この世界
柚希に連れていかれた麟太郎は、校舎のとある一室に居た。
「ここは…どこだ?」
「ここはね、この学校の生徒会室だよ」
「そ、そうか…」
様々な疑問を孕んだ麟太郎の言葉は柚希の声に遮られた。
「じゃあ、一つずつ説明していくからね」
一言言うと、柚希は説明を始めた。
「まず、ここは私達元の世界から来た人たちが活動拠点としてるところ。別に生徒会活動とかは特にしてないよ」
柚希は微笑みながら言った。
「この世界はね、さっきも言ったけど存在意義を失った人が来るんだ。まぁ色々な原因はあるけど、やっぱり自分が自分自身の存在を見失うというのが大部分だよ」
「なるほど…」
麟太郎はどこか納得したようだった。
「君、記憶はある?元の世界の。」
「元の世界か……あれ?ついさっきのことなのに…あんまり覚えてない…?」
「やっぱりか…しょうがないね。皆そうなんだ。」
「そうなのか?」
「うん。記憶を保ってるのはいいとこ5割くらい。中には全く覚えてないって人もいるよ。」
「ふーん…」
少しの不安を覚えつつも、麟太郎は質問をする
「大体のことはわかったよ。すると…俺はこれからどこに住んで何をすればいいんだ?」
「ああ、それを説明しないとね。実は、私達も何をすれば良いかはわかってないんだ。」
「はぁ!?」
「普通に学校に通ったりはしてるし…住む場所もあるしね」
「そういうものか…?」
「クラスはいくつかあるけど、元の世界から来た人が固まってたりするから安心してね」
「…ちょっとまて、ここにいるのは元の世界の住人だけじゃないのか?」
「当たり前だよー。ここの世界の住人だっているんだから。次に住むところだけど、学校から徒歩で30にそこそこの広さのマンションがあって、そこに元の世界の人たちで暮らしてるよ。何人かでひとつの号室だけどね。楽しいよ!」
「あ、ああ。」
麟太郎はやはり急な環境の変化についていけていなかった。
「お金だけど、月に一回お財布のなかにお金がはいってるんだ。大体7万円くらいかな。その関係もあって数人で一つの号室にまとまってるんだよ。他に聞きたいことはある?」
「俺起きたとき何も持ってなかったんだが…」
「あ、そっか。はいこれ!」
柚希はなにやら小物入れを差し出した。
「これは…?」
「そのなかに学生証とか財布とかその他もろもろ入ってるよ」
麟太郎が袋のなかを見てみると見覚えの有るものばかりが入っていた。
「これ…俺の財布じゃん!これも…これもこれも!」
「え!嘘!?」
「何をそんなに驚いてるんだ?君たちもこれと同じものをもらったんじゃないの?」
「え、いや…そうだけど、私達皆全く見覚えのない物しか入ってなかったから…そんなに元の世界の物がはいってるなんてあなただけよ?」
何故自分だけ…と思う麟太郎に柚希は言葉をかける
「とりあえず今日は、住むところを見てみようか?」
その瞬間華林が息を切らして生徒会室に入って来たが、すれ違いに麟太郎と柚希は部屋を出ていった。
説明の話になってます!
正直ここを読んでくれないと詰みます。
なので分かりづらかったりしたら遠慮なく言ってください