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24(閑話休題)

馬乗りの話や風呂場での話のリクエストがあったので・・・

 キィン

バキィィィ

 ドギャァァ

「ぎゃぁあぁぁぁ!」

ドゴォォォ


 何かを破壊する音とともに悲鳴が聞こえる。

 ここは中庭、最近城の者たちに魔人の儀式場と言われている。


 なぜそのように言われるかと言うと、噂で


『美しい女性たちが真剣で斬りあう姿は、まさに狂気』


『片方の白い女性はきっと兎の魔人だ。服に汚れすらついていない』


『しかも魔人の儀式は、終わるとすぐに元の綺麗な中庭に戻ってしまう』


 と言う噂が流れているからだ。

 だが実際は、


「クロ君!もっと早くいけますね!」


「無理!無理!無理!無理!無理!無理!無理!無理!無理!」


「その元気なら大丈夫、です!」


 ドゴォォン


 アイリスと正平の特訓だった。


「きゃぁぁぁぁ、俺死んじゃうからぁぁぁぁ」


「すごいです!避けれてますよ!流石クロ君!もっといきます!」


「足がもつれて・・・あ!」


 バタリと、二人は馬乗りに倒れた。


「いててて・・・あ」


「えっと・・・」


 二人の状態は、はたから見ると非常にまずいものだった。


 アイリスと正平の足が絡まり合い、顔と顔との間は約20センチほどとかなり近い。

 しかも、今の二人の格好は運動するときのために着るぴっちりとして薄く、肌の露出が多いもの・・・

 そんな服を着ていれば、嫌でも体のラインも見え、肌と肌の接触は多くなる。


 正平の長い髪がアイリスにかかる。

 

 二人の唇は近づき、そして・・・


「ハッ!す、すまん!い、今俺は、なにを!」


「え、いや、すいません!!!」


 唇は重なることはなかった。


 二人は慌てて離れようとするが足が絡まりまたもや馬乗りになってしまった。

 ちなみに今度はアイリスが上で正平が下だ。


「と、とりあえず。ゆっくり離れるか」


「そ、そうですね!いやぁ~今日は、暑いですね!!」


「ああ、そうだな!暑い、暑い!」


 二人は顔を真っ赤にしながら離れるのだった。


「と、特訓続けようぜ!」


「あ、は、はい!始めましょう!」


 正平とアイリスは何も考えず忘れようと修行に励んでいく。




  







「はい、休憩」


「はぁぁぁぁぁ・・・、何とか生き延びた・・・・・・」


 アイリスはウサミミをぴょこぴょこ動かして嬉しそうに告げる。


「クロ君は、日に日に動きがよくなってきています。教える側として非常にうれしいです」


「そりゃ、どうも。俺は限界だよ」


「頑張ってくださいね。さて、お昼の準備をしましょう」


 アイリスは、まったく疲れを感じさせない動きで地面にシーツをひき弁当を広げていく。


「おぉぉぉ・・・、この弁当だけが俺の支えだぁ・・・」


「フフフ、それを言ってもらえると作ったかいがあったと思えます」


 アイリスの弁当はいつも特訓の昼ごはんだ。バリエーション豊かで毎日中身が違う。さらに量も多く

ボリュームがあり、正平には非常にうれしいものである。


「「いただきます」」


 正平の箸は弁当を素早くかけていく。


「うまい!これどうやって作っているんだ?」


「ああ、それは・・・」


 料理好きの正平とアイリスは昼ごはんの時はいつも料理談議をする。自分の世界の料理を話したり、味付けをこうしたらどうかなどを話し合ったりする。








「さて、そろそろ休憩終了です!頑張りましょう」


「うあぁぁ、また始まるのか・・・、だが俺が決めたことだ!やり遂げるぜ、師匠!」


「はい!それでは・・・、はじめます!」





ドォォォン

「ヤメテェェェ」

ミシィィィ

「グボォォォ」

バキャァァァ

「ウサミミで攻撃ィィィ!??」





「はい、お疲れさまでした」


「おう、お疲れ・・・」


「汗いっぱいかきましたね。シャワーでも浴びますか」


「ああ、そうだな」


 なんとこの世界にはシャワーがある。水の魔法で水をため火の魔法で温度を調整する簡単なものだった。


「あ、でも俺の部屋のシャワー壊れてるんだよな・・・」


「それなら、私の部屋に来ますか?」


「へ?いいのか?」


「はい、大丈夫ですよ」


「そうか、じゃあ借りようかな」


「じゃあ、シャワー浴びる前にここを直さないとですね」


 中庭はひどいものだった地面は一部えぐれて、木もバキバキにおられつくしている。


 そこにアイリスが指を振ると、ドンドン修復されていく。


「いつみてもすごいな・・・」


「いえいえ、簡単ですよ。最初に記録する魔法でこの場所を記録してその通りになる魔法使ってるだけですから」


「そうなのか・・・」


 それでも、アイはすごいのだろうなぁ・・・、と正平は思うのだった。











シャ―――と水の流れる音がする


 ここは、アイリスの部屋。今この部屋にはアイリスと正平がいる。

 アイリスはシャワー室、正平はアイリスの寝室にいる。


(・・・お、落ち着かない!めちゃくちゃ緊張する!お、女の子が近くでシャワーを浴びていると思うと・・・!うわぁぁぁぁぁ!)


 正平は挙動不審だった。


(何か、何か気を紛らわすもの!って・・・ん?)


 なんだこれ、アイリスの部屋にはかわいらしい人形や小物に紛れて魔法の実験で使うらしき道具などもあった。


 その中でも正平の目に留まったのは、まだ新しい感じの肌が青白い人形だった。


「んー?俺に、似てる?」


 人形は確かに正平に似ていた青白い肌に切れ目に黒く長い髪。


「俺を模した人形か?」


 その人形をじーっと見ていると、


ニコリ


「え?笑った?」


 目をこすってみてみるととくに変わりない。


「気のせい?」


ニヤリ


「え?」


 そう思った瞬間人形がにやりと笑う。そして、自分で立って近づいてくる。


「ひ、え、う、うおぉぉぉぉ!!!」


 正平が逃げ出すと人形はにやにやと笑いながら追いかけてくる。

 正平は思わず扉を開けそこに入っていった。

 

「ふぅ・・・」


 だが、それは間違えだった。


「な、なんで風呂場にクロ君が!?」


「え?」


 そこは風呂場だった。アイリスはまさに着替えの真っ最中だった。


 最初に目に飛び込んできたのは黒。アイリスの白く美しい肌は黒の下着によって包まれている。子ぶりながらも確かにある胸。そして、引き締まったくびれ、その下のヒップにはブラと同じ黒のスキャンティーをつけている。


(黒って大人っぽいなぁ・・・じゃなくて)


「ご、ごめn「キャぁぁぁぁぁぁ!」


 と、アイリスの悲鳴が響き渡るのだった



 補足だが正平に似た人形はアイリスの製作途中のゴーレムだったらしい。


 


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