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変わり者の住む屋敷 二日目 前編

すみません、またこっちです。

目覚めると、知らない天井だった。木材で出来た天井。服は、ぼろぼろの布切れのような服そのまま。

もしかして私、部屋に入った後すぐに寝ちゃったのかな。疲れてたし、夜遅かったし、仕方ないよね。

外は……明るいけど、それほど遅い時間ではなさそう。確証はないけどね。


コン、コン。


二回ほどノックが聞こえた。シルが起こしに来てくれたのかな?


「はーい、今行くよぉ」


なんの躊躇もなく、扉を開ける。どうせ、シルだし。……あれ?でも、シルなら勝手に入ってきそうなものだけど。もしかして……


「おはようございます。シルフィーさんのお姉さん」

「お、おはようございます」


やっぱり違ったぁ!?

なに?誰?この大きな男の人!百八十センチはありそう。高すぎて、首が痛くなるよ。


「あー、驚かしてすみません。俺の名前は、ヴォルクと言います。師匠、オーウェンの弟子です」

「あ、えっと、カレンです。宜しくお願いします」


あ~、この人が昨日オーウェンさんが言ってた弟子の人かぁ。何処が変わってるんだろ?普通に、良い人そうなんだけど。


「……その反応からして、師匠に"変わった弟子"とかいわれたんでしょう。まぁ俺、人狼なのに魔法が使えるので変わってるとは思いますけど」


人狼?また、はじめて聴く単語だ。種族の一つかな。けど、ヴォルクさんは普通の人間にしか見えないんだよね。黒髪黒目で、ちょっと怖いけども。


「すみません、私記憶が殆どなくて人狼とかよく分かってないんです」

「そうですか。人狼は、獣人族の一つで何時は人間の姿をしますが、狼のような姿に変身できる種族です。といっても、変身できる獣人族は人狼位ですけどね」


なるほど。でも、それがなんで魔法を使うと珍しい事になるんだろう?


「人狼は、元々の身体能力が高くて魔法に頼らずとも、十分に強いんです。それ故に、魔法といったものを使う人狼は全くいないんですよ。俺は、落ちこぼれなので魔法を覚えましたが」


分かりやすい説明ありがとうございました。よくわかったよ。

てことは、ヴォルクさんは狼に変身できる上、魔法も使える凄い人ってことだよね!憧れちゃうなぁ~。


「凄いですね。頑張ってください」

「まあ、師匠には勝てませんし、シルフィーさんにも勝てる気はしませんけどね。ああ、それよりも朝食どうしますか?もう準備できてますよ」


シルどんだけ強くなってるの……。昔は、よく泣いてた気がするのに。

朝食はどうしようかな?シルはもう食べてるのかな。


「シルは、どうしてますか?」

「シルフィーさんなら、今は師匠と庭で実験してますよ。見ればすぐわかると思います。師匠の新魔法を捌けるのって、シルフィーさん位なんですよね」


……なにやってるの、シルフィー。危ないことしてるのなら、お姉ちゃんは全力で止めにいくよ。今すぐ行くよ!


「分かりました。私は、シルと一緒に食べようと思うので庭に行ってきます」

「そうですか、気をつけて下さいね。流れ弾とかに」

「はい。ヴォルクさん、ありがとうございました。」


ヴォルクさんとは、うまく付き合っていけそう。良かったぁ。

それはそれとして、早くシルのところに行かないと!





庭、広すぎるよぉ。爆発音や光は見えるけど、二人は全く見えないよ。てか、本当に危なくないのあれ!?

あ、やっと見えてきた。凄い歩いた気がする。かれこれ二十分位。ここ、庭だよね?あー、声も辛うじて聞き取れるようになってきた。

おーい、シル――


「オーウェン様、そろそろ終わりにしませんか?お姉ちゃん起こしに行かないと」

「なんじゃなんじゃ、つまらんのう。まだまだ山程新魔法はあるんじゃぞ?」

「そう言いつつ、魔法を射ち続けないで下さい。火属性魔法とか雷属性魔法は特に危ないんですから」

「そっちも、そんなこと言いつつ、しっかりと魔法に対処しとるではないか。相変わらず大した腕よの、ホッホッホ」


シルは無表情かつ感情を感じさせない声で、オーウェンさんは笑顔で笑いながら、会話と実験を続けている。

これホントに実験?戦闘じゃないの!?だって、さっきでっかい雷がシルに向かって落ちてきたよ!?危なすぎぃ!


「し、シル!もうやめにして、朝ごはん食べよう!」


思ったより大きな声がでた。これなら、聞こえたかな?


「え、お姉ちゃん!?危ない!」


不意に、一発の火球がこっちに向かってきた。シルが跳ね返したやつだ。うわ~、どうしよう!?


「ふむ……」


オーウェンさんが、一回指を鳴らした瞬間、目の前まで迫っていた火球が消えてしまった。オーウェンさんが何かしてくれたみたい。あー、助かった。


「シルフィーよ、これで終いにしようかの。姉殿には、ちと危ないのでな」


オーウェンさん、出来ればシルにもしないでください……。絶対、「嫌じゃ!」とか言いそうだから、言わないけど。


「お姉ちゃん!大丈夫!?どこも怪我してない!?どうして此処に居るの!」


さっきまでの、無表情は何処へやら。

シルが、私の事で慌ててくれてる。こんなことが、嬉しいと思えるなんて。……とは言っても、反省はしてるから。大丈夫だから。


「大丈夫だよ。どこも痛くないよ。それより、シルはどうなの?」

「私の事なんてどうでも良いよ!お姉ちゃん本当にどこも怪我してないの?」


どうでも良いって……姉としては聞き捨てならない言葉だなぁ。といっても、現状じゃ強く言えないけど。シルの方が強いからね。

こういうの目の当たりにすると中々堪えるなぁ。


「……こいつは驚いた。シルフィーが此処まで反応するとは。儂は、もうシルフィーに感情はないものじゃとばかり」


とうとう私の身体中をまさぐり始めたシルを横目に、オーウェンさんを見ると、とても驚いていた。

"シルに感情がない"?今でもよく笑ったり泣いたりしてる気がするけど、それって私だけ?


「シル、朝御飯食べに戻ろう?お姉ちゃんに怪我がないのは、十分わかったでしょ」

「……うん、わかったよお姉ちゃん」


よしよし、シルは偉いねぇ。だから、もう暗い顔しないで。

ってそんな事してたら、お姉ちゃんお腹空いてきちゃった。もうペコペコだよ~。


「こんなシルフィーは、初めて見たのう。これも姉殿のお陰かの。実は、儂も気にしてはおったんじゃ。どうしようもなかったが……」


オーウェンさん……


「ありがとうございます。シルフィーのために」

「ホッホッホ。なあに、ただの老婆心じゃよ。こちらも、実験に付き合って貰っておるしな」


うん、お礼言うんじゃなかったかな。最後の言葉が無ければ心底感謝できたのに。


「シルに、あまり危ない事させないで下さいね」

「この程度で死にはせぬよ、その娘は。少しは信じてやらんかい。シルフィーの姉なのじゃろう?」


うっ、でもそれとこれは関係無い気が……。

う~ん、難しい。私が、強くなれば解決するのかな。


中々話が進まなくてすみません。

善処出来るように頑張ってみます。ですが、あくまで息抜き作品ですので、あまり期待なさらないで下さい。

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