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テストプレイ②

久しぶりに2連休です。

わーい。

……マジで一ヶ月更新みたいな状況になってきっちゃったよ。どうしよ。

「ふむ、次はスケルトン二体か……奥にもまだいるな」


「槍と短弓……弓幹が随分と短いですね。狭いダンジョン内で使うためなのでしょうか?」


「さてどうかな。一先ずはまた私が行く」


 マリーナは槍兵の方へ向かっていく。しかしそれよりも弓兵の動きを気にしているようだ。

 索敵範囲に入ると槍兵は弓兵の斜め前に移動し、射線をあけつつマリーナから庇うように立ちふさがった。このスケルトンも待ちの姿勢で戦いに臨むようにしてあるが、移動制限を緩くして弓兵を守るように行動させている。

 槍兵が配置に付いた直後、弓兵が矢筒から矢を引き抜き構えた。


「やはり矢じりは無いようだな」


 そうか、矢筒に入ったままでは矢じりが加工してあることが分らないか。まあ改良する程でもないだろう。

 直後に放たれた矢はマリーナの太ももの辺りを狙ったものだったが、剣で打ち払われてしまった。


「遅いし威力もない。まるで子供の玩具だ。目で確認してからでも十分避けられる」


 確かに弱い弓ではあるが、それは冒険者全般に言えることなのだろうか。

 マリーナは槍兵に向かって大きく踏み込んだ。なぎ払われる槍を受け止め、さらに剣の間合いまで入る。槍兵はすぐさま槍を持ち替え素早い連撃を繰り出すが、マリーナはその全てを受け止め、近距離でのラッシュを余裕でいなしている。

 そこに弓兵の攻撃も加わるが、彼女には全く脅威にならない。

 相変わらずとんでもない人間だ。


 しばらく様子を見ていたマリーナだが、突然剣を一閃して槍兵を胸の辺りで真っ二つにしてしまった。

 そして次の瞬間には弓兵に接敵している。

 とても目で追えない。

 もう一体も成すすべも無く負けてしまった。


「こんなところか。槍のスケルトンの強さは先程とほぼ同様。それと弓の方は上半身は狙わないようだな。しかし味方にお構いなしで射てくる。新人一人で相手をするには厳しいかもしれないな」


「わかりました。それと次に弓兵が現れた場合は矢が切れるまで耐えて頂けませんか? どんな攻撃に出るのか知る必要があります」


「そうだな。試してみるとしよう」





 まあ早速弓兵がいるわけで……。


「今度はスケルトン三体ですね。槍、弓、そして大盾……でしょうか? 武器を持っていないのも珍しいです」


「パーティでの連携や役割分担を伝えようとしているようにも感じるが……そうだとしたら正に初心者育成用の構成だな。盾だけ持った冒険者などいないだろうが」

「ではナデア。今度は二人で挑むぞ。弱い魔術で盾兵の性能と動きを探ってくれ。私はいつも通り前衛だ」


「わかりました」


 マリーナとナデアが前に出た。

 ここのスケルトンからはいよいよ前衛がアクティブに攻めるように設定してある。盾兵がいるから攻撃にまわせるということ、今までと違うタイプの敵を配置したかったことなどが主な理由だが、この初級ダンジョンの目的の一つには、モンスターへの具体的な指示以外の部分での行動原理や優先順位の確認がある。

 いくらダンジョンマスターだからと言って、全ての行動をプログラミングしているわけではなく、ダンジョン式人工知能(?)に任せているのだから、モンスターの性能評価は実地で行わなければならない。待ちの姿勢、攻めの姿勢、味方の有無、敵の人数などの様々な因子を少しずつ変えて結果から傾向を読み取っていかないと、今後ダンジョンの安全性に支障が出るかもしれない。これだけで全てのデータが揃うわけではないが、まずは大雑把に把握できるし、ある程度安全だとわかれば様々なタイプの冒険者がここを通ることになる。なにか問題があればその都度修正していけるだろう。

 優秀な冒険者である彼女達ならいざという時も切り抜けてくれるだろうから、このような回りくどいテストプレイをお願いしているのだ。


 マリーナに向けて槍兵が踏み出る。

 それほど速くは無いが、これまでにない動きと、もともと距離があいているわけではない状況ならば多少は意表をつくことができるだろう。


 縦に振り下ろされた槍を難無く受け止めたマリーナは、そのまま槍を撥ね上げて喧嘩キックでスケルトンを押し返した。


「こいつは攻めてく……ふんっ、攻めてくるようだな」


 弓兵の攻撃に言葉を遮られるも問題なく対処している。全くとんでもない人だ。

 その後しばらくはマリーナが槍と矢を捌き、ナデアが放つ拳大の火球や石礫は大盾に防がれる……という膠着状態が続いた。まあ素人目にも手加減されているわけだが。


 何も無い空中に突然火や石が現れるのを見ているとダンジョン創造に近しいものを感じる。ダンジョンコアの力も数ある魔術形態の一つという解釈で良いのだろうか。


「ナデアっ! 矢がこちらにばかり飛んで来るぞ」


「どうやら標的にされているのはマリーナだけのようです。弓のスケルトンは私のことは見向きもしません」


 弓兵達は一番近い敵しか狙わないようにしてある。

 彼らは下半身しか攻撃しないように設定してあるのだが、後衛を狙った矢が前衛に当たる可能性を考えてのことだ。前衛の下半身を狙って後衛の上半身に流れ矢が行くことはまずないだろう。

 実際にこのような不具合が出るかは今後少しずつ検証していくしかない。


 だからナデアがマリーナよりも弓兵に近づけば攻撃目標は変わる。

 ……そういえば、この場合の槍兵の行動指針は定めていなかった。どちらを狙うのだろうか?


