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「あ、クロ君!こんにちわ!」
図書室に入ると花の咲いたような笑顔のアイが迎えてくれた。か、かわええ!
心なしか鼻のあたりに違和感を感じるきがする。
「ク、クロ君!血が!鼻血が!」
な、なんだと!何故血が!
慌てて俺は服の袖で血をふいた。
「だ、大丈夫、それより聞いてほしいことが・・・」
「なんですか?」
アイはウサミミをふりふりと動かしながら小首をかしげる。
「ああ、実は決闘することになったんだ」
「決闘!?決闘て、なんで受けちゃったんですか!?」
アイはウサミミを棒のようにぴんっとたてて驚いた。ウサミミ感情豊かだなぁ。
「い、いや受けるってはっきり言ったわけじゃないんですが・・・、なんか強引に決まっちゃって」
「それで・・・、誰となんですか、決闘するのは」
疲れたようにアイは尋ねる
「うん、なんか第一王子だって」
「第一王子!!?う、うそ・・・」
俺がへらへら笑いながら答えるとアイは、またウサミミをぴんっとたて、その後ふらりと倒れかけた。
「おっと、危ない」
「あ、ありがとうございます・・・、それにしても第一王子とですか・・・・・・」
「え、何もしかして、強いの?」
俺がたずねると、アイは大きく目を見開いて答えた。
「強いなんてもんじゃないですよ!ホントに!本当に!すっごく強いんですよ!」
「ええぇ・・・、具体的に言ってよ」
するとアイは、沈んだような声でこう答えた。
「具体的にですか・・・、とりあえずクロ君の棺を今から買いに行った方がいいくらいです」
ま、マジですか・・・。
「私でも、ぎりぎり勝てるくらいなんですよ・・・」
え、それならアイってめちゃくちゃ強いのでは・・・。
「決闘っていつですか・・・」
「一週間後」
「一週間!?もうだめですよ・・・」
だ、だめですか
「俺、負けたらこの国から出て行けって言われちゃったんだけど」
そういった瞬間、アイは目に大粒の涙を浮かべた。
「で、出ていくって・・・、そんな・・・」
や、やばい!泣いてしまう!どうにか、どうにかしないと!!
「だ、大丈夫だって!まだ負けるって決まったわけじゃないし!」
「でも、でもぉ・・・うえぇぇぇ」
アイは泣きながら膝から崩れ落ちてしまった。
な、泣かせてしまった!ええと・・・
俺は、アイの肩をつかんでこう答えた。
「大丈夫だよ!俺は絶対にあいつぶちのめして、それでアイを絶対一人にしないから。根拠とはないけど、絶対勝つよ!」
「ひっく、分かりました!私も絶対クロ君が勝てるようになる訓練をしますから!絶対勝ってください!」
「ああ、負けない」




