(^ω^)【旅僧】のようです
時は元和。
戦国乱世が尾を引く時代。
そんな世を渡り歩く一人の僧が居た。
( ・∀・)「……ふぅ。歩いた歩いた。今日はこの村で宿を取るか」
彼の法名は転法と云う。
阿守山伴無羅比寺にて仏門に帰依し、阿闍梨の号を授かるも出奔。
その理由は誰にも分からず。
ただ彼の房に残された置文には「寺に釈迦居らず」と記されていた。
( ・∀・)「しかし、ここはなんと陰気なところだの」
(^ω^)「しくしく……しくしく……」
( ・∀・)「おや、こんな所に女子が居るでは無いか」
( ・∀・)「どうした?何故泣いておる?拙僧に話してみなさい」
(^ω^)「この村はここ数年間凶作が続いておりますだお」
( ・∀・)「ほう。確かに、この村には活気がない」
(^ω^)「長老が言うには、この山の神様が怒って居られると……」
( ・∀・)「はぁ、なるほど。それで、何故お主が泣く?」
(^ω^)「その怒りを鎮める為には人身御供が必要であると……」
( ・∀・)「お主に白羽の矢が立ったと言うことか」
(^ω^)「そうでございまする。コレまで何人も捧げられてきました。
そして、今日が私の日でございまして、もう怖くて怖くて」
( ・∀・)「そうかそうか。その長老は適当言っとるな」
(^ω^)「はい?」
( ・∀・)「釈迦は『生贄は無駄』だと言っておる」
(^ω^)「でも、そうしなければ神の怒りが……」
( ・∀・)「神など居らぬ。この世に在るは唯、真如のみよ」
(^ω^)「しんにょ?食べ物ですかお?」
( ・∀・)「いんや、もっと美味いモノだ」
(^ω^)「そうなんですか……
そんな美味しいものを食べずに死ぬのは名残惜しいですお……」
( ・∀・)「なんか話が噛み合っとらんが、まあそういう事だ。
死にたくないのだろう?」
(^ω^)「はい!死にたくないです!」
( ・∀・)「そうかそうか。威勢の良い奴は嫌いでは無い!」
(^ω^)「しかし、どうすればよいのでしょうか?
村の人達を説得してくれるのですか?」
( ・∀・)「いんや。衆生に説くのは時間の無駄だ。
その神を殺してしまえばいい」
(^ω^)「ええ!そんな罰当たりな!」
( ・∀・)「神を殺してはならない等と、釈迦は言っておらん」
(^ω^)「神様がお怒りになりますお!」
( ・∀・)「死んでおるのに?そういや神は死ぬのかや?
……うむ、分からん」
(^ω^)「お坊様、とんだ破戒僧でしたお」
( ・∀・)「律は破ったが、戒は破ってはおらん。結局お主はこうするでしか助からんのだ」
(^ω^)「はぁ……まぁ分かりました。
それで、どうやって殺すのですか?」
( ・∀・)「その山の神とやらが貴様を喰らう瞬間を狙う」
(^ω^)「見た所、武具などは身につけていらっしゃいませんが」
( ・∀・)「拙僧は昔、とある山で修行をしとってのう。
その時、神通力を身に着けたのだ」
(^ω^)「神通力!強そうだお!」
( ・∀・)「ま、それを使えば神など一撃粉砕じゃ。安心せい」
(^ω^)「分かったお!」
( ・∀・)「……単純な奴だのう。それじゃ、人身御供が行われる場所に案内せい」
(^ω^)「山の神様が祀られてる祠だお!こっちだお!」
二人は山道を登り、滝を抜け、人身御供が行われる祠にやってきた。
女子が言うには今日の夜、山の神が姿を表すという。
( ・∀・)「こりゃまた陰気臭くて、それっぽい場所だの。
しっかし、こんな所に神なんぞ顕れるのか?」
(^ω^)「はい。長老はそう言っておりました……あっ!」
( ・∀・)「急に何じゃ?」
(^ω^)「思い出しましたお!
長老がこの生薬を服してから、祠の前で神に祈れと言っておりました!」
( ・∀・)「……ちょっと待て!その薬はなんじゃ?」
(^ω^)「私の身体を美味しくするらしいです」
( ・∀・)「それに何の意味があるんだ!?」
(^ω^)「山の神様が満足すれば、凶作は終わると長老が……」
( ・∀・)「お主は適当な話を信じすぎだ!
