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第一話 マッサージの天才ギャルや!

 R15指定は保険です。


 懐かしネタが多いです。





 わしら、イマドキのギャルやから、お笑い好きで、エセ関西弁使うてる。おもろかったらええ。おもろなかったら、どないイケメンでもついて行かへんで。


 あんた、あれ以上におもろいやつ知ってるか? 玉城レイ。わしと同じクラスのギャルじゃ。あの女、おやじがモミゾウらしいな。ちゅーてもただのモミゾウやあらへん。マスターモミゾウや。天才中の天才マッサージ師ちゅうこっちゃな。


「レイ、肩モミスケして!」


 休み時間になると、ギャルが殺到しよる。するとレイは指を蠕動させてモミスケする。するとたちまち寝るんじゃ。


「ヤバい寝てまう」「寝る寝る」「落ちるう」「さいならー」


 ホンマおもろい。寝かすツボちゅうもんがあるんやな。それをやられたらしまいや。血筋やな。レイもマスターなんじゃ。


 みんな寝るとシーンなるで。なんでやと思う? そら、地球の音のほとんどはわしらが出しとるからや。常識やで常識。


 クラスのメンズどもは、醒めた目で見とる。わしらが大口開けてよだれ垂らしとると、


「みっともねえ」


 なんてぬかしよる。どいつもこいつもブスのくせにクール気取りや。全然おもろないんじゃ!


 と、少々イケメン寄りのブスの一ノ瀬イッチが(仇名やで。本名は忘れた)、


「サイレントがいない」


 ボソリと言いよった。サイレントちゅうのもむろん仇名や。本名は幾野セリイやが、ある日突然しゃべるのをやめよったんで、メンズの誰かがそうつけた。


 セリイもおもろいギャルやで。口あるのにしゃべらんちゅうのはユニークな発想や。病気やなくて、完璧に自分の意志でそうしとる。担任も親も困っとるで。ま、わしらはおもろいから、ギネスに載るまでそうしとけ言うとるけどな。


 世界史の教師が入ってきた。確かにセリイの席に、サイレントがおらん。


 わしと、隣の席のイッチの目が合うた。


「奥川、気づいた?」


 奥川ユエナいうんが、わしの名前や。


「サイレントいないけど、トイレかな」


「さあ。人の尿意まで知らんわい」


「尿にしては長くない?」


「なんやわれ、セリイに気ィあんのか」


「気にならない?」


「なんでやねん。あれ、黙っとるだけやで。座敷わらしみたいなもんで、おってもおらんでも一緒や」


「むしろ、きみたちがしゃべりすぎなんだよ。そっちのほうがビョーキ。ぼくからしたら、サイレントのほうがまともだね」


「オエッ!」


 ブスメンに、きみとかぼくとかとか言われてみい。即、吐くで。


「ちょっとそこ、うるさいわよ!」


 三十路の女教師が喚いた。イッチはすかさず、


「幾野さんがいないんですが」


「知ってます。自分の意志で出て行ったんだから、ほっときなさい」


「でもカバンはありますよ。だから帰ったわけじゃ――」


「黙んなさい!」


 ほれ見い。ヒストリーの授業がヒステリーになったがな。教師はみんな、めんどくさいサイレントなんぞに興味ないんや。


 そのセリイを好きになるとは、イッチもなかなか変わっとる。


 そんときや、レイの様子がおかしいのに気づいたんは。目を血走らせて、歯をむき出して、イッチのことをにらんどる。わし、ピーンときたがな。


 マスターモミゾウの娘は、イッチに惚れとる。


*ユエナのワンポイント解説


 まいど! 一昔前のお笑いに日本一詳しい女子高生のユエナや。若い子にはムズいネタがぎょうさんあるから、各話の後書きで解説したることにした。目障りやったらとばしてな!

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