「これは楽しみだな」
未来の自分への期待に喜びながらも家族の顔を思い浮かべ少しだけ寂しい気持ちになった。
肌を戻す事も出来、戦う事になっても使えそうだとポジティブに考えるが上手く使うにはトレーニングが必要そうだ!
自分の未来に期待しながらも家族を思い浮かべ少し寂しくなる鐡華だった。