再会
りょうがは優と再会した。最後にいつ会ったのかは分からないがとても懐かしかった。
「りょうが。久しぶりだね。何年ぶりだろう?君は相変わらず変わってないね。」
りょうがは驚いた。凜音があそこまで優のことを話したくないということに。なぜ優をそこまで嫌うのか。りょうがは優に記憶喪失のことを伝えた。今までのことを全て。そうしたら優は、
「まさかそんなことがあったなんて。最近この街にも戻ってなかったからな。てことはりょうがは俺の事も忘れてるってこと?今までの思い出も全部含めて。」
りょうがは頷いた。なにも言わずに。
「改めて自己紹介するよ。俺はお前の幼なじみの優。他に幼なじみもいるけどとりあえず仲良くしてたのは凜音と祐奈だな。凜音とは会ったの?」
りょうがは頷いた。
「凜音は優しいけど怖いところもあるからな〜。別にどうでもいいけど。凜音とは高校も同じなんだよね?」
りょうがは頷いた。ただ気になることがあった。
なぜ優は最近この街に帰ってなかったのに俺と凜音が同じ高校に行ったことを知ってるんだ?りょうがは優に聞いた。
「なんで優は、俺と凜音が同じ高校に行ったことを知っているんだ?凜音か俺が教えたのか?」
優は笑いながら答えた。
「俺と凜音とりょうがは幼なじみだぞ?高校は違っても中学は一緒なんだから知ってるに決まってるだろ?」
そりゃそうだ。りょうがは納得した。中学が一緒なら話してないわけがない。他にも気になることがたくさんある。全てを聞きたいが帰る時間も守らなくてはいけない。
りょうがは一つだけ聞こうと決めた。
「凜音と優なにかケンカでもしたの?凜音が優のことを教えてくれなかったから。」
直球に聞いてみた。そうするしかできなかった。
優は笑いながら言った。
「凜音と俺は昔付き合ってたんだよ。別れたからそりゃ俺のことを嫌ってもしょうがないだろ。」
りょうがはなぜかほっとしてしまった。なぜかは分からないが。凜音に彼氏がいたということは昔から知っていたのだろうか。りょうがは自分に問いかける。でも答えがかえってくるわけはない。
りょうがは時間を見るとあと5分で帰らないと行けないことに気づき、
「また今度話そうぜ。記憶取り戻したいからよ。俺帰んないと母さんに怒られるから。」
優は笑いながら、
「分かったぜ。また今度話そうぜ!その時はたくさん記憶思い出させてやるよ。」
りょうがは優に手を振りながら家へ帰った。
優は微笑んだのをりょうがは知らなかった…