 いろいろと考えている内に、マリーナが槍兵を倒してしまった。突然彼女の右腕が霞んだと思ったらスケルトンは十字に切られて四分割されていたのだ。

 じれったくなったのだろうか?

 後は棒立ちで、飛んでくる矢を事も無げに叩き落している。


「前衛がいなくなっても変わらないな」


「頭は良くないのですね。外のスケルトンの方がまだマシなのではないでしょうか?」


「マリーナさん、ナデアさん。矢が切れるまで様子を見てください」


「ああ。流石にこの短時間で忘れはしないさ」


 話をしている間も次々と矢は放たれる。そうこうしている内についに矢筒は空になった。

 矢の切れた弓兵は弓を剣や鈍器に見立てて近接攻撃をするように命令してある。武器の破損などは考えていない。

 盾兵もセットで、マリーナに向けて二体のスケルトンが突撃した。


「ほう。まあそう来るしかないだろうな」


 しかしマリーナは驚くことも無く、振るわれる弓を剣の腹で受け止めた。その間盾兵はなにもしない。ただ傍に佇むだけだ。……命令不足だったな。かなり不自然だ。

 幾度となく振るわれる弓を受けながら、彼女が僕にも見える程度の速さで剣を薙いだ。すかさず盾兵が間に入り、弓兵を押しのけつつ剣を受け止める。意外と反応が早いな。普通に僕より強いぞ。


「む、やるな。ならばっ」


 マリーナの剣は弓兵へと向かった。既に盾兵がアクティブに攻めてこないとバレているのだろう。

 今度も盾に防がれたが、それも計算していたのだろう。弾かれた勢いに任せてクルリとコマの様に回転し、逆側から弓兵を切りつけていた。この連続攻撃には対応仕切れなかったのか……。まあ、彼女達の話を聞く限りだと初心者がサクサクと進めるほど簡単という訳でも無い様だし、スケルトンの強さ自体には問題ないだろう。


「後はコイツだけだな」


 最後に残された盾兵はジッとして動こうとはしない。味方と自分を守る以外は行動指針をほぼ示していないのだから仕方が無いだろう。今、このスケルトンは自分を守る以外のことは何もしていないのだ。


「襲い掛かって来ないのですね」


「だがあの盾は中々強固だった。大きさの割には動きを阻害していない様だし、それほど重くも無いのだろう。守りに徹されると新人には厳しいかもしれないな」


 まあ放置して次の部屋に行くこともできるわけだが。


「ふむ、盾を奪ってみるか」


 そう呟いたマリーナは瞬きする間に盾兵の懐に入り込む。盾の内側とかどうやって入り込んだというんだ。踏み込みも含めて、もはや人間業とは思えない。

 彼女は盾の持ち手がある面に背中を押し付けるとスケルトン本体に蹴りを入れた……ようだ。速すぎて正確には見えなかった。スケルトンは吹き飛び、彼女の背後に盾が落ちる。


「しまった……強く蹴りすぎたか」


 彼女の視線の先、スケルトンは両腕が肩からなくなっている。床に落ちた盾からは確りと握りこまれた二本の腕が伸びている。スケルトンの骨格がどうやって繋がっているのかは不明だが、手の握り握りこみや指の結合力よりも肩関節の方が弱かったのだろう。

 彼女は以前にもこんな方法を試したことがあるのだろうか……生身の人間では肩よりも先に指の握りがとかれると信じたい。


 スケルトンは何とか立ち上がったが、やはり何もしない。両腕と盾は本体から切り離されたため消えてしまった。

 もはや自分を守るために出きる動作は『よける』のみだろう。手が無いから分り難いが、少し腰を落として身構えているのは素人目にも分る。


「これでも特に変わらずか……そうだな、いい機会だ」





 こうして、口にするのも憚られる、スケルトンから少しずつパーツを剥ぎ取るショーが始まった。

 タイトルをつけるなら『スケルトンは何処まで破壊すると死ぬか』といったところだろう。

 いくら無機質なスケルトンとは言え、ボロボロになりながらも懸命に立ち上がり、バランスを崩しながらも構える姿には胸が苦しくなる。それは僕がダンジョンマスターだからだろうか? 彼女達は平然としている。この拷問や人体実験に似た惨劇も興味の対象でしかないようだ。

 彼女達が冒険者やギルドの人間だからだと思いたいが、僕の考え方が既に異質でありこの世界の人々とは相容れないのではないかと、どうしても思ってしまう。

なんとレビューを書いていただきました。

ニヤニヤが止まらないです。こんな失踪寸前のような(筆者はそんな気さらさらありませんが)作品を拾っていただき、また評価していただけて本当に幸せです。

今後も頑張ります。


さて、単調で下手糞な戦闘シーンばかりではアレなので、次話はエリシーあたりに登場して貰おうかなと考えています。そっちも結局は下手糞なんですけどね。


てかテストプレイ編長すぎ……たいして重要でもないシーンにどれだけ掛けてるんだと……。書きたいところはそこじゃないのに……。

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