記憶のカケラ
「実は俺、事故した時に今までの記憶全部無くしてよ。お前のこと分からないんだ。今までの15年間の全てを忘れたんだ。バカだよな。自転車乗ってて事故にあって記憶全部無くすとか」
りょうがは明るく話していたがしばらくした後涙がでてきた。
「なんで俺は記憶を無くさなきゃいけないんだよ!なんにも悪いこともしてないのになんで思い出を奪われなきゃいけないんだよ!」
その時凜音は泣いていた。りょうがが今まで泣いたところを見たことなかったからだ。りょうがは記憶を失い自分のことを責めていたのだと確信したからである。りょうがが今まで過ごしてきた日々をもう思い出せない。記憶が戻ることはあるが全てを思い出すのに一生を使っても取り戻せないことだってあることぐらい凜音にもわかってた。りょうがを助けたい。そんな思いを抱いていた。しばらくして凛音は
「じゃあ私と一緒に退院したら記憶が戻ってくると信じて色んな所に行ってみよう。小学校とか神社とか今までみんなと過ごしたところへ。もしかしたら記憶が戻るかもしれない。高校の部活にも参加したり。もちろん、りょうがが嫌なら無理強いはしない。でも私はりょうがのためだったらなんだって教えるよ。」
りょうがは凛音のことを覚えていないがなぜか凛音だけには特別な思いがあるのではないかと思った。
1ヶ月後、りょうがは無事に退院した。なにもかもが分からない生活になぜかドキドキしていた。ただ恐怖もあった。自分が記憶を無くしたからうまくいかないときはどうしたらいいか。相手に記憶を無くなったと伝えたら相手はどんな反応するのか。軽蔑するのか。それともけなしてくるのか。りょうがの1から始まる生活が幕を開けたのである…




