能力×剣技vs神通力
-プロローグ-
体が揺れる。なんや、しずくか。
「ねぇねぇ、こないだの話の続きしてよ~」
春風が通り抜けるような感覚。そして気持ちの良い日差しが上から照りつけてくる。あの頃が懐かしい。
「ねぇってばぁ。まだ三十四歳でしょー。そんなおじいちゃんみたいに日向ぼっこしてないでさあ。ちょ、聞いてる?」
バチンッ!
「うおっ!いきなりなんやぁ。話しかけるときは呼べって言うとるやないか。」
「何回か呼びかけましたぁー。さ、早く!こないだの続き!」
眩しいくらいの明るい笑顔。あの記憶が鮮明に蘇る。
そういえば、こいつ、しずくと会った時もこんな日やったな。
「またなんかぁ?もうボクその話飽きたでぇ」
「うちは飽きてないからいいのっ。話さないと今日のおやつのたい焼き食べちゃうぞ?」
ニヤッと笑い、交渉をしてくる。いや、交渉というより、もはや脅しに近い。
「たい焼きだけはっ‼」
「じゃあ、…してくれるよね?」
「分かった分かった、その代わり、たい焼きを二個に増やしてくれてもええか?」
「おっけーおっけー!早く早く‼」
「それじゃあ、始まりや。何回も言ってると思うけど、視点はボクの友達やからな。今日は、竹の子大好きの天然少年クンの目線や。時は二十年前……」