第一章②
鐡華の選んだもう一つの願いとは!?
新天地では何が起こるのか!
「ではもう1つの願はどうする?戦う事もある世界だ。戦いに活かせるような願いが良いだろう」
そう神様はアドバイスをくれた。
「だったら動体視力を高めてくれ。ステータスが有るなら頑張って努力して強くなるよ。最初っから強くてもつまんねぇーしな」
神様が微笑み俺に手を差し出した。
「本当にそれだけで良いんだな?まぁ聞いたところであの母の子だ。意見は変えんだろう。ならば、その願い聞き届けよう!」
神様が俺の頭に手を置くと目の辺りになにか暖かいものを感じた。
「では、これより汝を転生する。覚悟は良いな?詳しいステータスがどうなっているか儂にもわからん。お前にとって新たな世界の全てが珍しものばかりだろう。存分に楽しむといい。では!武運を!」
そう言うと俺の身体が再び様々な色に神々しく輝いた。
気がつくとそこは大きな木の前で人の気配は無かった。
「これだけだと普通に綺麗な森って感じだよな…本当に異世界転生したんだよな?」
辺りは木々が生い茂っていて見るからに異世界という訳ではない。
「そう言えば神様がステータスを確認しろって言ってたな」
神様の言葉を思い出し頭の中でステータスと念じると目の前にゲームウィンドウの様なものが表示された。
「マジでゲームみたいだな…」
目の前には名前や年齢といった様な自分のプロフィールがしっかりと書かれていた。
「ん?魔力ってこれ…問題だよな」
他のステータスが1000を超えているのに対し魔力の数値は0だった。自分には魔力が全く存在しないという事になる。
「折角異世界に来たのに魔法とか使えないのかぁ…」
一瞬落ち込んだものの直ぐに現実に目を向けた。
「まぁ無いものは欲しがったって仕方がないか。母さんだったら気にすんなって言うよな」
母の顔を思い出し、笑顔で励まされたような気がした。
ステータスを確認していると何やら木の影から物音がした。人ならまだ話が通じるかもしれないがここは異世界だ。どんな生き物が出てきても不思議ではない。
「なんだ?」
物音の正体とは!?どうなる!