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「あ、あの・・・」
銀髪の少女が話しかけてきた。そうだ情報収集だ。
俺は、少女に喋る間も与えず尋ねる。
「ここはどこ?勇者って?なんで俺たちはここにいるの?魔王って?君は誰?」
イライラしながら尋ねたため軽く涙目の少女、殺気を放ってくる兵士たち・・・
しまった言い過ぎた
そんな俺を紅がなだめ、少女に笑みを浮かべながら話しかける。
「僕の名前は、白鷹紅音・・・ええと白鷹が性で名が紅音です。こっちが黒田正平、黒田が性で名が正平です。君は・・・」
「アリシア・カリミ・サレアスです・・・」
「うん、よろしくアリシア」
紅が手を握るとアリシアの頬に赤みが差した。
―――――――さすが紅だ、死亡(魔王)フラグにアリシアに恋愛(百合)フラグがたった・・・
それもそのはずだ
白鷹紅 16歳 長い黒髪を後ろに束ね、茶色の瞳を持つ童顔は守ってあげたくなるような印象を持つ美少女だ。さらにオリンピック選手顔負けの運動神経、成績優秀、告白された回数100回以上(そのうち30回ほど女子だ)の主人公体質。
それに対して俺は
漆黒の髪に鋭く黒い瞳、病的に白い肌を持つ。ある者には
「なんで私よりきれいなの!?」
またある者には、
「お姉さまと呼んでもいいですか?」
と言われる。(呼ばせないが・・・)
運動神経、成績は普通である。
とにかく、問題はこのままだと俺も勇者にされるだろう。
まずは先手を打つ!
「すいません、ゆうs「<勇者>は、きっと紅音様ですね!スゴイナァ!」
紅音の言葉を遮って俺は喋る!
「皆様、こちらは<紅の勇者>紅音様です!ちなみに僕は平民です!」
湧き上がる歓声、困惑した紅音、おまけに恥ずかしい二つ名もつけた・・・完璧だ。
俺はフラグから逃げ切った!