そんなもの妄語に決まっておろう!貸せ!」
(^ω^)「あっ!人のもの盗んじゃいけませんお!」
( ・∀・)「盗んでおらんわ!……やはり、これはケシだな」
(^ω^)「ケシ?」
( ・∀・)「鎮痛作用のある薬草ではあるが、
これほど大量に服用すれば、意識を失う毒になる」
(^ω^)「そんな……長老は何故そんなものを……」
( ・∀・)「ふむ、それはおそらくだな……」
('A`)「貴様を売るためだ。娘」
(^ω^)「長老!?なんで!?」
( ・∀・)「ふむ。貴様が長老か。醜悪な面をしておる」
('A`)「今宵の売り物に妙な虫が集っていると思えば、
貴様は何者だ?何故ここにいる?」
( ・∀・)「我が名は転法。旅僧として全国を廻り、修行をしておる。
ここにいる理由は、あれだな……成り行きだな」
('A`)「ふん。偶然ここに通りがかっただけのよそ者が。
我らの計画を邪魔するな」
( ・∀・)「いんや、この世は因と縁。全てに理由があるのだ。
偶然などということはありえない」
('A`)「偏屈坊主が小賢しいことをぐだぐだと……」
(^ω^)「ちょ、ちょっとまってください!どういうことか、全く付いて行けないお!」
( ・∀・)「お主は、いんや、村人は最初から騙されていたんだ。長老にな」
(^ω^)「なんだってぇ!?」
( ・∀・)「コイツは村の人間を人身御供と称して人気のない祠におびき出し、
薬で眠らせた後に、人買いに売るという算段だったのだ」
('A`)「人聞きの悪い事を言うな。これは村を存続させる為の祭祀なのだよ」
(^ω^)「そんな!罪のない人を金の為に殺すなんて!」
('A`)「黙れ小娘!貴様の命など村に比べれば蟻程の価値しか無いわ!」
( ・∀・)「……言いたいことはそれだけか?」
('A`)「なに!?」
( ・∀・)「嘘を吐いて衆生を殺す。それでも十分に罪深いが、
怒りを剥き出しにし、娘を見下した。命を比較し、仏を軽んじた。
貴様は、なんと邪悪な神であろうか」
('A`)「神だと?……ふん、たしかに、我が一族は代々続く司祭。
神と言って過言ではないな!ふははは!」
( ・∀・)「よし!貴様は神と言ったな!殺しても良し!」
(^ω^)「は?」
('A`)「へ?」
( ・∀・)「喰らえ!究極奥義!伴無羅比砲!」
説明しよう!
伴無羅比砲とは、神通力の一つである!
身体中に秘められた悟りパワーを掌から放出する技だ!
圧縮された超濃度の悟りパワーは邪な存在を塵にする!
( ・∀・)「波ぁッ!!」
('A`)「ぐあああああ!!」
長老、消滅ッ!
( ・∀・)「六根清浄!神は死んだ!」
(^ω^)「流石ですお!お坊さん!ありがとうだお!」
( ・∀・)「はっはっは。当然の事をしたまでだ」
(^ω^)「じゃあ、私も村に帰るお!」
( ・∀・)「おっと、それはやめた方がいい」
(^ω^)「なんでだお?」
( ・∀・)「お主が今むらに帰っても、長老殺しの罪を着せられて死ぬだけだの」
(^ω^)「え?ではどうすれば……?」
( ・∀・)「……?」
(^ω^)「考えてなかったのかお?」
( ・∀・)「い、いや……あ、そうだ。縁のある寺に入るか?比丘尼も居るぞ?」
(^ω^)「え~寺ですかぁ?」
( ・∀・)「不満か?」
(^ω^)「修行めんどいお」
( ・∀・)「精進せいよ」
(^ω^)「あ、じゃあお坊さんに付いて行くお!」
( ・∀・)「は?」
(^ω^)「さっき、お坊さん、全国を廻ってると言ってたお?
それって旅行だお!面白そうだお!」
( ・∀・)「ちょっと待て!勝手に決めるでない!第一、拙僧には菩提を得ると言う目的が…!」
(^ω^)「そっちが嫌と言っても、勝手に付いて行くからいいお?」
( ・∀・)「くそう……ただでさえ旅費が厳しいのに。どうしてこうなった」
(^ω^)「袖振り合うも多生の縁、観念するんだお」
( ・∀・)「救わなきゃ良かったかも」
(^ω^)「なんてことをっ!」




