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「ハァ、疲れた・・・」
「はい、お疲れ様です」
そういってアイは、俺にタオルを渡した。
「ありがと・・・」
「いえいえ、ちなみに明日はもっと厳しくなりますからね」
「う、うそぉ・・・」
あたりまえです!とアイは笑いながら答える。
「でも、クロ君本当に筋がいいですよ。ぎりぎり引き分けくらいならできるかも。何か武術でも習ってたんですか?」
うーむ、確かにこの世界に来てからは妙に体が軽い気がする。剣とか持っても重いとか感じなかったしな。
「いや・・・、何も習ってないんだがな。あれか?召喚補正みたいな?」
「召喚補正?」
「うん、俺の世界の物語で異世界に召喚されて、すごい能力が使えるようになったり、身体能力が上がるって話しがあるんだ」
「ふーん、クロ君も何か能力があるかもですね」
「どうだろうなぁ・・・」
「とにかく、今はあるかもわからない能力に頼るより。特訓、特訓です!」
「そうだな・・・」
忘れようと思っていたのに・・・
「そ、そういえば、アイってこの城に住んでるの?」
「はい、図書室の近くの部屋に住んでいます」
「へー、でも城に住むって結構すごいことなんじゃないか?」
「実は私、新しい魔法作ってそれが評価されてここに住めるようになったんです」
「すごいな!剣もできて魔法も優秀って」
「フフフ、そんなことないですよ。ずっと家に引きこもってたら新しい魔法の一つや三つ・・・」
恥ずかしそうな顔をしたあと、アイは一気に沈んだ。ウサミミもふりふり揺れたり、へにゃりとなったりした。
「でも!今はクロ君って言う大切な友達がいますからね!」
顔が熱くなるのを感じた。
面と向かって言われると俺もかなり恥ずかしくなる・・・。
「そ、そうかなら絶対にあいつに勝たないとだな!」
「はい、頑張ってください」




