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ジーク・リヒターの独白

遅れまくって申し訳ない。

突然だが、私は魔王だ。

名をジークフリーデ・リヒターと言う。日頃は、ジーク・リヒターと名乗っているがな。


私は、生まれたときには既に強大な力を持っていた。頭に生えているこの二本の黒い角がその証だ。

魔人族は、基本人間と大差はない。だが、稀に強大な魔力を持った子供が生まれることがある。そして、その子供には角が生えているのだ。


そして、もう一つ。

この事は、誰独りとして話していないが、私は前世の記憶がある。それも異世界の、だ。

その世界では、巨大な鉄の塊が空を飛び、海に浮き、地面を走る。辺り一面は、天を突くほど巨大な建築物に覆われていた。そんな世界で私は生きていた。

故にか、私は幼子らしからぬ知識と冷静さを持ち、親にさえ恐れられた。


私は、一人立ちできる程度に力をつけると村を出た。これが今から………何年前だっただろうか。もう忘れてしまったな。少なくとも、数百年ほど昔の話だったはずだ。


その後、なんの宛もなく世界をさ迷った。

時に人間を殺し同胞を助け、またある時は面白そうなエルフを拾ったりした。

そうしてできたのが、"魔王軍"だ。最初は私とエルフのオーウェン、それに竜人族のカルラの三人だけだったが、今では多くの魔族を巻き込んだ一大勢力までになった。

そして、百年ほど前から、人間族との戦争中でもある。




十年ほど前だろうか、とある崩壊した都市で人間族の子供を二人見つけた。

その都市は、私が行く数日前に突如滅びたらしい。原因は不明。生き残ったものは、両手の指で足りるほどの数でしかなかったと聞く。

そんな都市の中で、数日行き続けた人間、それも女の子供を見つけた。そのときの私の心境は、今でもよく覚えている。ただ、ただ衝撃だった。

その二人の子供。赤い髪をした子供は、意識を失っており、もう一人の青い髪をした子供に背負われていた。だが、その赤い髪をした方は、魔力ではない強大な何かを身に纏っていた。そして、青い髪をした方は、泣きながら私に縋りついてきたのだ。それも、


「わ、わたしの………ことは………いいから………お姉ちゃんをた、たすけてください!おねがいします、お姉ちゃん、をたすけ、て………」


事もあろうか、自らを省みず姉を助けてと言ったのだ。見たところ八歳前後の子供が、だ。それも、十分に恐ろしい風貌をしているであろう私に向かってでもある。

私は、それだけ言うと気絶してしまった二人の幼子を拾い、オーウェンに任せた。赤い髪をした姉の方は、相応の対応を要求されたが。

………結論から言っておこう。私たちにも、彼女の事は何一つわからなかった。仕方なく、封印処置でしか対応出来なかった。


それから十年。青い髪をした幼子は成長し、魔王軍でも屈指の実力者となった。そして、眠り続けていたその姉が目を覚ました。





久々に、シルフィーの顔を見たくなり副官のファーフルだけを連れ、シルフィー達に与えている屋敷へと来ていた。


「………リヒター様、面倒事は起こさないでくださいませ。オーウェン殿に文句を言われるのは私のですから」

「わかっておる」


それくらい弁えている。オーウェンの小言は長い上に、面倒だ。私も嫌だからな。

っと、ファーフルがドアをノックした。奥から、シルフィーの声が聞こえる。元気そうで何よりだ。一応、私が保護者と言う扱いになっているからな。心配はする。


「………すまぬが、後は任せたぞ。私は、庭の方へ行ってくる」

「ちょっ、魔王様!?」


魔王って呼ぶな。今の私は、ジーク・リヒターだろう。

そんなことよりも、庭で感じた気配が気になる。オーウェンでも、人狼の坊主でもドワーフでもない気配。………これが、シルフィーの姉の気配か?


庭まで行くと、赤い髪をした幼子がこの世界では初めて見る、しかし前世で見慣れた武器。"ライフル銃"に良く似たものを持っていた。


相手も、少々警戒しているようだが、私としてはそれどころではない。もし、本物の銃であるならばそれは、ゴーアンかこの人間が異世界から転生した者である可能性があるということだ。じっくり観察させてもらうとしよう。


結果は、良く似ているが全くの別物だった。魔力弾を魔法で射ち出ものだった。発想は似ている。だが、火薬を使っていない。


「それは、貴様が造ったものか?それともゴーアンの新作か?」


思わず質問してしまった。私らしくもない。


「………私が造った魔道具です。なにか?」

「………ん、いや初めて見るものだったのでな。聞いてみただけだ」


これで、確証が得れた。この娘は転生者ではない。……ではないが、底知れぬ力を秘めている気がする。魔王である私すら凌駕しかねないなにかを。

………しかし、なぜ銃なのだ。


「あ、あの――」

「む、ああ気にするな。続けてくれ」

「あ、はい」


………声が漏れていたのだろうか?奇妙な表情をされてしまった。

その後、何度が発砲したが、やはり銃とは別物のようだ。最初は、単発銃かと思ったが、弾が貫通弾や爆発する弾になったりと、実に面白い。

そして、なにやら慌てているようなので手助けしてやろう。


「『結界・真空化』」


結界を張り、内部を真空にしただけだが、火の鎮火にはこれが最も楽だ。


なにやら唖然とされているが、そちらの武器の方が面白かったぞ?


「ははっ、面白いな」


………む、怖がられてしまったか。

だが、城に戻ったらこの魔導銃(仮)を我が軍に導入させねばな。期待しているぞ、シルフィーの姉殿?


最近、忙しい上に暑くって書いてられませんでした。

短かったですが、勘弁してつかあさい(´・ω・`)



メインの方は、もうしばらくお待ちください。筆が止まってしまってまして。しばらくは此方を進めることになるかもです(´・ω・`)

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