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やすらぎの迷宮  作者: 魔法使い候補生
第二章 宿泊施設として
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斧の骸骨

この話は誰の視点で書こうか非常に悩みました。

エリシー達の視点なら、彼女達の背景・感情が描写しやすそうですね。

でも出来るだけ主人公視点を貫きたいとは思っているんです。

 特に深く考えずにスケルトンを送ったのだけど、脳裏に移る光景を見て配慮が足りなかったと知った。

 この迷宮は少しでも清潔感や開放感を持ってもらえるように、夜でも部屋の中はある程度明るく保っている。もちろん宿泊用の部屋ではスイッチでon/offが切り替えられるが…。

 しかし、さすがに全面に照明を設置するのはコスト的に辛かったので通路内や階段は最低限の照明で薄暗い。


 つまり何が言いたいのかというと、エリシー視点では薄暗い階段から両手に大斧をもったスケルトンが『ぬぅっ』と姿を現した様に見えるのだ。僕にもそう見えたのだから間違いない。

 しかも気配を殺す必要など無いのだからカツカツと足音をたててだ。

 階段を上ってくる足音に十分警戒したところへの登場にはさぞかし驚いたことだろう。


 

 エリシーはまだこのダンジョンに来た事はない。地下三階の宿や風呂に向かわないということはそれほど詳しくないのだろうが、最も重視される安全性についての前情報では武器を持ったスケルトンが地下一階に居るなど聞いたこと無いはずで、少なくとも警戒対象は魔物ではなく他の冒険者や野生動物だったのだろう。

 盗み見れば、やはり彼女の顔は驚愕に染まっていた。いきなりの不意打ちとギルドの情報との齟齬に混乱しているのだろう。


 しかしそこは元冒険者。直ぐに二人の前に立ち、油断無く剣を構えた。

 ちなみに年少組はスケルトンが姿を現す前にエリシーに揺り起こされていた。2人は単純に恐怖に身をすくませて身を寄せ合い、声も出ないようだ。取り乱して逃げ出さなかったのは幸運だった。



 


 この最悪に警戒された状態からこちらの要望を受け入れさせるのは骨が折れそうだ。

 

 骨が折れるといえば、僕の骨が本当に折れたらどうなるのだろうか……。常人が骨折を放って置いたらまず間違いなく後遺症がのこるだろう。

 試す度胸などないが、出来ることなら治癒ではなく魔力による修復が起こることを望む。切に。

 欲を言うなら、痛みが長引かないように短時間でお願いしたい。


 ……だがそうすると、万が一最深部まで冒険者が到達した場合に即死できなかったら、修復する端から攻撃され、なぶられることになるのか……。

 自殺装置も作って置く必要があるだろうか?





 まあそれは一先ずおいておくとしよう。


 スケルトンは両手の木製の歪な大斧をゆっくりと胸の高さまで上げる。

 剣を握るエリシーの手に力が入る。後ろの2人もびくりと反応した。


 


 だが直ぐにエリシーの顔からは緊張が消え、変わりに動揺とも戸惑いとも付かない微妙な表情が浮かんできた。

 それはそうだろう。明るい部屋に出てみれば実に滑稽な光景だ。

 日本にあるもので例えるなら、理科室の骨格標本が両手に持ったプラカードを突き出して突っ立っている感じだ。おまけに首からは【伝令】と書かれた木札を下げている。

 もちろん客商売である。スケルトンは薄汚れてなどなく、漂白剤で染めたように真っ白でツルツルだ。



 エリシーは目の前の光景を図りかねているようだが、それでも構えた剣は下げない。

 

 だが問答無用で切りかかられなくて良かった。

 体を構成できる最小限の魔力しか込めていないのだから、戦闘力など皆無である。そもそも応戦するようには命じていないが……。




 両手の大斧(看板)にはこう書かれている。



右:【私はダンジョンマスターです。提案があります。話を聞いて頂けますか?】


左:【了承なら左手で自分の左頬を触ってください。】













 しまった。これではこのスケルトンがダンジョンマスターであるかの様だ。

いきなり総合評価とお気に入り件数が倍近くになっていてギョッとしました。

平均点が下がってしまいましたが、現時点でも随分と過大評価となっている気がするのでコレからの頑張りで取り返したいところですね。


読んでもらえるのが嬉しい反面、それ以上に恐縮してしまっています。

これは今まで以上に下手なこと書けないなっと。

今回は特に短いですが、急ごしらえで更新させていただきました。


更新速度は遅いですが、ネタは結構豊富に考えてあります。

これからも精進していくので、どうぞ末永くよろしくお願いします。

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